あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

白虎

母方の祖父は芸術肌で、画家になるか警察を目指すかでたいそう悩んだらしい。結局は警察として生涯を閉じた祖父の、ひとりで作り上げたという虎を描いた大きなタペストリーは、何十年ものあいだ居間の壁を猛々しく彩っている。誇らしく掛かったタペストリーと警察時代の表彰状を眺めては、私も死んだあとまで残る生き方をしたいなあと思う。

 

物心つく前に亡くなった祖父のことはよく知らないけど、私は祖父になにもかも似ている。らしい。頑固で真面目でそのくせおちゃらけていて、天才型というより努力でのし上がるタイプで、脳筋よりは芸術肌で、骨ばった体つきや目つきが悪いところまで余すことなく似た。見事なまでの隔世遺伝っぷりである。

 

そしてきっと、堅実な道と険しい山道を天秤にかけてはその実どっちも貪欲に取りにいく生き方も、生き急ぎすぎて短命なところですらも、色濃く似てしまうんだろうと思う。満開のうちに蕾ごとこぼれるような生涯を私も駆け抜けたい。写真のなかの祖父によく似た目にシャドウをのせながら、なぜだかそんなことを考えていた。

 

終わりなき旅

終わりなき旅