あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

泡のような日々よさらば

大好きなバイト先が閉店することになり、今日が私の出勤する最後の日だった。

 

ほんとうに愛していた、この場所のこと。まだバイトを始める前、20歳を迎えてはじめてお酒を飲む場所に選んだのもここだった。店に漂う雰囲気のすべてが落ち着いていて大人っぽくて、ずっと憧れていた。

 

高校を卒業してすぐ、初めてのバイトを何にするか迷っていて、そのうちの有力候補がここだった。悩んでいるうちにべつのバイトに誘われて、そこで2年ほど働いたけれど、結局その店も潰れることになって、じゃあ次こそは!と迷わず応募した。その場で採用されて、今に至るまで3年間働くことになる。

 

いまは全国に散らばった大切な友人たちとも、彼氏とも、ここで出会った。ここに集まる人たちはびっくりするほど善良で、やさしくて、でもみんなどこか個性的だった。「男女間にも友情は成立する」と信じている男女間にであれば、真の友情は成立するのだと知った。片方に下心があればたやすく崩れうることも。

 

なにもかも楽しかった。今日飲みたくない?と誰かが仕事中に言い出せば、退勤後そのまま終電に乗って宅飲みした。将来のこと、恋愛に関すること、なんでもかんでも話した。なんで好きな人ができないんだろう、と友達の前であれだけ管を巻いていた手前、まさか先輩に言い寄られていることは言えなかったけど。付き合ってからも少しだけ秘密にしていたこと、同じアパートから出勤して何食わぬ顔で働いていたこと、ごめんねって思ってる。許せ。

 

どんなに辛いことがあっても出勤すれば誰かしら大好きな友達がいて、それだけで救われていた。遅くやってきた青春だった。思い出のすべてが煌めいてた。あれが人生のハイライトだったよねって、友達が時々しみじみと言うこと、ほんとうにその通りかもしれないと思ってる。しあわせな夢を見せてくれてありがとう。

 

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お酒がのみたい気分だけど明日も早いからノンアルにする。おやすみなさい。