あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

青々

遠距離大変だね私だったら寂しすぎて耐えられない~みたいなことを死ぬほど言われるけど、もちろん楽しいことも山ほどある。ビデオ通話をつないで同じ本を読んだり、手紙に紅茶のティーパックを忍ばせて送ったり、絵本が送られてきたり、通話しながら金曜ロ…

煙しみる風呂場で

温冷浴を繰り返すように洋書と和書を交互に読んでいる。英語に疲れたら、短編をひとつ読む。異なる国の言語が肌に浸透していくようだ。日本語は解像度の高い優れた言語であり、ゆえに生まれる複雑さを私は愛している。読んでいたのはハリーポッターなのに、…

結婚願望のはなし

結婚の話を最近よくする。結婚願望における価値観についての話、をバイト先でいろんな人とする。元同僚が長年付き合った彼女と同棲をはじめるけれど、彼女はともかく本人には結婚願望がない、というのが毎日のように話のネタに上がるから。私が元先輩と付き…

水面ひときれ

エアコンのない温室のような自室と、エアコンはあるけれど家族に無限に話しかけられてひとりの時間が持てない居間。そのどちらにも疲れて適当な装備で飛び出すこと、この夏は何回かあった。近所のパン屋でコーヒーだけを買うのは忍びないから、塩パンとアイ…

くろぐろ

あーあもう何もかもがめんどくせえな、と思ってなんとなくルナルナを開けば生理が近いことがわかって、からだに流れゆく女性ホルモンの恐ろしさに打ち震えた。全部めんどくさい、振り出しに戻った就活も、学生時代の友人にハブられていることも、男友達がと…

鮮烈トライアングル

例年のような夏らしいことはあまり出来ないまま、私の好きな夏という季節はあっけなく終わりへ向かっていく。いつも通りに花火大会があったとしても、遠方に住む彼氏と参加することは叶わなかっただろうからこれでいい気もする。そう言い聞かせる。せめても…

桜咲かす

わかってたよ、だって合否を告げる封筒、前に合格を報せてきたそれと比べてやたら薄っぺらかったから。第一志望に落ちてわんわん泣いた数分後にはもう立ち直って次すべきことについて検索していた。大事な局面に立たされるほど研ぎ澄まされる。イチからとい…

ラフスケッチ

ナウシカを観た、人生で初めて。みんなが当たり前に嗜んでいる物語を知らない、というのは教養が足りないようで恥ずかしかった。札幌シネマフロンティアに、直通エレベーターではなくエスカレーターで行くのが好き。グルメフロアから映画館のフロアへ続くエ…

エデン

不思議な夢を見た。とはいえ私が見る夢というのは大抵シュールで不思議なものが多い。こないだのは、ドライブスルー専門のマクドナルドの店員をやっていて、サーモンのマリネが食べたいと言い張る爺さんにそんなものはマクドナルドに置いていないと懇々と説…

つめたいねむり

幸せの絶頂にいると自覚したとき、今この瞬間に死にたい、と必ず思う。本気で自殺願望があるわけじゃない。スポーツ選手がキャリアのピークのうちに華々しく選手生活を終えたい、と思う気持ちとたぶん同じことだ。それとは対極に、もうこの世の面倒くさい全…

腹底の蛆

決まった時間に決まった場所へ行かなければならない、ということが本当に苦手である。アルバイトは平気だ。待ち合わせも平気。学校に行くことと、講座かなにかに通うことが本当に、本当にだめだった。高校時代、塾に通うという行為が嫌すぎて、猛然と自宅学…

背徳感無料

トートバッグはあるけど入り切らないので仕方なく、という顔をしながら買ったものを何かしら手に持って歩くのがたのしい。レジ袋が有料になって以来手に持って歩いたもの。砂ずりポン酢、胡瓜のおつまみ、半熟ゆで卵。コンビニで買ったものをビジホまで持ち…

飛行機の窓から

北海道の空はいまにも降り出しそうなアイスグレーに濁っている。「Bedroom Joule」を再生すると目を閉じた。滑走路を駆ける轟音は、物心つく前から聞き慣れているので何も気にならない。どころか眠くすらなる。離陸していく浮遊感とともに、眠りに落ちる。 …

梅雨未満

吹き込む風がつめたさを孕みはじめて窓を閉めた。夏至のころを過ぎても北海道はまだ涼しい。こないだ本を売ってから調子づいて、今度は真剣に本棚の整理をした。もう読み返すことはないだろう、というものを選んだら文庫とハードカバー含めて40冊ほどになり…

換気

ふと思い立ち、もう読まない本を紙袋に入るだけ詰め込んだ。11冊入った。私は元来コレクター気質であり、読み返さないとしても本は本棚に大切にしまっておきたいのだけど、そうも言ってられないほど蔵書が増えすぎた。本多孝好と乙一は私の青春だった。何年…

