あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

結婚願望のはなし

結婚の話を最近よくする。結婚願望における価値観についての話、をバイト先でいろんな人とする。元同僚が長年付き合った彼女と同棲をはじめるけれど、彼女はともかく本人には結婚願望がない、というのが毎日のように話のネタに上がるから。私が元先輩と付き合っていることも、付随してからかわれる。その話は必ず拡がって、自分の結婚観はどうなのか、という点に終着する。うちの職場は極端なので、結婚願望が異様に強すぎるひとか逆に全くないひとの2種類しかいない。私も彼氏も前者。

 

私は元々結婚願望が強かったが、どうしても結婚して幸せになりたい!子どもをもうけて素敵な家庭を築きたい!といった類の一般的な結婚願望とは少し違った。自分よりも大切なひとが存在するって、そしてそのひとと人生を歩んでいけるってどういうことなんだろう、という興味関心の元にある欲求であった。ただ、自分よりも大切かもしれないひとに出会ってしまった今、結婚観は変わりつつある。

 

今抱いている結婚願望は、ひとことで言えば「好きだから結婚したい」ということになるんだろうけど、大好きだから四六時中一緒にいたい!みたいなお花畑めいた欲求とは違う。同棲や結婚をしたら一緒にいれてハッピー、という考えは短絡的に過ぎる。生活リズムが違う人間と生活を共にするのは実の家族であろうと辛い。実際、父や弟と暮らすのですらしんどい。

 

なんていえばいいんだろう。好きだから一緒に幸せになりたいというより、好きだから一緒に不幸になってもいいなと、共に生活することで生じるデメリット諸々を背負ってもいいなと、思ったのである。2年ほども直属の後輩としてスパルタ指導を受けていて、付き合う前から嫌なところはごまんと知ってる。恋に目がくらんでデメリットが見えなくなるフェーズなんてとっくに過ぎている。

 

私は彼氏の特別じゃなくて日常になりたいし、なってほしい。今のところ抱いている感情を言葉にすると、それに尽きるのかもしれない。私の愛するコブクロが「みんなにとって日用品のような音楽になりたい」と言った理由が、今ならわかる。まかないで作ってくれていた胡椒のきいたパスタとか、バレンタインにあげた熟れたバナナのパウンドケーキとか、土曜の朝の二度寝とか、邪魔されながらする化粧とか、そういうの全部、特別じゃなくて日常になればいいと思う。この先また考えが変わっていくかもしれないけど、今はそう思っている。

 

でもこんな長ったらしく小っ恥ずかしいことを同僚や友達に言えるわけもなく、なぜ結婚願望がそんなに強いのか問われて「だってもうあんな面白い男と出会える訳ないし」などと言い訳めいたことを口走ってしまうこと、それも本心ではあるけど、やめないとなあとは思ってる。思っては、いる。