あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

ぴあフェス2018

新木場でフレデリックを観るのが夢だった。

ライブ映像や音源で健司さんが 「新木場ァ~!」 と煽るのを何度となく耳にしたせいだろうか。それだけで、九段下より新木場のほうが私にとっては憧れの地であった。

 

夢を叶えるべく、新木場・若洲公園にて開催されるぴあフェスに足を運んだ。

(ほんとは新木場STUDIO COASTが本命だったけど、外観を拝めたのでよしとする)


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新木場ァ~~!!!

 

 

雨のなかユニゾン(『流れ星を撃ち落せ』聴けた…!)と岡崎体育とSHE'Sを観て、昼過ぎにはやくも限界を迎える。

浸水してぐちゅぐちゅ鳴るスニーカー。裸足で沼地を歩いてるみたいだ。マフラータオルもダメにしてしまい、MMMタオルを買い足す。うちに同じのもう1枚あるのに。

 

 

 

 

 

武さんと隆児さんがステージに現れたのは14:30、本番50分前だった。早すぎ。

4人が揃い、手始めに鳴らす『ディスコプール』。フェスで聴けると思っていなくていきなりテンション上がった。

 

フレデリックを観るのは1年ぶりだったのだけど、風格が備わってきたというか、洗練された印象を受けた。あと全員から色気を感じた。ボーカルだけならともかく全員だよ?30代を前にしてこの色気、末恐ろしい。

 

1番のみ終えると、まさかの『ディスコプール』をもういちど。今度はきっちり本腰で。

またやるなんて思ってなかったので、イントロが鳴った瞬間めちゃくちゃ顔を輝かせてしまった。こっちを向いていた健司さんが、口の端だけでふっと笑った。絶対これ私見て笑ったよね…?

 

2列目にいたので全員ばっちり見えた。ビジュアル5億点。康司さんの開襟シャツとか、武さんのパーマあてた髪を耳にかけてるやつとか全部どストライク。

 

『ナイトステップ』をリハでやる贅沢さ。本番さながらの盛り上がり。ところで康司さんの 「奥の奥の奥の方へ」 が、いつも 「僕の奥の奥の方へ」 に聞こえてしまう。

 

リハを終え袖へ。最後に健司さんが残り、「気合いの入ったセットリスト持ってきました。30分後、ものすごく楽しみにしててください」 と言い残して去った。なにその宣戦布告。30分後息の根止められる……。

 

生きた心地もせず開演を待つ。と、5分前から急に土砂降りに。あまりの激しさにざわついていると、円陣を組む掛け声が響いてきた。オイッ!!みたいな体育会系のやつ。

 

 

 

 

 

15:20、ガチャッと家のドアを開けるような音。『飄々とエモーション』のインストが流れ、「フレデリックはじめます」 と健司さんの声が告げる。

 

1曲目から『オドループ』。こんなの、コース料理の冒頭からフィレステーキぶち込んでくるようなものじゃん。

 

「格の違い見せつけにきました」 と不敵に言う健司さんからも、3人からも、リハとは比べものにならない風格と色気が漂う。「踊ってない夜を知らないぴあフェス」 と煽られ、ばっちり揃ったクラップハンズは 「はい1200点!」 とお褒めにあずかった。

 


『KITAKU BEATS』。「だから今夜は帰りたくない Beat  帰りたくない Mid Night」 のあとに手を叩くたび、水しぶきが散る。

 

健司さんが 「"雨なのに" "雨だけど" じゃなくて、雨だからこそ楽しもう」 と言っていたように、雨じゃないと生まれない楽しさがあった。濡れた髪を乱しながら飛び、しぶき散らしながら手を叩くのなんて野外フェスじゃないとできない。不利な状況も言葉ひとつでプラスに変えるバンド、好きになってよかった。

 

ところでベース弾きながらず~っとニコニコしてた康司さん、「素敵な夜のダンスナンバー」 って歌いはじめたとたん男の顔になるのずるい。康司さんがオラついたとき、鼻筋あたりがくしゃって寄るあの顔がたまらなく好き。あの、くしゃっ、に挟まれて息を引き取りたい。

