あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

流る

地震発生直後は気が立っていてエネルギッシュでいられたのだけど、ライフラインが軒並み復旧し、すでに平和に過ごせている現在、沸々と不安が襲ってくる。

 

暗闇の中で眠れなくなった。一人でいるのが怖くなった。シャワーを浴びるのも怖くなった。静かな空間にいると嫌なことを考えてしまうので、普段見ないテレビをつけたり、いつもはイヤホンで聴いている音楽をスピーカーで流したりしている。今日はR&Rバンドワゴンのアーカイブをずっと漁っていた。これを書いているいまも引き続き聞いている。たぶん、自分で思ってたよりも大丈夫じゃないんだな。

 

しっかりしなきゃ、みんな不安なんだから私が受け止めなくてどうするんだって、必要以上に思ってしまっている。実際に家族のメンタルをケアできるのは私しかいないわけで、仕方ないんだけど。人のことばっか考えてじゃあ私のメンタルは誰が守ってくれるんだよって、深刻にならないようにわざとアホっぽく振る舞ってみたりしながら泣きたくなる。

 

早く友達に会いたいけど、きっと素直に怖かったって言えない。水道が止まって弟がトイレを詰まらせた話とか、やっと卵買えたと思ったら祖父も卵を持ってきて2パック消費するハメになったこととか、茶化した話しかできないと思う。ほんとはぐちゃぐちゃに泣きたい。茶化したり気丈に振る舞っちゃう自分を見たくないからいまは友達に会いたくない。親友以外会いたくない。

 

油断しきっている時がいちばん危ない。このまま過ぎ去ってくれることを願っているけれど、また眠っている間に地震が起きたら、今度は家が崩れたり二次災害が起きたら、って、なんでもない幸せを噛みしめるたびに怖くなる。私が遺体の身元確認を見据えてずっと同じアクセサリーをつけていることも、少しずつパソコンやスマホのデータを整理していることも、ぜんぶ無駄になればいい。あのとき星が綺麗だったねってただ懐かしめるようになればいい。