除雪車の唸る音で目が覚める。カーテンの向こうに明けきらない空。インスタントのコーンスープの湯気、頬を裂くようなつめたい空気が沁みる朝。もう冬だ。土曜なのに平日よりよっぽど忙しいの、笑うしかないけど、こういう朝を過ごせるなら悪くないかもしれないって思いたい。
綺麗なものをめいっぱい映えさせるより、なにげない美しさを切り取ることのほうが難しくて、好きだ。高校のとき写真部に入っていた友人が撮った一枚を忘れられない。早朝の校庭、まどろむ朝日に照らされて宝石みたいな雫をたらしている蛇口の写真。ありふれたワンシーンのなかで輝くその美しさ。
友人は写真でそれをしたけれど、私は言葉で同じことをしたい。日常に埋もれているハッとするような美しさを言葉で掘り起こしたい。
昔は本を読んでいるあいだだけ、違う世界に飛びこんでいられた。あまり読書に時間が割けない今、現実とそうでない世界とを隔てるのは音楽だ。『DAY DREAM BEAT』を聴きながらそんなことを考えていた。
先日ライブを初めて観てから、ハンブレッダーズが頭にこびりついて離れない。ライブには手を挙げたりいろんな楽しみ方があるけど、音楽っていうのはバンドとお客さんひとりひとり、1対1の世界を作るもの、みたいなことを言っていたのが忘れられない。音楽を聴いているときにだけ生まれる1対1の世界。"ヘッドフォンの中の宇宙" を大事にしたい。
まとまらなくなってきたのでこのへんで。あおでした。