 


「遊ぼうぜ」 と悪戯っぽく挑発する『シンセンス』。関西のイントネーションで 「跳べない?」 と言っていたのにぐっときた。飛べ!じゃなくて飛べない?って、丁寧さが滲み出てていいな。思い思いに揺れる客席はさながらダンスフロア。

 


フェスで『愛の迷惑』が聴けると思っておらず、イントロが鳴った瞬間に息をのむ。私がフレデリズムの虜になったきっかけがこの歌だった。曲間で 「新木場のみなさん」 「俺はあんたら大好きなんです」 と吼える。

 


あんなに激しかった雨が、『オンリーワンダー』のころには徐々に止みはじめていった。この曲のサビのところ、シンプルに拳を突き上げる人とリズムに合わせて両手を振る人とが共存するように混じり合っていて、その奇妙な調和が好きだといつも思う。

 


『飄々とエモーション』。新曲にもかかわらず、もうしっかりとフレデリックのものになっていたし、観客にも浸透していた。歌えますかとやさしく煽られ、おーおーおおー、の部分をみんなで声張り上げて歌った。

 

ボーカルよりも声量のあるシンガロング、というのは今までミスチルのライブでしか聞いたことなかったけど、これはいい線いってた。

 

雨のすっかり止んだ新木場の空に響き渡るシンガロングと、その上を突き抜けていく健司さんのロングトーン。「最後の最後に生まれ変わって また始まったとしても この時間は忘れられそうにないな」。

 

忘れられない40分一本勝負は、晴天のうちに幕を閉じた。

 

 

 

 

メンバーがはけたあとも、健司さんだけ何か言いたげに舞台上に残っていた。なんだろう。最後の夏フェスで言い残したこととか、告知とか、あるんだろうか。かすかに空を仰ぐ姿をぐっと見つめる。

 

健司さんは笑って、

「雨、止ませといたんで」

とだけ言って、歓声と拍手を受けながらステージをあとにした。

 

 

 

 

 

 

…………え、なにそれ、ずるくない?いまので恋に落ちない人いる?

 

最後まで心臓わしづかみにされっぱなしだった。ずるい、フレデリック

 

 

【セットリスト】

リハ1. ディスコプール

リハ2. ナイトステップ

  1. オドループ
  2. KITAKU BEATS
  3. シンセンス
  4. 愛の迷惑
  5. オンリーワンダー
  6. 飄々とエモーション

 

 

 

 

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最高だった!楽しかった!!またくるよ新木場ァ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

ところで『愛の迷惑』のとき 「俺はあんたら大好きなんです」 って言ってたわけですが。愛の迷惑、っていうからには 「大好きなんです」 より 「愛してるんです」 のほうが自然なわけで。

 

健司さん、岡崎体育のステージ観てたらしいんですよ。だから岡崎体育が 「フレデリック夜の本気ダンスストレイテナーも み~んな4分割さ!」 って言ってるのも聞いてただろうし、

 

 「お客さんに対して『みんな愛してる』っていうのは比較シュッとしてるアーティストが言って初めて成立するやつやからな!!」 

 

って言ってたの絶対聞いてたんだよね。それ気にしたのかな???フレデリックほどシュッとしてるバンドもいないと思うけど。

 

いや、深く考えて言ったわけじゃないと思うけど、もし気にしてたらめちゃくちゃ愛おしいなと思って。それだけ。

 

 

ほんとはユニゾンの『流れ星を撃ち落せ』で 「ヤバイ ヤバイ ヤバイ ヤバイ」 が聴けたこととか、多幸感たっぷりの『ライドオンタイム』とか、雨を浴びつつ聴く『君の瞳に恋してない』の 「嵐の中濡れるぐらい 構わないからバスタオルは任せた」 が最高だったこと、最後の夏フェスの最後の曲に『シャンデリアワルツ』をもってきたニクさとかについても語りまくりたいけど!このへんで!

 

読んでくれてありがとう。あおでした。