あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

井戸と刃

スカイツリーの展望台でも鳥取砂丘でもちょっと小高い山の上やだだっ広い草原の真ん中でもなんだっていいけどそういったスケールの大きな場所に行ったとき「地球の大きさに比べたら自分の悩みなんてちっぽけに思えた」ということが生まれてこの方一度もない。私の世界のなかじゃ私がいちばん偉くて大切なのに地球ごときと比べて胸を撫で下ろせちゃうようじゃ困る、といったジャイアニズムのもとに生きているからかもしれない。今月はまだ一度もブログ更新していないにも関わらず「今月のPV数は〇〇を越えました」の通知が赤く光っており、更新していないブログを眺めている人間がこの世に〇〇人もいることに驚いたと同時に嬉しくなった。ねえ、でも、句読点と改行に乏しく読み辛い文章はお気に召さない?読み辛いなって顔を顰めてブラウザバックする人には伝えるつもりのないモールス信号みたいな言葉は目を凝らした人にだけ届けばいい、私は元気にやってるよ。あれもこれもと手を伸ばすことのできる器用な人間じゃなかったと痛い程思い知ったりしているこの頃を懸命に生きている。大切な人たちや物事たちに惜しみなくなみなみ愛を注ぎ続けられたならいいのに、いくら愛情の貯蓄が多い私といえど、枯れてしまっては井戸もただの冷たい墓場である。大切なものを全て器用に大切にできたならいいのにひとつのものを一途に不器用に愛することしかできない人間だ、ってわかってんだから。もう欲張るのは無理なんだってわかってんのにね。こないだ書いたとある話は半年以上も前から構想を練っていたんだけど、なんの因果なのか現在の私の状況と似通う箇所や思うところも存分にあり、自分で作ったフィクションのくせに他人事とは思えない。自分で研いだ刃でかすり傷を負う事態。とりあえず、くだらない生き方はしないって胸に留めている私がつまんねえ女に成り下がっただなんて思われたくないから今日も人知れず井戸水を補充するしきちんと刃も研いでおくのだ。私はいつもいつも幸せだけどこんなんで満足しようなんて毛ほども思ってないんだから、死ぬまで貪欲に生き尽くす、それだけだよ。