あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

一心同体

シングル発売まで取っておこうと思っていた『心』のMVを、ちらりと見てしまった。いろんな想いが溢れて止まらなくなって、何度も再生ボタンを押した。

 

 

NAOTOさんやチームラボと近々何か大きなことをやるのではないか、というのは薄々察していた。予想していたのに、いい意味で大きく裏切られた。

 

予想をはるかに上回るのがコブクロの得意技なら、それを全力で受け止めるのがコブファミの返し技だ。というわけで、長ったらしい感想書きます。

 

かっこいいとか、すごいなんて言葉で納めたくない。だから忘れないうちに、私なりの解釈を書きたい。

 

あくまでも私個人の見解であることをご了承ください。

 

 

 

 

 

 

 

『心』は、映画『ちょっと今から仕事やめてくる』の主題歌である。

激務に追われ疲れ果てた主人公が、電車のホームに落ちかけるところから物語は展開していく。

 

小渕さんのサラリーマン経験を生かして書き下ろされたこの歌に、黒田さんが考案したというMVは、そりゃもうとてつもない奥行きを与えている。

 

 

コブクロ『心』MV
コブクロ 心 - YouTube

 

 

波打つ壁に囲まれ、ひとり孤独に舞うNAOTOさん。「君は僕の心」 と歌うサビに差しかかると、スポットライトが当てられ、白い服をまとった姿がくっきり浮かび上がる。社会という険しい荒波に揉まれる 「心」 を表しているのだろうか。

 

 

ところでこの曲では、自分の 「心」 のことを 「君」 と呼んでいる。体と心は文字通り一心同体で、どちらかがはぐれてしまってもいけない。

 

君を守れるのは 僕しかいないのに

そこから動けない君を置いて 僕はドアを閉めた

 

いわゆるブラック会社に使い捨てられようとしている映画の主人公と、歌詞がリンクする。このままでは壊れてしまうと気づいているのに、心をそっと奥底に閉じこめて見ないふりをする。そんな光景が浮かぶ。

 

 

 

1番が終わり、2番になると、全身黒で身を包んだ小渕さんが登場する。サビでは、これまたオールブラックで固めた黒田さんが現れる。

 

……個人的には、小渕さんに革ジャン、黒田さんにロングコートを着せてくれたスタイリスト大村鉄也氏にノーベル賞を贈りたい。

 

40歳を迎えたのになぜか若々しくなっている小渕さんと、逆に色気ダダ漏れの黒田さんも見所のひとつだと思います。

 

 

2度目の 「君は僕の心」 で、再度映し出されるNAOTOさん。黒ずくめで向かい合うコブクロのふたり。その合間を埋めるように踊る白色。光と闇、体と心のコントラストが、際立つ。

 

偽らない君をずっと この胸に抱きしめていたい」 と、淀みなく前方を指さす黒田さん。位置的には小渕さんをまっすぐ指さしているように見えるけど、私は 「心」 = NAOTOさんを指さしたのではないかとも思った。

 

離ればなれになっていた体と心がひとつになる。心にひそむ弱さと向き合ってはじめて、自分を認めることができる。

 

コブクロ、NAOTO、チームラボという大型コラボが生み出したこのMVは、そうしたことを伝えてくれた気がする。

 

仲間とコラボをする、というのは、仲間内でのノリに留まって自己満足で終わることも多い。でもコブクロは、コラボやタイアップで誰かと合わさったときにこそ、何倍にも何十倍にも力を発揮する。これがプロ同士の仕事ですね、おみそれしました。惚れ直しました。

 

 

 

 

最初に触れた通り、この映像の発案は黒田さんだという。近頃は曲以外のジャケットやアートワークや広報など、黒田さんが鮮やかなアイディアを持ちこんでくることが多い。

 

黒田さんの歌声を最大限に引き出すために、小渕さんは100点の曲を作る。その曲を120点にするために、全身全霊かけて歌う。そんな共依存の最大形態をもって、コブクロはずっと新しいものを生み出してきた。

 

互いの良さをどこまでも引き出しあえる、まさに 「一心同体」 なふたりだからこそ、たどり着けた境地。『心』は、そんな曲だと思う。

 

 

 

 

 

 

カップリングも楽しみ。あおでした。