あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

夕立

職場が臨時で閉まることになった。デルタ株の猛威がこんな田舎にまで潜り込んできたら本当に大変なことになる。行政として適切な英断であるとは思うけれど、それはそれとして悲しくてやるせない。私は芸術を不要不急だと思わない人たちのためにこの仕事を頑張りたいのに。荒んだ情勢のなか、エンタメを心の拠り所にして食いつないでいる私のような人たちからこれ以上エンタメを奪いたくないのに。こんなの人体実験だと思いながら死ぬ思いでワクチンを打ったのも、第一には職場にウイルスを持ち込みたくなかったからで、1週間が経っても副反応に苦しんでいることがいっぺんに虚しくなった。わかっているつもりだけど、理解できることと割り切れることは違う。

 

心が死にそうだ、と思って貯まっていた楽天ポイントをはたいて「たゆたえども沈まず」を買った。なにも考えていなかったけど私の仕事とかなり関係のある分野の小説で、無意識に恋しくなってしまっていることに気づく。お取り寄せでの購入になるらしいが、休暇中には優に間に合うだろう。休みは3週間ほどもある。カヌレ型でも買って理想のカヌレを極めようか。自暴自棄にでもなってローラメルシエのコスメを買おうか。中途半端に再生しかけているエヴァと、MIU404を一気見もしたい。この穴をどうにか埋めようと思ったとき、思い浮かんでくるのはやっぱり生きるために不要不急に思えるようなことばかりで、そういうことたちに私は日々救われていると思い知る。だから救いたかったんだけどなあ。

 

これは人生の休暇、と思いたい。