あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

プールの底を歩きたい

このごろ、将来についてよく夢想する。あんなに大人になりたくないと思っていたくせに、いざ大人に差し掛かってみるとやりたいことがいっぱいある。

 

社会人になってお金に余裕をもてるようになったら、モードにキメたい気分のときはHARE、シンプルにいきたいときはniko and…のお洋服を着て、休日のたびにどこかへ出かけたい。ひとりで出歩くならば居心地のいい喫茶店、整然とした美術館、気まぐれにレイトショーにも行ってみたい。誰かと一緒のときは小洒落たカフェや、あるいは大衆居酒屋がいい。

 

 

平日は仕事から疲れて帰ってきて、ちゃちゃっと雑なご飯を作って、でも湯船にはきちんと浸かったりして、文庫本を読みながら寝落ちしたい。もしくは続きが気になって眠れなくなりたい。

 

休日はアラームをかけずに寝て、朝と昼のあいだぐらいに起き、好きな服を着て気ままに出掛ける。だらだらスーパーに行って、実験的にちょっと手の込んだものを作る。そんな暮らし、たぶん12%くらいしか叶えられないだろうけど、夢想するだけならタダだ。

 

 

港町に憧れがある。地元にも海はあるけれど、海開きの時期にしか入れない海水浴場じゃなくて、思いついたとき電車でふらっと見に行けるぐらいの気軽な海がいい。海水浴客でにぎわう真昼のぎらぎらした海よりも、早朝や夕暮れ時に凪ぐしずかな海がいい。しずかで気軽な海のある街に、いつか住みたい。

 

 

結婚することがあれば、成人したとき父にもらったティファニーのネックレスをつけたい。成人式用に贈ってくれたつもりだったみたいだけど、当日あまりにバタバタしすぎてすっかり忘れていた。父自体も忘れていたからまあいいんだけど、サプライズのサの字も知らないような男が用意してくれたからには、日の目を見せてあげなくては。

 

 

ちょくちょく旅にも行きたい。何があるのかはよく知らないが、金沢に行ってみたいと思ってる。21世紀美術館の、あのプールの底を歩いてみたい。あと台湾。夜市。女だから普段危なくてできないけど、夜に出歩くのがすごく好きなもので、だから夜市なんて絶対楽しいにきまってる。NEON PICNICを聴きながら歩きたい。

 

 

やりたいことは無限にある。小さな夢はそりゃもう星屑みたいにたくさんある。死ぬまでずっとワクワクしていたいね。それで最後は、あーもう好きなこと全部やり終えたなって言って死にたい。それが人生の最終目標です。

 

あおでした。

 

ぴあフェス2018

新木場でフレデリックを観るのが夢だった。

ライブ映像や音源で健司さんが 「新木場ァ~!」 と煽るのを何度となく耳にしたせいだろうか。それだけで、九段下より新木場のほうが私にとっては憧れの地であった。

 

夢を叶えるべく、新木場・若洲公園にて開催されるぴあフェスに足を運んだ。

(ほんとは新木場STUDIO COASTが本命だったけど、外観を拝めたのでよしとする)


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新木場ァ~~!!!

 

 

雨のなかユニゾン(『流れ星を撃ち落せ』聴けた…!)と岡崎体育とSHE'Sを観て、昼過ぎにはやくも限界を迎える。

浸水してぐちゅぐちゅ鳴るスニーカー。裸足で沼地を歩いてるみたいだ。マフラータオルもダメにしてしまい、MMMタオルを買い足す。うちに同じのもう1枚あるのに。

 

 

 

 

 

武さんと隆児さんがステージに現れたのは14:30、本番50分前だった。早すぎ。

4人が揃い、手始めに鳴らす『ディスコプール』。フェスで聴けると思っていなくていきなりテンション上がった。

 

フレデリックを観るのは1年ぶりだったのだけど、風格が備わってきたというか、洗練された印象を受けた。あと全員から色気を感じた。ボーカルだけならともかく全員だよ?30代を前にしてこの色気、末恐ろしい。

 

1番のみ終えると、まさかの『ディスコプール』をもういちど。今度はきっちり本腰で。

またやるなんて思ってなかったので、イントロが鳴った瞬間めちゃくちゃ顔を輝かせてしまった。こっちを向いていた健司さんが、口の端だけでふっと笑った。絶対これ私見て笑ったよね…?

