前回はギフト編。（結婚準備記⑮ギフト編 - あおいろ濃縮還元）
ウェルカムスペースとは、披露宴会場の入り口にあたる場所のこと。ウェルカムボードをどーんと置いたり、写真を並べたり、お花や風船で華やかに飾ったり、好きなぬいぐるみや好きなバンドのグッズで個性を出したり、様々な装飾を施すことができる。
逆にいうと、結婚式で見るあの写真やロウソクや洋書がおしゃれに飾られたスペースは、アイテムや配置すらもすべて新郎新婦が決めて持ち込んでいるということ。式場に用意があっていい感じにしてくれる場合もなくはないけど、少数派な気がする。
私は式場のアイテムも拝借しつつ、披露宴のコンセプト「美術館」にあわせた空間づくりを目指した。
果物のある静物画
メインとなるテーマは「果物のある静物画」。りんごやぶどうなどのフルーツがあり、なんらかの布が無造作に敷かれ、よくわからない用途の瓶が置いてある、そういう絵。それを "絵ではなく、立体空間にそのまま再現" する。何を言ってるかよくわからないと思うけど、あとで載せる写真を見てほしい。
美術部だった頃、備品のフェイクフルーツを用いて静物画のデッサンをしていた。りんごに落ちる光の濃淡、布と瓶との質感の違い。鉛筆だけで物の微妙なニュアンスを描き分けられるようになるために、静物画の練習は欠かせない。部活の友達がこれを見て、そのときのことを思い出してくれるといいな。
静物画をテーマにウェルカムスペース作りをしている人間などもちろんいなくて、何があればそれっぽくなるか悩んだ。用意したものは以下。
・フェイクフルーツ（りんご、青りんご、洋梨、ぶどう）
・ステンレス皿
・LEDキャンドル ×2
・キャンドルホルダー×2
・テーブルランナー
・空き瓶（ポッカレモン）
りんご・青りんご・洋梨は、ホームセンターの園芸コーナーの中にある造花ゾーンで見つけた。りんごと洋梨198円、青りんご158円。ぶどうは、ダイソーの「イミテーションフルーツ グレープ」を買い、安っぽく見える葉っぱ部分をカットした。空き瓶は大きいポッカレモンのもの。あとは全部SHEIN。
クリップ＆ひもはこのあとエスコートカードに使うやつです
これをすべて装飾すると、
「果物のある静物画」だ！
こういうモチーフのデッサンや油絵、見たことありませんか？これがやりたかった。
ウエルカムボード
ウェルカムスペースの要ともなるアイテム。新郎新婦の写真や似顔絵をパネルやポスターに印刷し、イーゼルや額縁などで飾る。ずっと前から友達に似顔絵を描いてもらおうと決めており、念願叶って依頼させていただいた。
デザインは丸投げしたけれど、コンセプトを汲み取って美術展のフライヤー風に仕立ててくれた。全体的なデザインはゴッホの「花魁」という絵のオマージュ。
フィンセント・ファン・ゴッホ 「花魁」は、渓斎英泉の浮世絵にインスパイアされた絵である。ゴッホも浮世絵も大好きな私には大変たまらないオマージュということ。
「プリントパック」というサービスを使い、A2サイズでパネル印刷。パネルを載せるイーゼルは式場でレンタルした。
できあがったものがこちら。
前撮りで着用した和装と、撮影をおこなった植物園の花たち（椿・サボテン）があしらわれたデザイン。キャラクターっぽさと似顔絵のちょうどいいところを探ってもらった。シンプルにめちゃくちゃ似てる。
良い～～～～
前回のプチギフト然り、友人と力を合わせて作り上げた結婚式、という感じがしてすごくいい。ひとりでなにもかも全部作るにはアイディアやセンスの限界がある。それぞれの得意分野があるわけで、こうやってうまいこと共存できたら素敵だね。こしのさん、ありがとう……。式後は玄関に飾っております。
エスコートカード
