空をひっくり返したみたいな大雨を傘で受けながら人生について考えてた。徹夜明けの喉は枯れ果てており、今からバイトに行くのだと思うとそらおぞましい。二日酔いが残らないようセーブできるほどには大人だけど、大人だから徹夜がしんどくて仕方ない。
私はかっこいいと言われるのが案外好きで、とくに同性より異性から言われる 「かっこいい」 は数段嬉しい。たぶん私の生き方だとか主義だとか服装までものことを含めて言ってくれたのだと思う、「あおはかっこいいよ」 という言葉が、やけに頭をぐるぐる回って離れないから忘れないで取っておこうと思った。
酔ったときに零したものこそがより本音であるならば、一生覚えておこうと思う言葉が昨夜はいくつかあって、本当に些細でとるに足らないことばかりだけど、私にとっては大切だからそれは誰にも教えない。
人生で初めて入ったバーで、目移りする私にマスターが出してくれたチャイナブルーの、空と雲の比率が切り替わったような色合い。本来、空である部分は晴れやかに透き通り、淡いブルーが雲のようにところどころ広がる。お任せで頼んでブラッディメアリーみたいなカクテルが出てきたら落ち込んでしまったかもしれないけど、チャイナブルーはひどく私に似合う気がした。