あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

桜咲かす

わかってたよ、だって合否を告げる封筒、前に合格を報せてきたそれと比べてやたら薄っぺらかったから。第一志望に落ちてわんわん泣いた数分後にはもう立ち直って次すべきことについて検索していた。大事な局面に立たされるほど研ぎ澄まされる。イチからというよりゼロからはじめる。どうにでもなる。なんにでもなれる。なるようになるんじゃなくてなりたいようにするのだ、他でもない私が、この手で。バイト先に向かいしな聴いていた曲の「これから映りこむその全ては 君の世界だ」という箇所がやけに響いて2回リピートした。間延びしたショートヘアを整えるため美容室を予約する。落ち込む暇もないほどバイトは立て込んだ。ピザを延々と焼いてたら気持ちも紛れた。退勤後、"どうにもやるせなくて気持ちを切り替えたいときは300円くらいするコンビニスイーツを買ってもいい" というマイルールに則ってわらび餅を選ぶ。また振り出しに戻ってしまったけれど、いまにも喉笛から飛び出そうとする絶望感や焦りはもうない。走り出す動機が不純だっていいよね、もう火は点いてしまったんだから今更引き返すつもりはない。生半可な覚悟で手を取ったわけじゃない。バッドエンドも紡ぎ続ければハッピーエンドになること、物書きの私が1番よく知ってんの。