あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

違和感のある指輪

違和感のある指輪を買った。目標が叶うまでミサンガみたいな感じでつけていよう、と決めて選んだピンキーリング。私の肌にはシルバーが似合うから、わざと馴染みの悪いゴールドにした。私がいかにも好きな変わったデザインのじゃなくて、どシンプルな、華奢なリング。私のことをよく知っている人が見たなら、必ず「それどうしたの?」と聞かずにいられないような。そうして尋ねられたなら、私はそのたびに夢を語る。逃げ場をなくすように。最後まで必死で走れるように。パウンドケーキに塗るブランデーみたいに、少しずつ、願いをからだに染み込ませる。そのためのお守りであり、装身具。

 

日記を毎日つけている。日記帳に今日のできごとを書きつけるとき、右手の小指に嵌めたピンキーリングが少し引っかかる。そのたびに夢が生まれた瞬間のことを思い出す。思い出せる、ありありと。この違和感にずっと慣れないでいたい。