式場で借りたコッパースタンドに、麻紐と木製クリップでエスコートカードを吊るす。案内はスタッフさんにお願いしたが、エスコートカードの見方についてのポストカードも作って一緒に飾ってもらった。
美術館のチケットふう。披露宴会場に足を踏み入れる前の段階から、コンセプトを感じとってわくわくしてほしい。一人ひとりに合わせて選んだ絵は、席札と同じ絵柄になっている。
全部並ぶと圧巻。
ゲストに想いを伝える方法として、席札にメッセージを書いたり、手紙をエスコートカード代わりにするのもあったけれど、私たち夫婦は手紙を書くのに悩みすぎるし字が汚い。みんなを想って選んだ絵画が私たちからのメッセージということで受けとってほしい。
ポストカード
・セリア テープ付きクリアファイル ポストカードサイズ 110円
・セリア 書けるマグネットシート 110円
（・ダイソー 両面テープ 110円）←コンフェッティ封筒で使ったものを流用
木目調の壁にはポストカードを飾る。美術館で買い集めたものや、友達と一緒に観た展示で買ったものとあわせ、自分で印刷したポストカードも貼る。
自作ポストカードは、席札・エスコートカードと同じく、著作権フリーかつ個人利用が可能になっている画像をダウンロードして印刷。結婚式にまつわる絵柄を選び、伏線として忍ばせた。ウェルカムボードのオマージュ元であるゴッホの「花魁」。プチギフトのアイシングクッキーに使用されている同じくゴッホの「星月夜」、モネの「睡蓮」「印象 日の出」。
式場の壁には磁石が仕込まれており、シールの類ではなくマグネットで貼り付けてほしいとのことだった。ビニールの袋にポストカードを入れ、その裏にマグネットシートを貼る。
はさみで切れるマグネットシートを用意
袋にポスカ封入して
ちょうどいいサイズに切り分けたマグネットシートを両面テープで貼る
冷蔵庫の側面でシミュレーション。9枚のポストカードに加えて予備も6枚入れておき、スペースが余ったら貼ってくださいと頼んだ。
思ったよりスペースがあり、当日は予備もめいっぱい貼ってくれた！
また、壁の下にも物を飾れるスペースがある。置いたものは以下。
・絵本「うさこちゃん びじゅつかんへいく」
・ミニイーゼル
・ゴッホ「星月夜」ミニ複製画
・洋書×2
・写真立て×2
絵本は百均のイーゼルに。美術館とミッフィーのどちらも好きなので。
「星月夜」のミニ複製画は、積んだ洋書に載せて高さを出す。ウェルカムスペースに飾る洋書はフェイクが多いんだけど、ちゃんと愛読している本物にしたのがこだわり。大好きな「ハリー・ポッターと賢者の石」と、ロアルド・ダールの「魔女がいっぱい」を飾ったら、母が「備品かと思ったけど私物でしょ。本のラインナップでわかった」と気付いてくれた。
写真はなるべく飾りたくなかったが、プロフィールムービーもプロフィールブックも作らないため、人となりがわかるよう2つだけ置いた。おすまししている前撮りの写真と、ふざけたポーズをとっている入籍日の写真。写真立てはダイソーで220円の透明のやつ。
全体像はこんな感じ。紹介したもの以外は式場の備品。式場見学したときはもうちょっとピンク系の飾りが多めにあって、「ピンクは抜いてシルバー系のかっこいいオブジェのみ残してほしい」と頼んだらそのようにしてくださった。大感謝。
大満足…………。
ちなみに搬入時、アイテムのリストと、飾ったときのイメージイラストを同封した。「予備のポストカードを飾る場合はこうしてください」「エスコートカードは番号順に並んでいるのでそのまま飾ってください」「LEDキャンドルは点灯せず、ぐらつくようならティッシュを詰めてください」「ぶどうは皿から垂れるように」「青い布はグシャッと無造作に」などなど、細か～く書いたおかげでイメージとズレもなく美しく飾ってくださった。
次回⑰は装花編。こだわったブーケとテーブルのお花について。
