あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

夜の手

いろんな、いろんなことがテトリスのように積み重なっては日々を編んでいくけれど、ゲームみたいに綺麗に消えてしまうことはないから私は人生を愛してる。

数日のあいだで、好かれるように立ち振る舞ったり、反対に嫌われるように仕向けて動いたりした。レモンサワーで赤くなった頬の裏側にめいっぱいの思惑を詰めこんで笑っていた、そんな自分をつい先ほど湯船でふやかして排水溝に流した。好きな人にはより好かれたいし嫌いな人には嫌われたい。自分の身を切り取って差し出す愚かな私のことをわかってくれなんて言わないから、バカだねって笑ってくれたらそれでいい。

私の美学をわかってくれなんて思わない。人よりもいびつな私の軸を、理解なんかしてくれなくていいから、めいっぱいぶつかりたいと思う。青とオレンジという真逆の色が溶けあう夕焼けのグラデーションは、空の青色だけじゃ絞り出せない。昼と夜が手をつないだ結び目を、一辺倒の青だけじゃ打ち出せない美しさを、その向こうを見たくて夜の手を取る。