 

2列目にいたので全員ばっちり見えた。ビジュアル5億点。康司さんの開襟シャツとか、武さんのパーマあてた髪を耳にかけてるやつとか全部どストライク。

 

『ナイトステップ』をリハでやる贅沢さ。本番さながらの盛り上がり。ところで康司さんの 「奥の奥の奥の方へ」 が、いつも 「僕の奥の奥の方へ」 に聞こえてしまう。

 

リハを終え袖へ。最後に健司さんが残り、「気合いの入ったセットリスト持ってきました。30分後、ものすごく楽しみにしててください」 と言い残して去った。なにその宣戦布告。30分後息の根止められる……。

 

生きた心地もせず開演を待つ。と、5分前から急に土砂降りに。あまりの激しさにざわついていると、円陣を組む掛け声が響いてきた。オイッ!!みたいな体育会系のやつ。

 

 

 

 

 

15:20、ガチャッと家のドアを開けるような音。『飄々とエモーション』のインストが流れ、「フレデリックはじめます」 と健司さんの声が告げる。

 

1曲目から『オドループ』。こんなの、コース料理の冒頭からフィレステーキぶち込んでくるようなものじゃん。

 

「格の違い見せつけにきました」 と不敵に言う健司さんからも、3人からも、リハとは比べものにならない風格と色気が漂う。「踊ってない夜を知らないぴあフェス」 と煽られ、ばっちり揃ったクラップハンズは 「はい1200点!」 とお褒めにあずかった。

 


『KITAKU BEATS』。「だから今夜は帰りたくない Beat  帰りたくない Mid Night」 のあとに手を叩くたび、水しぶきが散る。

 

健司さんが 「"雨なのに" "雨だけど" じゃなくて、雨だからこそ楽しもう」 と言っていたように、雨じゃないと生まれない楽しさがあった。濡れた髪を乱しながら飛び、しぶき散らしながら手を叩くのなんて野外フェスじゃないとできない。不利な状況も言葉ひとつでプラスに変えるバンド、好きになってよかった。

 

ところでベース弾きながらず~っとニコニコしてた康司さん、「素敵な夜のダンスナンバー」 って歌いはじめたとたん男の顔になるのずるい。康司さんがオラついたとき、鼻筋あたりがくしゃって寄るあの顔がたまらなく好き。あの、くしゃっ、に挟まれて息を引き取りたい。

 


「遊ぼうぜ」 と悪戯っぽく挑発する『シンセンス』。関西のイントネーションで 「跳べない?」 と言っていたのにぐっときた。飛べ!じゃなくて飛べない?って、丁寧さが滲み出てていいな。思い思いに揺れる客席はさながらダンスフロア。

 


フェスで『愛の迷惑』が聴けると思っておらず、イントロが鳴った瞬間に息をのむ。私がフレデリズムの虜になったきっかけがこの歌だった。曲間で 「新木場のみなさん」 「俺はあんたら大好きなんです」 と吼える。

 


あんなに激しかった雨が、『オンリーワンダー』のころには徐々に止みはじめていった。この曲のサビのところ、シンプルに拳を突き上げる人とリズムに合わせて両手を振る人とが共存するように混じり合っていて、その奇妙な調和が好きだといつも思う。

 


『飄々とエモーション』。新曲にもかかわらず、もうしっかりとフレデリックのものになっていたし、観客にも浸透していた。歌えますかとやさしく煽られ、おーおーおおー、の部分をみんなで声張り上げて歌った。

 

ボーカルよりも声量のあるシンガロング、というのは今までミスチルのライブでしか聞いたことなかったけど、これはいい線いってた。

 

雨のすっかり止んだ新木場の空に響き渡るシンガロングと、その上を突き抜けていく健司さんのロングトーン。「最後の最後に生まれ変わって また始まったとしても この時間は忘れられそうにないな」。

 

忘れられない40分一本勝負は、晴天のうちに幕を閉じた。

 

 

 

 

メンバーがはけたあとも、健司さんだけ何か言いたげに舞台上に残っていた。なんだろう。最後の夏フェスで言い残したこととか、告知とか、あるんだろうか。かすかに空を仰ぐ姿をぐっと見つめる。

 

健司さんは笑って、

「雨、止ませといたんで」

とだけ言って、歓声と拍手を受けながらステージをあとにした。

 

 

 

 

 

 

…………え、なにそれ、ずるくない?いまので恋に落ちない人いる?

