スーパーマーケットで、パクチーが半額だった。私はパクチーが好きでもないし嫌いでもない。ただ、使いようによってはとびきり光る、原石の野菜だとは思っている。いつもならスルーするが、こんな青々としたのが半額か。傷んでいるというよりは明らかに仕入れすぎた風情。なにか活用できないものか。
あ、これ、タコスにいいんじゃない?タコスを食べたこともないのにそう思った。タコスにはパクチーとライムをこれでもかと盛るとうまい、とどこかで聞いた気がする。タコスパーティー、するしかない。
そうと決まれば、パクチー、タコスキット、ライム、ミニトマト(普通のトマトは目玉が飛び出るくらい高かった)、合い挽き肉、瓶のコロナビールまでも買う。ほんとうは本場らしく牛肉を使いたかったし、ワカモレも作りたかったし、セロリを入れてもうまいらしいけど、最初はこんなものでいこう、と思う。
タコスを食べたことがないので、まるで正解がわからない。キットの通りに作ればそれなりのものはできるとは思うが、わからないなりにも本場に寄せたい。いろんなレシピを見ながら、自己流タコスを作り上げてゆく。アレンジしすぎてもう二度と作れないかもしれないので、覚え書きとしてレシピを書いておく。
オールドエルパソのタコスキット。ハードタイプ(とんがりコーンをタコス型にした感じ)のものが4人前入っている。
最初にライム1個をすべてくし切りにしておくとよい。サルサソースに汁を絞って混ぜたり、タコス本体に絞りかけたり、コロナビールに絞ったり、何においても使うので。
トッピングするチーズは常温がよい。冷凍ピザチーズを室温で解凍しておく。下準備は以上。
まずは肉部分、タコミートを作る。にんにくひとかけをみじん切りにし、油で熱する。香りが立ったら牛豚合い挽き肉400g(キットには500gと書いてあるけどほかの具を増やす兼ね合いで勝手に減らした)を入れ、火を通す。
玉ねぎ1/2とミニトマト1/3パックを粗みじん切りにして、加え、軽く炒める。肉にしっかり焼き目がついたら、付属のシーズニングと水1カップを入れ、沸騰後に弱火にする。そのまましばらく火にかけ、水分を飛ばす。
水分を飛ばしている隙に、サルサソースなるものを仕込む。
玉ねぎ1/4、ピーマン1個、ミニトマト2/3パックをすべて角切りにし、ボウルに入れる。にんにくひとかけをみじん切りにしたもの、砂糖小さじ1、オリーブオイル大さじ1を加える。ライム汁を大さじ1~2ぐらいお好みで絞り入れる(ポッカレモンでもよいと思う)。塩を強めに入れて味を整えればOK。
パクチーを洗ったら、葉の部分を食べやすい大きさにちぎる。茎の部分は風味が強いというので避けておいたのだけど、夫はむしろ茎がうまいといって茎ばかり食べていた。なのでお好みで茎を刻んでもいいかも。
タコスの皮の部分を、1枚ずつ取り出し、下向きに立てて皿へ並べる。600Wで50秒あたためる。
付属のソースを深めの皿にあけてスプーンを添え、完成!
皮に 肉→サルサ→ソース→チーズ→パクチー を載せ、ライムの汁をこれでもかと絞りかける。
パクチー、特段好きというわけでもないのに、タコスに限っては盛れば盛るほどうまい。うますぎる。ライムをかけることで、パクチー特有のくさみが中和される気がする。
ハードタイプのタコス、食べていると両端からソースが垂れたり割れたりする。まず半分に割り、オープンサンドのようにして具材を盛る形式に落ち着いた。
あと、両手が塞がるので思ったよりビールがすすまない。ただ、タコスを食べる場合、普通のグラスよりも先細った瓶のほうが掴みやすいような気はする。
はじめてのタコス、なかなか上出来だった。次はもうちょっと本格的なタコスをやりたい。正解はわかっていないのだけど。