あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

墨、無尽蔵

自分で書いておきながらこの文章は自分のものではないというかよそいきの顔をしているな、と思いながらそのまま提出したらまんまと見抜かれて、「使い古された言葉じゃなくて、もっと砕いたあなたの言葉で読みたい」 と言われたときの、目の覚めるような衝撃。そうだった、そうだったのに。擦り切れるほど使い込まれて他人の手垢にまみれた言葉なんていらないのに。泥まみれでも私しか書けないものじゃないといけなかったのに、手を抜いたというか油断してしまったことを深く恥じた。お行儀がいいだけの言葉なんていらない、透き通った白なんかじゃなくていい、どろどろに濁った黒でいいから私だけの言葉が欲しい。ペンをとるようになったときからその想いはずっと変わらない。私だけに創れる世界が欲しい、一生かかっても欲しいと思うし、この欲が尽きたらきっと終わるんだろうなとぼんやり感じている。虎視眈々、尽きることのない欲深さを、杖にしてすがって歩く私は滑稽にみえる?

 

 

スロースターター

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