あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

主婦の昼飯を知りたい

専業主婦ってなにを昼飯に食べているんだろう、と最近思う。そもそも不況のこの世の中で、主婦になる人間が身近どころか世間にあまりいない気がする。私とてタイミングの都合上こうなっているだけで、望んでなったわけでもない。このままなんの心配もなく遊んで暮らせるというなら万々歳だが、近い将来に持ち家がほしいから、そろそろ働かねばなるまい。やだな。

 

母もその昔、短大を卒業すると同時に結婚し、専業主婦になった。コネで役所の受付嬢にならないか、みたいな話もあったそうだけど、興味がなくてごく自然に家庭に納まったらしい。ただ専業主婦とはいっても、朝にがんばって弁当を作って、父を見送ったあとはやることもなく昼まで寝ていたらしい。このへんの話は本当に最近知ったのだけれど、あまりにも私が母と同じような道を辿っていて笑ってしまった。こうも自由に生きているのに流れ着くのは同じ島なのか。

 

下の妹が大きくなるまで専業主婦をつとめていた母の昼飯は、鮭フレーク・梅干し・納豆の三本柱だったような記憶がある。たまに塩辛、なめ茸、サンマの味噌煮の缶詰、松前漬けなんかが加わる。実際に食べているシーンは見たことがないけど、お昼になにを食べたのか尋ねると大体が冷凍ごはんにこれらをかけたものだった。休日に一緒に昼飯を食べるときは、母のごはんのお供たちが登場することはなく、ごく普通の料理が出てきた。

 

子どもながらに、母だけ切り詰めなくてももうちょっと良いものを食べてもいいのに、と思っていたけれど、いま思うとあれは節約のためじゃない。家族のためならある程度がんばってご飯を作ることはできても、自分だけが食べる昼飯にそこまでがんばる気が起きないのだ。この歳になって母の気持ちがものすごく、ものすごーく、わかる。夫のための夕飯に、市販の素を使わない麻婆豆腐や、帰宅時間きっかりにあつあつに仕上がるよう卵スープを作ることはできても、自分の昼飯になると肉と野菜をざっと炒めるだけですら面倒くさい。小ネギをはさみで切って納豆にトッピングすることすら面倒くさい。

 

私が調理したくない日の簡易的昼飯は、卵かけご飯に納豆をのせたもの。切って塩とオリーブオイルをかけ回しただけのスライストマト。以上。もっと何もしたくない日は、インスタントの袋ラーメンを、豚こまとキャベツとともに煮込む。最近ちょっと元気があるときは、耐熱容器いっぱいにもやしかキャベツを敷き詰め、その上にさらに豚こまを敷き詰めてレンジで6分チンする。水分を捨ててポン酢と七味をかけると、簡単なのにきちんと調理をしたご飯のような味がする。書いていてむなしくなってきた。

 

茹でた鶏肉やスライスしたきゅうりやミックスリーフをたくさん用意しておいて、タッパいっぱいのサラダを数日分まとめて作るというのはどうだろう。やっぱり面倒くさいだろうか。お腹が空くだろうか。タイトルに主婦とは書いたけれども、在宅勤務で昼飯は自宅でとる人でもいい。節約のために外食やウーバーはしないけど、自分ひとりのために自炊もがんばりたくない人が、いかに工夫をして栄養のある面倒くさくない昼飯をこしらえているのか、が知りたい。