 

最後まで心臓わしづかみにされっぱなしだった。ずるい、フレデリック

 

 

【セットリスト】

リハ1. ディスコプール

リハ2. ナイトステップ

  1. オドループ
  2. KITAKU BEATS
  3. シンセンス
  4. 愛の迷惑
  5. オンリーワンダー
  6. 飄々とエモーション

 

 

 

 

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最高だった!楽しかった!!またくるよ新木場ァ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

ところで『愛の迷惑』のとき 「俺はあんたら大好きなんです」 って言ってたわけですが。愛の迷惑、っていうからには 「大好きなんです」 より 「愛してるんです」 のほうが自然なわけで。

 

健司さん、岡崎体育のステージ観てたらしいんですよ。だから岡崎体育が 「フレデリック夜の本気ダンスストレイテナーも み~んな4分割さ!」 って言ってるのも聞いてただろうし、

 

 「お客さんに対して『みんな愛してる』っていうのは比較シュッとしてるアーティストが言って初めて成立するやつやからな!!」 

 

って言ってたの絶対聞いてたんだよね。それ気にしたのかな???フレデリックほどシュッとしてるバンドもいないと思うけど。

 

いや、深く考えて言ったわけじゃないと思うけど、もし気にしてたらめちゃくちゃ愛おしいなと思って。それだけ。

 

 

ほんとはユニゾンの『流れ星を撃ち落せ』で 「ヤバイ ヤバイ ヤバイ ヤバイ」 が聴けたこととか、多幸感たっぷりの『ライドオンタイム』とか、雨を浴びつつ聴く『君の瞳に恋してない』の 「嵐の中濡れるぐらい 構わないからバスタオルは任せた」 が最高だったこと、最後の夏フェスの最後の曲に『シャンデリアワルツ』をもってきたニクさとかについても語りまくりたいけど!このへんで!

 

読んでくれてありがとう。あおでした。

 

いちばん好きなバンドのはなし

小学生のときコブクロに惚れて音楽のすばらしさを知った私は、中学生で back number を好きになったのをきっかけに邦ロックにのめり込む。

 

back numberをはじめとし、アジカンを聴き、派生してKANA-BOONにハマり、ゲス乙女もキュウソもドロスもフォーリミも、流行りのバンドはなんでも聴いた。ユニゾンやマイヘアを観て、ライブハウスの本当の楽しさを知った。

 

でも、「どんなバンド聴くの?」 「どのバンド好きなの?」 って聞かれたときに、これという答えを出せなかった。ずっと。

 

だって私は 「back numberが好きな人」 であると同時に 「マイヘアが好きな人」 でもあるわけで、かといって 「ああメンヘラ系ね」 とカテゴライズされるのもなんだか違って。キュウソやヤバTみたいなアホなバンド(褒めてる)も好きだし、ドロスみたいなバキバキにかっこいいやつも全部好きなのだ。

 

括られたくなくて、「最近はマイヘアが好き!あっでも流行りのバンドは大体聴くし、ミスチルとかも好きだよ~!」 みたいに曖昧に濁す、ということを数年続けてきた。

 

そしていま、ようやく胸を張って好きだと言えるバンドに巡り会えた。

2018年11月現在、私はフレデリックがめちゃくちゃに好きである。

 

『かなしいうれしい』リリース前あたり、去年フレデリックを好きになってから、自分でも戸惑うほどの勢いでのめり込んできた。こんなにも熱中したのはコブクロとback numberを好きになったとき以来だった。フェスに行き、サイン会に行き、ワンマンライブに行き、ポストカードのお渡し会にも行った。フェス遠征もした。

 

好きな理由はいろいろある。まず曲が好きだし、ライブも好きだし、アートワークやグッズも好みだし、4人の温かい人柄も、仲がいいところも、バンドに対する熱量やスタンスも、ほんとうに全部好き。(あと康司さんが熱烈に好き。めちゃくちゃ推し。)

 

私のなかに 「コブクロが1番好き」 っていう一生揺るがないであろう柱があって、それは揺るがせないにしても、今まで出会ったバンドのなかでフレデリックが1番好きだと胸を張って言える。数ヶ月前に 「どんなバンド好きなの?」 と聞かれたとき、初めて 「フレデリックが好き!」 と答えた。ものすごくしっくりきて、ああこれだ、と腑に落ちた。

