あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

ボロボロと涙が止まらないのは

右手にボイガルのフライヤー、左手にカイロを握り締めてライブハウスから駅までの道を歩く。来場特典でもらったポスターカレンダーの先っぽがビニールから飛び出していた。熱いライブの余韻で寒さなんて気にならない、と言いたいところだけど、氷点下の北海道をロンTだけでうろつくのは道産子といえど厳しいものがある。氷の張った路面をスニーカーで器用に歩く。終演後に引き換えた一番搾りを飲み干してかるく火照った頬が、刺すような夜風を受けて冷えていく。

 

THE BOYS&GIRLSは、熱い。細っこい身体に肌着みたいな白いTシャツをまとって(この日はマッキーで「遠くない未来まで」という文字が書かれていた)、自分以外のメンバーが抜けても泥臭く戦い続けるシンゴさんは、いつだって熱い。初めて聴いた新曲から幕を開けたというのに、なんだか涙がこぼれて止まらなくなった。頭で考えるよりも先に、涙が感情を追い越した。泣きながら笑いながら拳を突き上げずにはいられなかった。格好よかった、格好よかったんだ。ダイブしたはいいものの客席の勢いが凄すぎて「こわい!こわいよー!お母さん!」とオンマイクで言うシンゴさんは最高にダサくて格好よかった。

 

ボイガルと同じく私も北海道に生まれ育っている。地元に誇りをもっているボイガルが眩しすぎるぐらい、私は北海道に生まれたことがコンプレックスで仕方ない。好きなバンドもお店も文化も何もかも来てくれない北海道という場所に生まれたことを22年間何度も何度も何度も呪ってはそのたびに悲しくなった。だけど、だけどね、歌の情景に織り込むぐらい北海道を愛して、ツアーのどこでもやらなかった『札幌』という曲を今日この日に持ってきてくれたボイガルを見ていたら、ああ私も北海道っていう大好きな土地にいることちゃんと胸を張れるようになりたい、愛したいって、そう思えてなんだかまた泣けた。2019年、ライブ納めがTHE BOYS&GIRLSで本当によかった。

 

「ボロボロと涙が止まらなくてもカーテンを開けてみたい そう思えたのはあなたがやってるロックバンドが優しかったから」

 

「あなたがやってるロックバンドがいてくれてよかった」。

 

 

階段に座って

階段に座って

  • THE BOYS&GIRLS
  • J-Pop
  • ¥150