あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

終焉感傷癖

お盆休みだからと集まった面々のなかには、中学を卒業して以来顔を合わせていなかった人もいて、そしてきっとこれが会う最後の機会になってしまうんだろうってなんとなくわかって、ただグラスを傾けて笑っていた。地元にいられるのも今年で終わりだろう。案外友人の多い私は、帰省するとなってもわざわざこの集まりに顔を出しはしないだろう。『君が海』の、「この夏が最後になるなら その横顔だけでいいから ずっと忘れない」 というフレーズがときどき彗星のように尾を引いて駆け巡った。別れ際、私はいつも振り返りもせずスタスタと去る。寂しさに追いつかれないように。次会ったときにまた昨日の続きみたいに話し出せるように。でもこれが最後かもしれないと思ったから、見えなくなるまで手を振った。ちゃんと前見てよって笑われるぐらい。これが最後かもしれないなんて考えてしまう自分にひどく疲れるけど、物心付いたときには既にこういう思考回路だったわけで、治らないならこのひねくれた脳みそと付き合っていくしかないんだよな。飲んでもないのに頭が痛い。