あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

脇役たちに最大級の

UNISON SQUARE GARDENがどうしようもなく好きだな、と最高だったライブの余韻を握りしめながら思う。「来年もどうせツアーやるだろうし」って何気なく言ってくれたひとことがどれだけの灯りになりうるかなんて、あなたたちは知らなくていい。ただステージ上で、歌とギターとベースとドラムと、四重奏を鳴らしていてくれたらそれでいい。

 

ホールでもライブハウスでも関係ない、3人がいて観客がいれば、どこにだって完全無欠の箱庭は出来上がる。そのことを音楽だけで魅せられた。予定調和も一体感も彼らの前では意味を成さない。拳を上げて跳ねずにはいられない衝動が、身体を突き破ってひとりでに飛び出す。「それでもふぞろいに出そろった心ステンドグラスはキレイだろう?」と歌ったあの曲がふと頭をよぎる、これはB面曲ではないのでもちろん今回はやらないのだけど。

 

ニゾンを観ているとき、なにも考えられない。楽しすぎて。ほかの観客なんてどうでもいいし、自分のことすら、過去も未来もどうでもいい。ただ目の前にユニゾンがいて、ここに私がいて、この場所で今という時間が流れているのならば、それだけで充分だと思う。他にはなにもいらないのだ。3人、私、今、ここ。「最小限で十二分」。

 

いつもなら長々と詳細なライブレポを書き連ねているところだけど、今回に限ってはこの楽しさを書き留めておくことよりも独り占めしたい気持ちが強いので、しない。独占欲が強いものでごめんなさいね。ライブ後、ビールを無性に欲しつつも、体調が芳しくないのですだちソーダで乾杯した。それでもアルコールなんていらないぐらい満ち足りて、脳みそが幸福にじんじん痺れている。ああ、素敵な夜だったなあ。完全無欠のロックンロールを鳴らしてくれる私の大好きなバンドは今日も格好よかった。