あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

列をなす灯

慣れるまでは8時から、といわれていたバイトが4回目の出勤にして7時からになった。6時台の外はまだ仄暗く、心なしか空気も湿っている。犬の散歩をさせているおばあさんも、工事のおじさんがたもまだいない。まちは半ば眠っていた。最近観た「パンとバスと2度目のハツコイ」という映画を思い出す。主人公の女の子がうんと早起きしてまでパン屋で働くのは、まだ眠っている早朝のまちを見たいからだという。白く灯った蛍光灯の群れのなか、1本だけオレンジに光るものがある。朝と夜の境目みたい。オレンジの蛍光灯からこちらは夜、あちらは朝、といったふうに。退勤後、ホットコーヒーを買う。クーポン利用で80円。もうマフラーが必要なほど寒い北海道で、ホットコーヒーは家に着くまでのカイロ代わりを兼ねうる。手っ取り早く引越し費用を貯めるための単なるつなぎとして選んだバイトだけど、私はやっぱり田舎のコンビニエンスストアで働くのが好き。