頭巾でヘブン

効かないイブに臍を噛みながら、睫毛も溶け落ちそうなほどグズグズに泣きながら、少しでも気持ちを和らげたくて星野源を延々流しながら、多大なる迷惑をかけながらもなんとか走り抜いた夜のこと、いつかハッピーエンドに変えてやるから忘れてなんかやるもん…

底抜け

恥の多い生涯を送ってきましたなんて言うつもりは毛頭ないが、大変長らく愛を知らない生涯を送ってきた。私自身は溢れんばかりの愛を叩きつけるように生きてはいるものの、愛され方がわからなかった。暗い話ではなく、ただ私の愛を受け入れる壺が底の抜けた…

ライウ

昨日の雷雨が嘘みたいに晴れ。襟ぐりのよれてきたラフな緑のワンピースは、お洒落な部屋着に降格させようか悩みながらも結局着ていくことにした。2ヶ月ぶりの電車にどことなく緊張する。昨夜発作のように泣いた瞼はすぐさま枕元にあったグリーンダカラで冷や…

不慮のターコイズブルー

なぜか引き出しから出てきたターコイズブルーのポスターカラーを捨てた。文字通り、ポスターの色を塗るのに適した鮮やかなテクスチャの絵の具。水彩絵の具と油絵の具のちょうど真ん中ぐらいの重さ。それからチャックの壊れた財布と金平糖の瓶と、引き換え損…

犬の模様のブランケット

おでんにからしを付けるとうまいという世の摂理に齢23にもなってようやく辿り着く。時折おじいちゃんが作ってくれる鍋いっぱいのおでんこそがおでんだと思っているから、コンビニのそれはいちども食べたことがない、そういえば。大根とさつま揚げとはんぺん…

なんでもない日

治安の悪い柄した柄シャツでスーパーへ行き乳酸菌を買う。最初は免疫力アップのために飲んでいたR-1が、免疫どうこうより便秘に効くためなんとなく手放せなくなった。昨日の夜はぶ厚いスウェットにブランケットに毛布の重装備でも震えていたのに、今日は嘘み…

しょうゆ味

適当に前髪を巻いて、ちゃちゃっと眉毛を描き、手と顔のマスクから出る部分に日焼け止めを塗るだけ、が近頃の外出スタイルになっている。マスクをしてしまえば万事なんとかなる。前も書いたけれど最近は彼氏に贈られたワンピースをこれでもかと着倒している…

御守

昔、吃音持ちの私は苛められるのがこわくて話すことができなかった。苛められることはなかったけど、誰とも話せなかったし笑うこともなかった。無愛想でかわいげのない自分のことが嫌いだった。五年生のころ、教育実習の先生がクラスひとりひとりに宛ててく…

まどろみと覚醒

テキストに青いマーカーを引きながら『重要と書かれた文字を写してく なぜ重要かわからないまま』という加藤千恵の短歌を思い出していた。夕飯に食べた餃子とビールの味は、歯を磨いても牛乳をのんでも口蓋に張り付いているような気がしてならない。ゴールデ…

チョコミント

外に出たのは1週間ぐらいぶりだろうか、日付の感覚すら麻痺してきたのでわからないけど。ここ最近は徒歩数分のスーパーにすら行っていなかった。誕生日にLINEギフトで貰ったプレミアムロールケーキをいい加減引き換えたかったのと、買い置きしていた2リット…

へらない紅

誕生日だからと妹がくれたブラウンのリップは貰ったそばから塗らなくなった。バイトから帰るバスの中で更新するのが常だったブログは、一時休業になってしまったから自然と書かなくなった。たまに必要に駆られてスーパーや郵便局へ出向くぐらいじゃメイクも…

春宵、一等星

時勢の煽りを受けて近所のパン屋はすべてのパンをビニールで覆っていた、少人数で回しているこの店にとってビニールを被せていく何気ない作業がどれだけの負担であるのだろうと思いながら、タイムセールで半額になったチーズフランスを買う。181円、端数を切…

振り返らない

別れ際、私は振り返らない。ポリシーとして。半年ぶりに会う友人と飲み会をした帰り道でも、初めて会う遠方のフォロワーと解散するときも、デートのあとでも、後ろは向かずスタスタ歩き出す。バイバイしたあと姿が見えなくなるまで手を振り続ける女の子が可…

まくらもとに筆

2週間ぶりのバイトは暇で暇で仕方なかったのに、久々に働いたから疲れてしまった。家にずっといたせいで、身体にガタがきていたことを思い知る。日頃ライブハウスでしか汗を流さない私はライブがないとすぐ不健康体になってしまうけど、きっと、そんなことじ…

井戸と刃

スカイツリーの展望台でも鳥取砂丘でもちょっと小高い山の上やだだっ広い草原の真ん中でもなんだっていいけどそういったスケールの大きな場所に行ったとき「地球の大きさに比べたら自分の悩みなんてちっぽけに思えた」ということが生まれてこの方一度もない…