あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

編み重ねる

労働の予定がなかったからオフにしようかと思ったけれど、丸一日を教習所に費やした。眠気をこらえながらブルーのマーカーを引きに引いた。本の発送をするために街へ行き、目についたケンタッキーで昼食をとる。おばちゃんがたの井戸端会議を聞きながら、昔住んでいたまちで母とケンタッキーに行ったことを思い出した。小学校に上がる前まで住んでいたアパートの近くにはマクドナルドとケンタッキーがあり、月に何回かは母に連れられて子ども用のメニューを食べさせてもらった。二階席にのぼる幅の狭い階段のこと、連れていくと言ってきかなかったコロコロクリリンのぬいぐるみのこと、記憶の隅っこに転がっていたそんなことを細々思い出す。ファミリーマートで本を発送する。ロッキンオンジャパンに私の文章が載ったとき、自分の言葉が活字になって全国に並ぶことに対して打ち震えるような感動を覚えた。自分のつくった本が誰かに届く、というのは、それとはまた違った、体の底からじんわり広がって指先まで温まっていくような感慨深さがある。カフェにこもって効果測定のための勉強をして、また教習所にもどる。運転をして、また学科を受けて、バスに揺られる。スーパーの割引ワゴンを漁って明日の朝に食べるバターロールを買う。このごろは、"生きるために生きている" ような生活をしている、と思う。湯船に浸かるといろんなことを考える。免許や資格勉強のこと。引越しのこと。バイトをいつどうやって辞めるかということ。貯金のこと。望まない好意は迷惑というほどではないけど窮屈だということ。心に余裕がないと本も映画も摂取できないが、そういうときこそ音楽だけは染み入ってくること。取り留めもなく、いろんなことを。そうして今日を編んでいく。誰に褒められもしない生活は私が認めればきっと昇華できる。そうやって明日も生きる。湯船のなかで目を閉じる。