羽化し始めてようやく、あ、私ってさなぎだったんだと気づく。表面上は停滞していた人生の歯車が、ゆっくりと動き始めたのがわかる。心地いい振動は心音のようでもある。この一年、インプットに次ぐインプットをしてきた。貪欲に蓄えてきた力が、いま、めりめりと音を立てて芽吹く。ウォーミングアップの年だったのだと、過ぎ去ってからわかる。春は案外近い。
菜の花を焼いて食べた。一月にとれるものなんだと不思議に思う、なんとなく春のイメージがあるから。いつもは肉料理と野菜入りの汁物の二品にしがちだけど、今日は野菜のおかずだけで三品も作った。菜の花と温泉卵に粉チーズをふりかけたサラダ、香味だれをかけたアボカド、レンジでチンして白だしをかけたピーマン、それに夫が作り置きしてくれたスペアリブ。いろいろな野菜を食べるのは気持ちいい。ビタミンサプリで済ませるときよりもはっきりと充足感がある。
早寝早起きをして、バランスのいいごはんを食べて、運動もして、規則正しく生きるのが一番難しいから、少しずつそれになりたい。早起きはまだ難しいからなるべく早寝をして、起きたら少しでも陽の光を浴びたりストレッチをしたりして体内時計を少しずつ戻している。凝った朝食を用意しようとすると面倒になるから、ヨーグルトなりグラノーラなりなんでもいいから何か食べる。運動は嫌いだからまだ課題だけれど、室内トレーニングをしたり、散歩がてらこまめに買い物に行ったり、亀の歩みでがんばっている。自律神経を正すのも今年の目標。春はきっと案外近い、はず。