 

フレデリックは、ファンの言葉をすごく大事にしてくれる。新曲がリリースされたときや、ツアーが発表されたとき、ライブの様子を配信したとき、ファンからのコメントやリプライに対して 「届いてるよ、ありがとう」 といったことを十二分に示してくれる。

 

だから私も届けたいと思った。普段フレデリックを聴いたときにどう感じて、曲にどうやって救われたきたか、どういう色で日々を彩ってもらっているか、ちゃんと伝えたかった。

 

ライブのときに手紙を書いてプレゼントボックスに入れたりはするけれど、こんなにも強く 「伝えたい」 と思ったのはこれが初めてだった。

 

お渡し会のときに少しだけ伝えることができて、でも全然足りなくて、近くの雑貨屋で急いでポストカードを買ってよれよれの走り書きで思いをしたためた(快く受け取ってくださったA-Sketch の方に深く感謝しております)。走り書きじゃ足りなくて、丁寧に書いたはがきを雑誌に送ったりもした。新曲があまりにすばらしくて、居てもたってもいられなくてラジオにお便りを送った。

 

つい2日前、ラジオに宛てたメールを読んでもらえた。心から伝えたかった新曲についての感想。ちゃんと届いているんだ、ということがなによりも嬉しかった。

 

さらに今日、「ポスター在中」 と書かれた小包が届いた。MUSICAからだった。前に送ったメッセージが採用されたらしい。実際に内容が本人に届くかどうかはわからないけれど、想いをちゃんと受け取ってくれた人がいたんだって、やっぱり嬉しかった。

 

言葉は使いかた次第でナイフにも花束にもなりうる。大好きな音楽を聴いたときに生まれる感情を、そのまま束ねて贈り続けたい。まだまだ伝えきれていないこと、たくさんある。それをまた受け取って、頑張ってよかったなって一瞬でも思ってもらえたらいいな。1番好きなバンドを、これからも私のやり方でめいっぱい愛する。

 

 

 

 

 

 

 

って感じに結んだけど2日連続立て続けにいろんなことが起こってキャパオーバーです実際。

とりあえずMUSICAとポスター(サイン入りでした泣きそう)サイズの額縁買えばいい……… …?

 

ああだめだ。落ち着いて紅茶でも飲みます。あおでした。

 

晴々

私の大好きなコブクロが結成20周年を迎えた。21歳で結成してから20年。21歳、いまの私の年だ。

 

大阪で生まれ育ち、専門学校を卒業したのち各地を旅人のごとく放浪していた黒田俊介。故郷の宮崎を離れて関西トップの営業マンとして働き、すでに家庭も持っていた小渕健太郎。交わるはずのなかったふたつの点と点が、堺東商店街という地で線を結んだ。

 

互いの音楽的センスに惹かれあい、『桜』を作ったことがきっかけでコブクロを結成する。黒田さんは 「3年やってダメなら一生音楽はやらない」 と言い、小渕さんは仕事をやめる。辛く険しい第2の人生を、ふたりは歩み始めることになる。

 

平坦な道ではなかった。それこそ何もない荒野を切り拓くような。やっと日の目を見たと思ったのも束の間、一躍日本の音楽シーンに名を刻んだコブクロは、いちど歩みを止める。活動休止という名目ではあったけれどのちに黒田さんは、あのときコブクロをやめるつもりでいたと語った。

 

いちど完全に止まった歯車は互いに突き動かされてまた噛み合い、ゆっくりと動きはじめる。あれからまたいくつもの壁を乗り越え、今年の9月に晴れて結成20周年を迎えた。

 

 

 

 

 

 

ベストヒット歌謡祭、御堂筋の真ん中で『桜』『晴々』を歌うふたりを見ていたら涙が止まらなくなった。いちばん最初に作った曲と、20周年の歴史を織りこんだ新曲を歌うなんて。

 

コブクロふたりの軌跡についても思いを馳せたし、同時に、現在21歳の私は20年後どんな大人になれるだろうと考えさせられた。

 

一生かけて追いたい夢も、守るべき人も、大切にすべきものに出会ったときに全て投げ捨てて飛びつける勇気も、いまの私にはどれもない。人それぞれ違うわけで、それでもいいんだろうけど。

 

