前回は食事編。ウエルカムフード、ウエディングケーキ、試食会について記した。(結婚準備記⑨食事編 - あおいろ濃縮還元)
ちなみに以前更新した「招待状悩み編」は、招待状のサンプルを取り寄せて検討した結果、自分で手作りすることに決めるまでの経緯が書いてある。
今回は招待状DIY編。外注しようと思って何社かにサンプル請求したものの、納得のいくものにするため自分で作ることにした。さらに、親族用(親族以外はWeb招待状)とフォロワー用(=ZOOM生配信を観てくれるTwitterのフォロワーに送る用)で作り分ける。
一般的な新郎新婦がなぜ招待状DIYを頑張るかというと、ここで節約ができるから。式場に頼むより、百均の材料で作るほうが安上がりで済む。しかし私は節約のためではなく、好みのデザインを1ミリも妥協したくないがためにDIYをする。紙質や素材など色々こだわったのでむしろ高い。百均も使いつつ、こだわり抜いた場合のノウハウ例として見てほしい。
親族向け紙招待状
必要なもの
- 封筒
- 本状
- 返信用はがき
- アクセスマップ
- 付箋
- 切手(封筒&返信はがき)
1.封筒
・セリア ウィリアム・モリス封筒 110円
・ダイソー シーリングシール 110円
・エーワン ラベルシール 395円
親族用は、青とゴールドをメインカラーで統一。披露宴のコンセプトである「美術館」のエッセンスは、モリスの封筒を使うことで匂わせる。宛名は白いラベルシールに印刷して貼る。シーリングスタンプ風のシールはゴールドとブロンズの2種類があり、落ち着いた色合いの後者を選んだ。
封をした状態。封筒には慶事用の94円切手を貼る。宛名シール(Amazonで購入)は、エーワンの「ラベル屋さん」というアプリで作成。スマホだと超落ちやすいから、パソコンで作ってこまめに作成するのがおすすめ。
2.本状
・彩現 ポストカード用紙 IJリーベル 578円
メインの招待状のこと。美術館で販売されているポストカードをイメージし、はがき用紙(郵便番号の枠がないもの)に両面印刷をして作っていく。「ポストカード用紙」と銘打たれているインクジェットプリンター専用紙をAmazonで買った。
おもて面のデザインは、スマホアプリのアイビスペイントで作成。印象派の絵画を使いたいので、メトロポリタン美術館のパブリックドメイン(著作権切れ)画像をダウンロードする。数ある画像のなかでも「OA Public Domain」と記載のある素材はダウンロードして利用することができる。非商用利用であれば許諾の必要もない。
※絵画によっては著作権が切れていなかったり、切れていても引用元の明記が必須だったり、サイトによってルールが違うので、必ずきちんと調べてから使ってください。
油絵の具を塗り重ねた質感がわかるような寒色の絵がよくて、選んだのはゴッホの「ばら」。大好きな「花咲くアーモンドの木の枝」と迷い、プロポーズのとき夫がくれた白いばらの花束になぞらえてこっちにした。
Vincent van Gogh | Roses | The Metropolitan Museum of Art
裏面には挨拶文、日時、会場の住所と電話番号を記す。会費制のため、会費についての項目も忘れずに設ける。文面はプランナーさんに校正してもらった。時候の挨拶は、招待状を送付する月に合わせる。7月挨拶文のテンプレートをいくつか組み合わせて作った。
イメージしていた "ミュージアムショップで売っているマットなポストカード" の質感そのもの。パッと見で招待状だとわからない感じにしたかったのが叶った。結婚式のあとは、ポストカードみたいに壁に貼って飾ったりしてくれるといいな。
3.返信用はがき
・セリア 画仙紙はがき 110円
デザインはアイビスペイントで作成。返信用はがきは別名RSVPとも言い、インスタで検索すると洒落たデザインの手作りRSVPがたくさん出てくる。ただ、この返信用はがきはスマホの操作が難しい親族向けに作るため、読みにくいフォントや英文は避け、日本語のみでごくシンプルにした。
