桃白白ナイト

強烈な、35分間。

忘れられない。忘れない。初めてライブハウスで観た My Hair is Bad を。

 

「忘れたくないことだけを 覚えていく」

 

この日、椎木さんはそう言った。

だから書き残しておく。ずっと覚えておくために。だって忘れたくないのだ。笑って泣いて飛び跳ねた、嵐のような35分間のことを。

 

 

 

札幌のライブハウスにて、マイヘア主催で行われた『桃白白ナイト』という対バン企画。対バン相手はいずれも北海道のバンド。水曜というド平日にもかかわらず、チケットは2分で完売。キャパは300くらい?

 

My Hair is Bad の良さを挙げるとキリがない。言葉の選びかた、韻の踏みかた、描写のリアルさ、エグさ、女々しさ。でもやっぱり1番なのは、目が離せなくなるアツいパフォーマンスだ。

 

ライブがとにかくヤバい、と聞いてはいたけど、まんまとライジングサンで虜になった。

( 詳しくは、過去のブログにレポ書いてます→http://bloomsky.hatenablog.com/entry/2016/08/30/114528 )

あの鮮烈な30分間にまた出会いたくて、またマイヘアの掻き鳴らす魂に触れたくて、焦がれていたところに舞い込んできた『桃白白ナイト』。迷わず参戦キメた。

 

 

【出演者】 ALL IN A NUTSHELL / My Hair is Bad / TAGNUTS / THE BOYS&GIRLS

演奏順はナッツシェル→ボイガル→タグナッツ→マイヘア。他のバンドについては詳しくないので、マイヘアのみレポします。

時系列ぐちゃぐちゃなニュアンスレポです、それではどうぞ。

 

 

2016 10/12 (水) セトリ

アフターアワー

彼氏として

悪い癖

告白

クリサンセマム

元彼氏として

フロムナウオン

真赤

アンコール

優しさの行方

 

 

舞台上に3人が現れたとき、オーディエンスの熱気が高まった。音響チェックする間もふつふつと沸き続け、ライブが始まると同時に沸点に達した。前のほうへどっと押し寄せる人波。

いざ、幕開け。

 

 

「僕ら最高速でいつだって 走れるわけじゃないんだって いつかは 止まってしまう日が来る」と歌う『アフターアワー』。

 

ひとたびステージへ上がると、普段の人懐こい笑顔からはかけ離れた、情熱むき出しの椎木知仁がそこにいる。いつか止まってしまうことを知っているからこそ、マイヘアはこんなにも全力で、最高速で駆け抜けているのかな、と思う。

 

 

「桃白白ナイト、ってどういう意味か知ってる?」と椎木さん。

「ググってください。言えないから。ググって。(笑) 昨日ね、(ボイガルの)シンゴと中高生向けのラジオに出たんだけど。由来聞かれて、答えらんなくて…(笑)」

そう濁していたわりにはあっさり 「セ×××キャバクラのことです」 と答えを明かしてしまう。札幌に桃白白という名前のキャバクラがあるらしい。

 

「俺も行ったことはないよ。別に行きたいとも思わないよ!…でもさ、こんな名前付けちゃったからには、挨拶でも行かないと (笑)」

めっちゃ行きたそうじゃねえか。

 

 

 

新曲やります!と始まった『告白』。

韻の踏み具合が絶妙なアッパーチューンながら、どきりとする歌詞が胸を刺す。「未来に期待したい なんて撤回だ 今だけでいいんだ」 「誰かに合わすのはやめたんだ」 「どうしたいんだ そんなバックグラウンドに興味はない」。

今を生きてるなあ、とつくづく思う。過去は顧みず、いつか衰える未来があることを知っていて、マイヘアは今を全力で生きる。自らを燃やすことで輝きを放つ星みたいな、懸命な姿に心打たれる。

 

 

 

「桃白白に行ったことはないが、デリヘルはある」 と指を2本立てる。2回ある、らしい。

「1回目はおばあちゃん。おばあちゃん…。11000円もしたから、してもらったけど。そして2回目は!背の高いギャルだった!」

 

拍手が起こる。椎木さんのタイプが、キャバ嬢やギャルみたいな女の子なのは大体みんな知ってる。好みの子でよかったね!の拍手なのか。マイヘアのファン、椎木さんの性事情に寛容すぎない?

