あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

脳にくる炒飯

いつもの中華料理屋で、いつもは頼まないメニューを開拓する。金曜の夜、一週間のきびしい労働に疲れ果てた夫は刺激を求めていた。通い慣れた店の知らないメニューに挑んでみるのはお手軽な刺激だ。いつもなら天津飯麻婆飯を頼むところだけど、ニンニクがこれでもかと入った炒飯にする。夫は激辛のラーメン。ニラがたっぷり入った餃子はシェアで。

 

一見ふつうの炒飯は、ひとくち食べると、脳をガツンと揺さぶられる味がした。米のひと粒にまで染みついたニンニクの強い香り。ニラ餃子はそれを上回る、目の覚めるようなものすごい味。こんなにくさいのに、激しくうまい。どういうことなんだ。味覚と嗅覚を揺さぶられて脳にくる。臓器も血も匂い立ちそうなご飯が、いつもの中華料理屋にあっただなんて。知らない一面を垣間見たようでドキドキする。

 

なにかの拍子にもらうQUOカードを、いつもコンビニでだらだらと消費していたけれど、近所の本屋で使えることが判明してからは本につぎ込んでいる。ビビッドな限定カバーのかかった「カラフル」を買う。森絵都好きなのに、もっとも有名な「カラフル」を読んだことがないのが負い目で、やっと入手できた(ちなみにミヒャエル・エンデの「モモ」も読んだことがなく、せっかくなら愛蔵版を買おうかな、と現在進行形で悩んでいる)。

 

夜風がすずしい。タンクトップに長袖シャツでちょうどいい。春と秋の服装はむずかしいと思っていたが、タンクトップに長袖シャツを羽織ればだいたい対応できると気づいた。リブニットタンクトップってこういう時期に着るんだな。ちょっと遠くのスーパーで、晩酌用の地鶏炒めを買って帰る。金曜日はがやがやと賑わう居酒屋に行かなくても、いつもの場所で、工夫しだいで楽しくできる。