ただ、20年後の自分に恥じない生き方をしたいと思った。20年後、どんな大人になりたいのか。そのために何ができるか。何を選んで何を捨てるか。きっといま私は人生の岐路に立っている。どの道を選んでも後悔しないように全力で生きたい。そしてその道中で、ふたりの曲を大切に聴き続けたい。

 

あおでした。

ライジングサン2018 ⑪

キュウソのあとはエレカシとマイヘアを観てベボベで締める、つもりだった。

 

テントで仮眠をとり、目が覚めると尋常じゃなく具合が悪かった。アドレナリンでごまかしていたぶん一気に火を噴いたのだろう。ああ、エレカシ聴きたかったな。そんなことを思いつつ半ば意識を失うように眠る。

 

ところで私らの取ったテントサイトは、奇跡的にSUN STAGEに激近だった。音漏れどころか普通に歌もMCも聞ける。超聴きたかった『俺たちの明日』と『今宵の月のように』のときだけ目が覚めた。さあがんばろうぜ、という声で起きる贅沢。

 

マイヘアだけはどうしても見たくて、レインコートを着て外へ出た。雨に打たれつつ歩いていると猛烈な吐き気がして、ドロドロの地面にうずくまりながら諦める決断を下した。なんせRED STAR FIELDまで20分以上かかる。このときばかりは北海道の広大さを呪った。

 

ライブでは 「諦める決断」 が重要になる。フェスで倒れて本命のライブを見られず、救護室で泣く泣く音漏れを聴いたこともある。ライブハウスで倒れてしばし意識を失い、死を覚悟したこともある。普段はクソ頑固な私だけど、ライブのときばかりは自分の身を最優先に動く。倒れたら元も子もないのだ。

 

眠ったり起きたりを繰り返しながら聴いたDragon Ashもかっこよかった。それまで声すら知らなかったけど。

 

そこからは泥のように眠った。スカパラベボベも観たかったけど、もうどうにでもなれと思った。ただ、おぼろげな意識のなかで『白と黒のモントゥーノ』の 「燃やせ~!!」 が聞こえた気がのは夢じゃないよね。まどろんでいても届く斎藤宏介のロングトーン

 

 

 

 

 

 

次に目を覚ますと、夜はすっかり明け切っていた。時計を見る。朝8時。

 

朝8時?サンが完全にライジングしてるじゃん……。

 

ベボベ観れなかったどころか、朝焼けまでばっちり見逃してしまった。「ライジングサン」 だけに朝日が昇るのを眺めるところまでが醍醐味なのに。またここに来る理由ができてしまった。

 

顔を洗い、歯を磨いてぼんやりテントサイトへ戻っていると、冷やしパインを売り歩いている子たちがいた。自分と母にひとつずつ買おうと思ったが、財布をテントに置いてきていた。

 

ねえさっきパイン買おうと思ったんだけどさ、って話そうとしたら、母が冷やしパインをふたつ持っていたので大爆笑してしまった。考えてることが同じすぎる。冷やしパイン、この3日間ライジングサンで食べたもののなかでいちばんおいしかった。

 


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ライジングサン、総じて楽しかった~~!!

雨だったけど、雨だからこそ『君の瞳に恋してない』の「嵐の中濡れるぐらい構わないからバスタオルは任せた」 のところ楽しめたし、体調崩したのにエレカシも『白と黒のモントゥーノ』も聴けた。好きなバンドはより好きになり、初めましてのバンドの魅力を知れた。

 

sumika 片岡さんは 「日本全国いろんなフェス行かせてもらってる中でライジングサンほどバックヤードが充実してるフェスはない」‬ と、GENさんは「数あるフェスの中でもライジングサンは本物のロックフェス」‬ というようなことを言ってくれた。どのバンドもべた褒めしてくれてうれしい。地元の誇りです‬。

 

楽しかったなあ。地元を離れることになっても帰ってきたいし、家庭を持ったとしても子供を連れてきたい。3日間だけ現れる私のもうひとつの故郷だと思ってます。ほんとうに大好きなフェス。また来年も行きたいな~!!

