キュウソのあとはエレカシとマイヘアを観てベボベで締める、つもりだった。
テントで仮眠をとり、目が覚めると尋常じゃなく具合が悪かった。アドレナリンでごまかしていたぶん一気に火を噴いたのだろう。ああ、エレカシ聴きたかったな。そんなことを思いつつ半ば意識を失うように眠る。
ところで私らの取ったテントサイトは、奇跡的にSUN STAGEに激近だった。音漏れどころか普通に歌もMCも聞ける。超聴きたかった『俺たちの明日』と『今宵の月のように』のときだけ目が覚めた。さあがんばろうぜ、という声で起きる贅沢。
マイヘアだけはどうしても見たくて、レインコートを着て外へ出た。雨に打たれつつ歩いていると猛烈な吐き気がして、ドロドロの地面にうずくまりながら諦める決断を下した。なんせRED STAR FIELDまで20分以上かかる。このときばかりは北海道の広大さを呪った。
ライブでは 「諦める決断」 が重要になる。フェスで倒れて本命のライブを見られず、救護室で泣く泣く音漏れを聴いたこともある。ライブハウスで倒れてしばし意識を失い、死を覚悟したこともある。普段はクソ頑固な私だけど、ライブのときばかりは自分の身を最優先に動く。倒れたら元も子もないのだ。
眠ったり起きたりを繰り返しながら聴いたDragon Ashもかっこよかった。それまで声すら知らなかったけど。
そこからは泥のように眠った。スカパラもベボベも観たかったけど、もうどうにでもなれと思った。ただ、おぼろげな意識のなかで『白と黒のモントゥーノ』の 「燃やせ~!!」 が聞こえた気がのは夢じゃないよね。まどろんでいても届く斎藤宏介のロングトーン。
次に目を覚ますと、夜はすっかり明け切っていた。時計を見る。朝8時。
朝8時?サンが完全にライジングしてるじゃん……。
ベボベ観れなかったどころか、朝焼けまでばっちり見逃してしまった。「ライジングサン」 だけに朝日が昇るのを眺めるところまでが醍醐味なのに。またここに来る理由ができてしまった。
顔を洗い、歯を磨いてぼんやりテントサイトへ戻っていると、冷やしパインを売り歩いている子たちがいた。自分と母にひとつずつ買おうと思ったが、財布をテントに置いてきていた。
ねえさっきパイン買おうと思ったんだけどさ、って話そうとしたら、母が冷やしパインをふたつ持っていたので大爆笑してしまった。考えてることが同じすぎる。冷やしパイン、この3日間ライジングサンで食べたもののなかでいちばんおいしかった。
ライジングサン、総じて楽しかった~~!!
雨だったけど、雨だからこそ『君の瞳に恋してない』の「嵐の中濡れるぐらい構わないからバスタオルは任せた」 のところ楽しめたし、体調崩したのにエレカシも『白と黒のモントゥーノ』も聴けた。好きなバンドはより好きになり、初めましてのバンドの魅力を知れた。
sumika 片岡さんは 「日本全国いろんなフェス行かせてもらってる中でライジングサンほどバックヤードが充実してるフェスはない」 と、GENさんは「数あるフェスの中でもライジングサンは本物のロックフェス」 というようなことを言ってくれた。どのバンドもべた褒めしてくれてうれしい。地元の誇りです。
楽しかったなあ。地元を離れることになっても帰ってきたいし、家庭を持ったとしても子供を連れてきたい。3日間だけ現れる私のもうひとつの故郷だと思ってます。ほんとうに大好きなフェス。また来年も行きたいな~!!
3ヶ月に渡ってダラダラ書いてしまったのですが、読んでくださってありがとうございます。今年中にはぴあフェスで観たフレデリックと、ロックの日(6月……!)に観たマイヘアのレポ仕上げたいと思ってる。思ってはいる。
あおでした。