インクジェット対応の画仙紙はがきは、よーく見るとうっすら壁紙や画用紙のような凹凸が施されている。味があって私はたいそう気に入ったが、にじみが怖かったり、ごく普通のつるっとしたはがきがいい人は違うものがおすすめ。
出欠確認の面を印刷し終えたら、宛名は別に作る。エクセルで住所録を作成し、ワードの差し込み文書を何やかんやして(カンタン宛名面印刷 - 年賀状 特集 - 楽しもう Office)宛名印刷。忘れずに慶事用の63円切手を貼ること。忘れてしまうとゲストが自費で切手を買って出さなきゃいけなくなる。
4.アクセスマップ
紙の会場地図は、式場で用意してあるものを郵送していただいた。○部送ってくださいと頼むとき、予備を考慮に入れるのを忘れており、もしゲストが増えたりしたら困るところだった(呼んでいない親戚が来ようとしてて肝が冷えた……)。プランナーさんが気を利かせて予備を入れてくださっていて助かった。
5.付箋
・ダイソー A4ケント紙、コーナーパンチ、穴あけパンチ、50cm定規 各110円
・ダイソー B4カッターマット 330円
・ヨドバシ ハトメパンチ 557円
・SHEIN リボン 323円
付箋とは、ざっくり言うと "別添のお願い書" みたいなもの。リクエストカードとも呼ぶ。挙式への参列依頼、祝辞依頼、受付依頼、乾杯音頭依頼など、特にお願いしたいことがある場合に同封する。なくてもよくね?と思っていたけど、式場に挙式参列依頼の付箋を同封してくださいと言われ、「挙式参列依頼」と、義父への「祝辞依頼」の付箋を作った。
見た目にこだわろうとしたらけっこう材料必要だった。ハトメパンチを購入したヨドバシドットコムは送料無料でおすすめ。
Canva(スマホアプリ)のテンプレートをいじって作った付箋を、ケント紙に印刷。文面はプランナーさんに校正してもらった。文字を青く、背景もうっすら青みがかった白にしたのがこだわり。
線に沿ってカッターで切り分けたら、
コーナーパンチで角を丸くする。ケント紙は厚めだから取り出すときに手を切りそうだし、丸いほうがなんとなくかわいい。
穴あけパンチで下穴を開けたら、ハトメを留め、青いリボンを10cmほど切って結ぶ。義両親に送る付箋のみ2枚で、あとは1枚。
6.切手
封筒と返信はがきにそれぞれ貼る。封筒は94円、返信はがきは63円の慶事用切手。ただし内容量が重くなると値段が変わるかもしれないので、事前に量っておくとよい。両親と義両親は絶対に出席することがわかっており、返信はがきを同封しないため、切手の数がそれぞれ違うことに注意した。
慶事用切手が最も望ましくはあるけれど、あえて別の切手を使うのもいい。同じ重量の荷物が10通以上ある場合は「料金後納郵便」というのが使える(後述)。
完成形
・ダイソー 三角ゼムクリップ 110円
そして、完成形がこちら。
実際はこれにアクセスマップも含む。紙類をゴールドのクリップで束ねたら、シーリングシールで封をして完成。
ちなみに式場に頼むと案内状275円+宛名印刷165円=440円×人数のところ、材料費3063円+(94切手×5=470円)+(63円切手×3=189円)=3722円になり、5で割って1人あたり744円でした。本当は8通の予定だったけどそれでも高い。こだわり代です。
郵便局の窓口で出すのがベストだけど、指定されていた招待状発送日と帰省日が重なり、ポストで出した。
フォロワー向け紙招待状
必要なもの
- 封筒
- 本状
- 内容物リスト
- プレイリスト
- 内容物リスト
- 席札
- エスコートカード
- コースター
- 切手
- INVITATIONシール