 

 

3ヶ月に渡ってダラダラ書いてしまったのですが、読んでくださってありがとうございます。今年中にはぴあフェスで観たフレデリックと、ロックの日(6月……!)に観たマイヘアのレポ仕上げたいと思ってる。思ってはいる。

あおでした。

 

ライジングサン2018 ⑩ - あおいろ濃縮還元

ライジングサン2018 ⑩

21時からのキュウソネコカミを観るため、ピロウズが終わってすぐ会場に入る。

 

音をチェックするだけって感じでさらっと『MEGA SHAKE IT!』1番をやると、ものすごい拍手が起きた。「え!いまので拍手してくれんの~?!」 って嬉しそうに顔をほころばせるヨコタさん。

 

リハーサルでは『GALAXY』を。ライジング初出場のとき1曲目でやって、尋常じゃないほどスベった曲。3年前とは比べものにならないほど、というかリハと思えないほど爆発的に盛り上がった。

 

ライジングサンで21時に打ち上がる花火。どどーんと音がしてみんな一斉に後ろを向く。会場の出入り口から花火のてっぺんがかすかに見えて、そのたび歓声があがる。

 

 

 

キュウソネコカミ

音出し. MEGA SHAKE IT!

リハ. GALAXY

  1. 5RATS
  2. KMTR645
  3. メンヘラちゃん
  4. TOSHI-LOWさん
  5. KMDT25
  6. ビビった(本来2曲目)
  7. DQNなりたい、40代で死にたい
  8. ハッピーポンコツ
  9. The band
  10. MEGA SHAKE IT!(時間あまって急遽)

 

 

 

先に言っておくと今回のキュウソネコカミ、いままでライジングで見てきたなかで史上最高によかった。

 

3年前にEARTH TENTで観たステージは最高に楽しかったし、2年前のSUN STAGE(ライジングサン'16 ④ - あおいろ濃縮還元)なんか泣きそうになった。だけど今回はなんていうか、キュウソネコカミのいいとこ全部乗せみたいな、とにかく圧倒的なステージだった。

 

1曲目の『5RATS』からものすごい盛り上がりよう。こんな身の危険を感じるようなモッシュ久しぶり。だけど 「暴れたいから暴れてる」 って感じじゃなく、キュウソが観られて嬉しくて体が動いてしょうがないみたいなほほえましいモッシュだった。(ほほえましいモッシュ…?)

 

『KMTR645』の キュッキュッキュ~!もばっちり揃ったし、『KMDT25』の例の掛け声も盆踊りも、『家』でもみんな息ぴったり。一体感がハンパじゃなくて、楽しすぎて、たぶん脳内快楽物質みたいのめちゃめちゃ出てた。

 

 

どのくらいすごかったかというと、テンション上がったセイヤさんが本来2曲目にやるはずだった『ビビった』を飛ばしちゃったぐらい。7曲目のときにようやく知らされた。

メンヘラちゃんの前にもう1曲そこそこバカ売れした曲やるつもりだったの、熱気がすごくて飛ばしました!今からやります!」 とセイヤさん。そんなことある?勝負曲飛ばすなんてある…?

 

「おまえらの熱気がすごくて、"ビビった"!」

 

メジャーに行って1、2年で消えるバンド多すぎクソワロタ」 って歌詞、初めて聴いたとき、これでキュウソが1、2年で消えたら笑えないなと思ってた。そこそこバカ売れした時期に賑わっていたファンは離れていったかもしれないけど、キュウソがもし薄っぺらいファッションミュージックを鳴らしていたなら、いまこんなにもアツいライブはできていないと思うのだ。

 

キュウソが鳴らす一音、吼える一小節、すべて受け取って倍の熱量で打ち返すオーディエンス。北海道のお客さんはアツい、とよく言われるのだけど、これはそりゃ言われるわ。薪ストーブぐらいアツいもん。

 

 

DQNなりたい、40代で死にたい』。お馴染み 「ヤンキーこわい」 のコールアンドレスポンスに合わせ、ぎゅうぎゅうに詰まった観客の上を練り歩くヤマサキセイヤ。人の上歩かせたら天下一品。

 

この日の会場はEARTH TENTという屋根つきのハコ。ただし出入り口に扉などはなく、半野外のようになっている後の写真参照)。場外にまで溢れかえるオーディエンスを目の当たりにし、「テントの外まで行く!」 との宣言通りずんずん突き進んでいくセイヤさん。途中姿勢を崩しながらもテントを渡りきって、なんと本当にテントの外まで辿り着いた。謎にじんときてしまった。

 

『ハッピーポンコツ』でも待ちわびていたかのような歓声があがった。セイヤさん、「友達だけれど保護者みたいな あなたたちに恵まれ~!!!」 「おまえら愛してる~!!」 て歌ってくれてもう湧きに湧いた。楽しくて、幸せで、笑いながら泣きそうになった。キュウソのおかげで楽しい~!!!