 

ちなみに17000円したらしい。デリヘル呼んだことと、内容まで話しちゃうバンドマンがどこにいるんだ。赤裸々すぎる所も魅力のひとつではある。

 

 

「札幌は、カッコいいバンドいっぱいいるね」

「タグナッツ オールインナッツシェル ボーイズ&ガールズ 正義 正解 不正解 有名 有名じゃない そんなのどうでもいい 俺たちは親友だ」

「平日のライブハウスに来てくれてありがとう」

 

平日のライブハウスに人を集めるのは簡単じゃない。対バン企画に乗ってくれたタグナッツやナッツシェルやボイガルがいて初めて、今日という日が成り立っている。

 

この日の椎木さんは以前見た時よりもがっつき度合いというか、噛みつかんばかりの前のめりさ、が薄かった。その代わり、ボイガルのシンゴさんをはじめとする仲間への感謝が濃かったように思う。

 

 

『フロムナウオン』はマイヘアの真骨頂。サビ以外の歌詞はほとんど毎回アドリブ、という凄まじい曲。どんなこと言ってたかは記憶ぶっ飛んじゃったけど、それはもう。すごかった。

 

 

 

「挿れるの?挿れないの?と聞かれ 挿れますと答えた ロックバンドでもロックスターでもない 24歳の男がいた」

「時代は流れる どんどん忘れていく どんどん忘れていく 楽しかったことも悲しかったことも苦しかったことも忘れていく 時代は流れる 忘れたくないことだけを覚えていく」

 

忘れたくないことだけを覚えていく。その言葉を聞いたとき、この瞬間をずっと覚えていたいな、と思った。

 

フェスで初めて観たマイヘアも、この日ライブハウスで観たマイヘアも、いつかホールやアリーナで観ることになるであろうマイヘアも、覚えていたい。

 

椎木さんのTシャツがグレーだったことや、バヤさんとヤマジュンに至っては姿すら見えなかったことも、忘れていくのかもしれない。でも、3人の掻き鳴らした音に心動かされたことだけは、ずっと覚えていたい。

 

 

 

 

 

3人が退場したあと、アンコールを求める手拍子が起こった。たちこめる熱気のなか、ぼーっと手を叩く。ステージはあっという間のようで、永遠にも思えた。

 

ライジングサンでマイヘアを観たとき、年内に絶対また観たいと思った。今までにないレベルで渇望した。

そのたった2ヶ月後、2分で完売したチケットを勝ち取ったこと。小さなハコでマイヘアを観られること。夢中で飛び跳ねて、MCに笑って、切ない歌詞と熱のこもったパフォーマンスに泣きそうになったこと。

この場所に立てていることが奇跡みたいに思えて、なんだか泣きたくなった。

 

 

「話せないことがたくさんある!!…でもデリヘルの話しちゃったもんな。これは話せないと思ったけど、話しちゃったもんな」

出てくるなり、またもやデリヘルの話をはじめる。35分(と本人が言っていた)のステージ中、どんだけこの話題に時間割いてるんだ。

 

「(夜中の)4時くらいにヤマジュン呼んで、どの子がいいかな?!って。この子にしようって決めて電話かけて、えっ今日はいない?じゃあこの子?いや絶対この子だよ!…17000円かあ…。ねえ17000円だって…とか言ってさ。(笑)」

 

「いつかもっと売れる!」で止めときゃカッコいいものを、「そしてもっと高いデリヘルを呼ぶ!」と続けるあたりがマイヘアらしい。

 

 

アンコールは『優しさの行方』。

「とられて困るくらいなら その手で持っておくんだよ」という歌詞になぞらえて、椎木さんは叫ぶ。

「ポケットの中でもない。はたまたカバンの中でもない。その手の中に持っとけ!」

 

何を持っておくのか、一人ひとり違うものを思い浮かべただろう。私はこの夜のことをずっと持っておきたかった。桃白白ナイト、なんてふざけた名前の夜を。目まぐるしい35分間を。

 

というわけで、ここに記しておきます。ありがとうございました。

 

 

 

読みにくすぎる長文でごめんね、書かずにはいられませんでした。あおでした。