コンセプトの「美術館」にあわせて、封筒に入ったいかにもな結婚式の招待状というよりも "美術展のDMが届いた!" みたいな感じを出したかった。インスタで見かけた、紙の封筒の代わりにジッパーがついたアルミ袋を用いるアイディアを拝借。
1.封筒
・アマゾン アルミ蒸着袋 100枚入(外寸14×20cm 内寸13×6cm)1860円
(・エーワン ラベルシール 395円)←親族招待状で使用したものを流用
アルミ袋は大きさが何種類かあり、余裕を持って本状やコースターを入れられるサイズにした。おもて面は透明で、中のものが見える。
裏面。アルミ袋に切手ののりは相性が悪いだろうと思い、フィルムシールで作成した料金別納郵便の切手(後述)を貼った。宛名はラベルシールに印刷。
2.本状
アイビスペイントで作成。表は親族向けのものと同じ、裏は書き換えた。配信日時、ZOOM視聴時の注意点、披露宴のコンセプト、Twitterで感想を呟く際のハッシュタグを記入。ZOOMのミーティングIDとパスコードを記載しようと思っていたけれど、大人の事情で別途DMで送る。
3.内容物リスト
スマホアプリのCanvaで、招待状に入っているものの一覧を作った。写真撮り忘れたので、あとで完成形の写真から見つけてください。
4.プレイリスト
・セリア ホワイトカード はがきサイズ 45枚
当日、式場で流すBGMのプレイリストのQRコードを載せたはがき。披露宴が始まる前のウェルカムパーティー中のBGMから、最後のエンドロールムービーで流す曲まで網羅している。本状と同じサイズで違う紙にしたのがこだわり。
まずSpotifyとApple Musicで当日流す曲のプレイリストを作成。そのURLをQRコード変換サイトにコピーし、それぞれのQRコードを生成。変換には「QRコード 作成 無料」で検索して出てきたウェブサイトを適当に使った。角を丸くカスタマイズして、印象を柔らかくしてある。デザインはスマホアプリのCanvaで作成した。
音楽を再生しているふうの画像も別途Canvaのテンプレートを借りて作った。背景は前撮りの写真。
5.席札
・ミタント紙 ホワイト 880円
席札とは通常、披露宴のテーブルに置いてある名前の札のこと。ZOOM視聴勢に送る必要はもちろんないのだが、どうせなら自宅の机に置いて参列気分を味わいながら見てほしい。
Canvaでデザインを作成。リアル披露宴の参列ゲストには「山田花子様」のように日本語表記で作るため、それに合わせ、フォロワーのハンドルネームを日本語表記で記載する。
参列者に合った絵画を一人ひとり選んで席札にする、というアイディアは最初からあった。各フォロワーをイメージした絵画を背景に、ハンドルネームを表記。裏には小さく作品名と作者名がある。
Amazonで買ったミタント紙で印刷したのが大当たりだった。ざらついた画用紙のような風合いが絵画にぴったり。色もきれいに出た。ちなみに少し黄みかがった紙の色は、元々の用紙の色ではなくそういうデザイン。
6.エスコートカード
・A4コピー用紙
本来エスコートカードとは、披露宴で自分の席を探すためのものである。名前とテーブル番号が書いてあり、それを頼りに自分の席を見つける。
コロナの影響もあって、近頃は席次表の代わりにエスコートカードを用いるのが流行っている。直前で欠席者が相次いでも、わざわざ席次表を修正する必要がないから。席次表は個人情報満載な感じがちょっと嫌で、両親にのみ渡して(挨拶回りのため)基本はエスコートカードにすることにした。
つまり席札同様、ZOOM配信で鑑賞するフォロワーは別にエスコートカードがなくてもいい。でも作った。作りたいから。
美術館のチケットふうにしたカードは、本来の用途としては必要ないけれど、"チケットが送られてきた!" というロマンのために同封した。
デザインはCanva。リアルゲストは「HANAKO YAMADA」のようにローマ字表記にしたため、フォロワー分はアカウント名(@yama_hana みたいな感じ)で作成。厚紙に印刷しようと思ったが、コピー用紙で試し刷りをしたらライブチケットを思わせる手触りになり、気に入ってそのまま採用した。