 

生で見る『The band』、言葉にできないくらい感動した。「やっぱりライブは最強だね すぐそこで生きてる最強だね 音源じゃ伝わりきらない 細かい感動がそこにはあるからだ!!!」 「リアルタイムで出会えたから ライブが見れるの最高だね」 なんて好きなバンドに目の前で歌われたらもうだめ。

 

時間余ったのでもう一曲(いやだからそんなことある…?)、と言って音出しで少しだけやった『MEGA SHAKE IT!』をやってくれた。自分のテーマソングだと勝手に思っているからすごく嬉しかった。

バカになることも必要さ バリバリ真面目にやってれば 溜まるストレス今ここで晴らそう」。私がキュウソのライブに足を運ぶ理由が、このフレーズに集約されている。

 

 

本当に、これまでに私が見たキュウソ史上最高のステージだった。5人の熱意もすごければ、打ち返す観客の熱量もとんでもなくて。最高の化学反応。楽しかったな~~!

 

 

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観客の上を歩いてこの出入り口抜けてったの、そんなんヤマサキセイヤしかできないでしょ…

 

 

次回 ⑪でライジングサンレポ最終回になります。もう少しお付き合いください。あおでした。

 

キュウソネコカミ The band 歌詞 - 歌ネット

キュウソネコカミ - 「The band」MUSIC VIDEO(YouTube ver.) - YouTube

 

ライジングサン2018 ⑨ - あおいろ濃縮還元

ライジングサン2018 ⑪ - あおいろ濃縮還元

 

ライジングサン2018 ⑨

チューハイのみながらノリノリで sumika を観ていたら超いい感じに酔った。ライブの余韻とアルコールが程よくまわって、ふわふわと多幸感に満ちている。

 

そろそろ肌寒くなりそうだったので、上着を取りに一旦テントへ戻ることにした。(数ある夏フェスのなかで、真夏にもかかわらず防寒対策がいるのってライジングサンぐらいなのでは…?)

 

道中、風にのってどこからともなく山下達郎がきこえてくる。『クリスマス・イブ』をBGMに歩くの、どう考えても贅沢。この曲を生で聴けることがあるなんて思ってなかった。ライジングサン最高~~!

 

小腹が空いたので、トルネードポテトだかハリケーンポテトだか、とにかくなんか凶暴そうな名前のやつを食べた。バーベキューソースとよく合う。あたりは暗くなりはじめ、いちど止んだ雨がまた少しずつ降り出していた。

 

18:50~、EARTH TENTの場外にてピロウズを観る。クリープsumikaピロウズで温存した体力をこのあとのキュウソに全振りする算段だったので、体を揺らす程度に大人しくノるだけにとどめる。

 

the pillows

  1. I think I can
  2. Ride on Shooting star
  3. カーニバル
  4. サード アイ
  5. Advice
  6. アナザー モーニング
  7. Funny Bunny
  8. Thank you, my twilight
  9. LAST DINOSAUR
  10. ハイブリッド レインボウ
  11. Locomotion, more, more!

 

ピロウズに関してはどちゃくそにわかなんだけど、ユニゾンとの対バン(fun time HORIDAY 6 - あおいろ濃縮還元)と去年のBAYCAMPでお目にかかったことがあり、なんと観るのは3度目。

 

フェスということで、知っている曲も多くて楽しい。知らない曲だってどれもかっこいい。田淵さんが敬愛しているだけあるなあ。30周年を目前に控えるピロウズは、どっしりと風格を備えていてかっこよかった。俺も山下達郎観たかったぜ~!と『クリスマス・イブ』を口ずさみはじめて場が沸いた。

 

ずーっと後ろでぼんやり観ていたのだけど、なんだか居てもたってもいられなくなって、ラストの『Locomotion, more, more!』のときには会場の最後尾に突っ込んでいた。心躍らざるをえない最高のロックンロールでした。

 

 

次回⑩ は、もう今まで見た中でも本当にベストアクトだったキュウソネコカミについて。

あおでした。

 

ライジングサン2018 ⑧ - あおいろ濃縮還元

ライジングサン2018 ⑩ - あおいろ濃縮還元