あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

夢をかなえた話

長年の夢が叶いました。

 

6月28日発売の ROCKIN' ON JAPAN 8月号、ジャパンレビューという読者投稿欄に、このたび私の書いた『フレデリズム2』のディスクレビューが掲載されます。

 

今はこれ以上のものは絶対にできないってぐらい本気で書きました。フレデリック愛と文章力のすべてを注ぎこんだ最高傑作なので、読んでほしいな。

 

立ち読みでも図書館でも、最後の一文だけでもいいから目を通してくれたら嬉しいです。買って手元に置いてくれたらもっともっと嬉しい。

 

私の夢をひらたく言えば 「活字になって誌面に載ること」 だったけれど、もちろん載るのがゴールではないので。ようやく掲載されたこの文章は、だれかに読んでもらって、あなたに伝わって初めて実を結ぶんです。伝わらないと意味がないから。

 

私が音楽雑誌を買うときの決め手は、「手元に残しておきたいと思うかどうか」。深いインタビューやハッとするフレーズ、なにかひとつでも 「手元に残したい」 ってものがあったら買うようにしてます。

 

思わず手元に置きたくなるような、永久保存版の文章を書いたつもりです。

 

ちなみにタイトルは フレデリックを聴いてしまったら ──『フレデリズム2』に彩られ、春」 としました。存分に愛をしたためました。どうかよろしくお願いします。あなたに読んでほしい。

 

 

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バンプ表紙です

 

 

(※最後のほうにもまだちょっと続くので、個人的なエピソードはいらないよって人は次のキリトリ線が出てくるまで読み飛ばしてね)

 

 

 

 

 

 

 

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宣伝はここまでにして、夢の話をする。

 

物心つく前から文章を書くのが好きで、10歳のときには、自分の書いたものが活字になって出版されることを夢見てた。

 

邦ロックを知った高校生のころ、ロッキングオンジャパンのレビュー欄に載ることを夢見はじめた。自分と大して歳の変わらない人たちの圧倒的なレビューが掲載されているのを泣きそうになりながら見てた。

 

心の底から羨ましかった。悔しくて妬ましかった。負けたくなかった。私だって本気で書けば、って思ってた。でも思ってただけだった。

 

何度も書こうとしたけど、何度やっても自分の思ったような色が出なかった。完成する前に諦めては嫉妬に狂うだけの年月を重ねた。「載りたい」 という気持ちで頭でっかちになりすぎていた私は、「伝えたい」 って思って書いた言葉じゃないとなにも伝わらないことにずっと気づいてなかった。

 

2017年、1番好きだと思えるバンドに初めて出会えた。フレデリックに出会って、世界の色が変わって見えるようになった。

 

私にとって『フレデリズム2』は革命だった。歌詞もメロディーも演奏もアートワークも、こんなに隅々まで好きなアルバムが存在することにクラクラした。感想を呟いても、ブログにまとめても足りなかった。私がどんなにこのアルバムを好きだと思っているか、語っても語っても指のすきまからこぼれ落ちていくようだった。

 

ちゃんと伝えたいと思った。ツイートでもブログでもなくて。もっと不特定多数の見知らぬだれかに、願わくば本人たちに届くようなところで、いままで培ったものすべて費やして『フレデリズム2』の素晴らしさを綴りたいと思った。投稿するしかないと思った。載ることがゴールではなく、「伝えたい」 がために 「載りたい」 と初めて思えた。

 

4月から構想を練り、納得のいくものを書き上げたころには5月になっていた。これ以上は書けないと思えるほど自信作だった。これでダメなら潔く諦められると思ったけど、だからこそ怖かった。すべてを費やしたこの文章が、通用しなかったらどうしよう。ここまで本気で書いても伝わらなかったら、二度と筆を取れなくなるかもしれない。怖かった。

 

JAPAN JAMでの健司さんのMCレポと本人のツイートを見て、そんな気持ちも消えた。健司さんが仰っていたことと趣旨は違うけれど、私がフレデリックを聴いて思ったことを形にして、それに触れただれかがまた違ったことを感じられたなら、そんなに素晴らしいことってない。私のエゴなんてどうでもいい、ただ伝えたいと思えて、送信ボタンを押せた。

 

1ヶ月後。掲載が決まった。

 

何年もずっと抱いてきた夢が叶って、それこそ夢のなかにでもいるような気分だった。こんなことあるんだ、長年の夢が叶うなんてことが、ロックスターでもなんでもないただの凡人の私に起こりうるんだって思った。

 

たまに文才あるねみたいに言われるけど、私のこれは生まれ持った才能じゃなく、骨身を削る思いで10何年もかけて手に入れた努力の結晶で。たくさん悔しい思いをして、伝わらないことに絶望してきた。そうやって積み重ねてきたすべて、この日のためにあったのかなあって思えた。22年生きててやっと、本当にちょっと、報われた気がした。

 

ということを、夢を叶えた話を、ひとりじゃ受け止めきれないほど嬉しいからこうして書いた。でも今は夢が叶ったことよりも、少しでも好きなバンドの素敵さを伝えられることが嬉しい。綺麗事みたいだけどほんとだよ。

 

 

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ものすごくハードルを上げてしまった気がするけど、どうかよろしくお願いしますね。

 

『フレデリズム2』リリース当初、感想を書いたんだけど(フレデリズム2 - あおいろ濃縮還元)これが鉛筆でサッと描いたラフ画だとして、2ヶ月聴きこんで愛を熟成させた今回のレビューは奥行きも陰影もつけまくったガチの油絵です。

 

この感想とか、あのミッドナイトグライダーに関する文章とか、ちょっとでもいいなって思ってくれた人には絶対に後悔させない出来だと思う。

 

普段こんなこと言わないけど、たくさん広めていっぱい感想ください。他でもないあなたに伝わってほしくて書いたので。空リプでもなんでも拾いにいくから。

 

どうかよろしくお願いします。あおでした。