ちなみに席札と同じ絵
7.コースター
・セリア ウィリアム・モリス 110円×2
本当は鑑賞しながら食べられるおつまみを送りたかった。袋にちょうどよく納まるものが見つけられず断念し、何かしら水分はとるだろう、ということでウィリアム・モリスのコースターにした。デザインは私の好きな「柳の枝」。
8.切手
・Amazon フィルムシール 1462円
・別途郵送代
アルミの封筒と切手ののりの相性が悪そうなため、前述した「料金別納郵便」を使う。
同じ重量の郵便物が10通以上ある場合、郵便局の窓口に持ち込むと、切手の代わりに別納印を押して郵送してくれる(料金は必要)。この別納印というのは、はんこを押してもらう/自前のはんこを押すこともできるし、自分でマークを作って貼ることもできる。
「ARCH DAYS」というサイトのテンプレートをダウンロードし、透明のフィルムシールに印刷した。ここは他のテンプレもおしゃれでおすすめ。
無料テンプレート|料金別納郵便って?結婚式招待状をおしゃれに格上げ | ARCH DAYS
台紙が白いから白く見えるけど、実際は透明。かわいい!無料テンプレでこれはすごい。ところでAmazonで結構高いフィルムシール買ったのにセリアにあって卒倒しそうになった。厚手でかなり品質がいいから他のところで使い倒したい。
9.INVITATIONシール
フィルムシールもったいないな~と思って、封筒に貼るシールを作ってみたら、
かわいすぎる。エスコートカードと一体感も出た。
完成形
・ダイソー メタリックゼムクリップ 110円
完成形はこちら。
紙類をメタリックブルーのクリップでまとめ、愛用の香水を振って封入。フレデリックのライブで「ラベンダ」という曲のときにラベンダーの香りを振りまいていた演出のパロディ。
郵便局の窓口で出した。料金別納郵便の値段は、50g(以下なのか以内とかなのかそのへんは聞き逃した)で1通あたり120円。届くまでに土日挟んで4日ぐらい!
ちなみにアイビスペイントを使ったりCanvaにしたりしているのは、元々慣れていたアイビスペイントを最初は使っていたけど、テンプレをいじるうちにコツを掴んでCanvaのほうが使いこなせるようになってきたからで、分けてるのに深い意味はない。Canvaのほうがテンプレートがあっておすすめかも。
Web招待状
招待状悩み編に記載した通り「Weddingday」というサービスを使用。使用テーマは「Nuance Blue Green」。
挨拶文はサンプルのものや調べた文言をいろいろアレンジして記入。プランナーさんに校正もしてもらった。ちなみにここで練った挨拶文を紙の招待状に流用した。
招待状に必ず入れなければならない文言(前者ふたつ)の指示をプランナーさんから受けており、備考欄にまとめて記載した。
みっつめのゆるいドレスコードは、ノースリーブのドレスしかないからショール買わなきゃ!とか、足痛いけどヒール履かなきゃだめかな?とか、そういうストレスを減らしたくて書いた。みんな好きな格好で来てほしい。おしゃれな男性ゲストも多いから、お気に入りのローファーを履いたりもしてほしいな。
また、招待状の回答にすすむと、名前や住所やアレルギーについて答える欄が出てくる。そこに任意で「新郎新婦との思い出の曲」「好きな画家・絵画」を問う欄を設けた。
前者には、披露宴で新郎新婦の好きな曲ばかり流すのではなくて、ゲストとの思い出のナンバーも流せたらいいなという思いを込めている。実は流す曲は大体決めていたんだけど、この質問をしておくことで当日(この曲、私がリクエストしたやつだ!)と思ってほしい。後者はもちろん席札・エスコートカードのためのアンケート。
長々と書いてしまった。次回⑪は波乱の引出物編。