あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

萌芽

この間ゴッホ展に行った。そこでずっと見てみたかった「ジャガイモを食べる人々」を鑑賞した。自ら育てて収穫したジャガイモを食べている農民たちの絵。すばらしい作品ができたとゴッホは大歓喜したが、画家のラッパルトはリアリティに乏しい描写やひたすら暗いタッチを酷評した。私もあんまりこの絵は好きじゃないけど、これはすばらしいと描いた本人が手放しに信じた絵を見てみたかった。絵自体の巧さや美しさではなくて、汗水たらして育てた食物を自分で食べる農民の、外には見えない内面の美しさを描こうとしたこと自体に意味があると思った。普段見る機会の少ない素描画もたくさんあった。でもやっぱりゴッホは油彩が好き。描くというより絵の具の塊を乱暴に塗りつけたような筆跡を、ポストカードや図録じゃなくてこの目で見たかった。絵の具の盛り上がりに、素早く塗り重ねたとわかる力強い筆跡に、私が生まれるよりも前に存在していた絵の息吹をありありと感じて神聖な気持ちになった。

ところで今年で生きはじめて四半世紀を迎えるので積極的にいろんなことをしている。フリーペーパーのようなものを作りたいという野望も叶えたし、今年はグランピングにも行くし釣りもする。見かけにも変化をつけたくて5年ぶりくらいにパーマをかけた。風呂上がりはオドループの健司さんのようになるけれど乾かすとナチュラルで可愛い。ヘアアイロンを全く使わなくてもいい感じに前髪がカールして非常に気に入った。イメチェン成功に気をよくしてピンクの単色アイシャドウを買った。アイシャドウとしてよりチークとして使ったほうが2000倍可愛かったので、おまえはクリームチークだよと暗示をかけている。アイラインも黒から茶色にした。爽やかなストライプのリネンシャツを買った。心根は変わらないままでどんどん変わっていきたい、ずっとそう思っている。春が近い。