あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

思考を換気する

夕方の日差しを含んだ川面はモネが塗ったみたいな優しい緑色に光っている。雲をたたえて淡いピンクに輝く空の作画もモネだろう。10日ぶりの出勤、からの帰り道。印象派みたいな夕方だった。しばらく外に出ていない間に日が短くなっている。野菜の直営所に玉ねぎが売っていないか覗くと、いつも野菜が売られているスペースをおびただしい種類のりんごが占有していた。りんごの季節、なのか?そのうちクラシックな佇まいのアップルパイでも作りたいと考えながら何も買わずに出た。マスクを顎まで下げてぼんやりと煙草をふかす老人の、シャツの背中にタンクトップの形がくっきり浮き出ている。私が喫煙者だったら、こんな涼しくて美しい夕方に煙草を吸ったらさぞかし気持ちいいだろうなと思う。外に出ると、本当にいろんなことを取り留めなく考える。最近胃を壊した原因はストレスじゃないかと言われ、特に大きい心当たりはなくて不思議だったけど、在宅勤務になって、ずっと家に1人でいて気が滅入っていたのかもしれない。部屋だけじゃなくて思考も換気しないといけない。ぐるぐる、ぐるぐるとプロペラを回して、内に溜まっている澱んだ空気は吐き出して、澄んだ外気を取り込まないといけないのかも。脳みそも。