引越しが1ヶ月後に決まった。正直はやすぎる。まあ仕方ないから、急ピッチでいろんなものを片付けにかかっている。冷凍庫にねむっている干物やミートソース、ファミリーパックのたこ焼きや餃子。赤だしとあわせ、2種類常備している味噌。買い足したばかりの強力粉。コーヒー豆。大容量のフェイスパックも。
最寄りの図書館にある、絶対に読んでおきたい本は片っ端から借りて、暇さえあればページをめくっている。気になっていてなんとなく入ったことがなかった居酒屋にも入った。お気に入りの喫茶店、中華料理屋とイタリアンにもあと何回かずつは通いたい。このへん田舎でしょう、と住んでいる人が必ず言うまち。引っ越してきてしばらくは嫌だったけど、3年も住めば情が移った。新居はそう遠くないし、行こうと思えば電車ですぐ来れるけれど、なんだかやたら寂しい。
人生はタイミングだと生きるごとに思う。チャンスを見極めること、迷いなく掴みとること。振り返ってみれば、そういうのが結局大事だった気がする。私は優柔不断のくせに、重大な決断を下すのは早い。きっと仕事も結婚も家を買うのもすぐ決めるんだろう、と思っていたら、本当にすべてそうなった。
寂しいけど、前にしか進めない。冷凍餃子も味噌もフェイスパックもちゃんと使い切って、新章に進む。