あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

ライジングサン2018 ⑤

ライジングサン2日目。12:30~ メインステージであるSUN STAGEのトップバッターを切ったのはフォーリミ。

 

30分前に着くつもりで(リハは大体30分前からやる)のんびりトイレに行っていたら、簡易トイレの中にまでハイトーンボイスが響いてきて慌ててステージへ走った。『Remember』が聞こえるなか駆け抜け、大好きな『nem…』にノリつつ半ば踊りながら歩いて到着。踊りながら歩いたの初めて。

 

「絶え間なく続く愛の名を~」 「今から一緒に これから一緒に 殴りに行こうか~」 などと口ずさむGENさん。たっぷり4曲披露して袖へ引っ込んでいく。1曲ごとの時間が短いフォーリミだからこそなせる技。

 

04 Limited Sazabys

リハ1. Remember

リハ2. nem

リハ3. days

リハ4. Grasshopper

  1. monolith
  2. fiction
  3. escape
  4. Warp
  5. drops
  6. My HERO
  7. me?
  8. midnight crushing
  9. Terminal
  10. Letter
  11. hello
  12. Squall
  13. Buster call

 

 

 

フェスシーンを切り拓いているフォーリミに是非トップバッターを任せたい、とのことで本日のメインステージ一発目に抜擢されたという。そんな紹介を受けて登場したフォーリミが最初に持ってきたのは『monolith』。さらに『fiction』と繋ぐ全力のスタートダッシュ

 

 

小雨の降るなか『drops』が聴けたのは最高だった(『Squall』のときは雨上がってたんだけど)。「ピッチピッチチャプチャプ落ちてく涙 水にたゆたゆとポチャンと歌う」 「降り出した雨受け入れる どしゃ降りになる前に」。時折顔を打つ雨粒がむしろ気持ちいい。

 

MCも挟む。フォーリミとクリープとユニゾンは行きの飛行機が同じだったらしい。斎藤さんは顔ちっちゃすぎて、付けてたマスクでほぼ顔見えなかったらしい。尾崎さんも然り。

 

客席から名前を呼んだりよくわからない叫びがあがる場面もあった。

客 「✕※△~!!」
GEN 「なに?なんて?『ヤリマン』て言った?」
KOUHEI 「それはだめでしょ…」

きちんとたしなめるKOUHEIさんのお母さんっぷり。フォーリミの良心。

 

 

GENさんが 「最近大雨や地震があったけど募金くらいしか支援できなくて悔しかった」 と関西での大雨被害について触れる。「でも僕らは音楽を作ることで支援ができると思う」 といったようなことを言っていた。

 

もはや災害とは関係ない話だけど、大好きな音楽を届けてくれる大好きなアーティストのためにできることは、ちゃんと音源を買ってちゃんと聴いて受け止めて、その熱をライブに行って返すことしかないと思った。きちんとお金を出して音源を聴く。ライブでの手拍子や拍手で直接レスポンスを返す。それが1番の支援になると思った。

 

メインステージの一発目を任されて、代表曲の『swim』をやらない攻めたセトリ組むフォーリミは超クールだった。かっこよかったよライブヒーロー。

 

次回⑥は、ばっちばちの実力派モンスターバンドUNISON SQUARE GARDENです。あおでした。

 

ライジングサン2018 ④ - あおいろ濃縮還元

ライジングサン2018 ⑥ - あおいろ濃縮還元

 

9月7日現在

何が起きたかわからなかった。深夜3時頃、強い揺れを感じて居間に下りた。「地震です、地震です」 と警報がけたたましい音量で鳴り出す。必死で蛍光灯の紐を引くが、点かない。ああ停電しているのか。父は単身赴任、母は昨日から1週間の旅行に送り出したばかりだったので、家には私と弟と妹しかいなかった。3人で自然と居間に集まり、やがて電気が復旧したとき、震度6~7であったとニュース速報で知った。え、東日本大震災レベルってこと?と呆然としていると、またも電気が消えた。余震が怖くないわけではなかったが、台風に備えて懐中電灯や水などは置いてあったし、翌日みんな学校があったので怖がっている暇もなかった。居間に集結して眠った。

 

翌朝6時頃、近隣に住む祖父がコンビニの袋を提げて訪ねてきた。朝イチで買えるだけのものを集めてきたという。牛乳やシュークリームなど、ナマモノばかりであったが有り難かった。停電は直っておらず、冷蔵庫のなかの肉も卵も野菜もダメになっていたから。スマホも圏外続きで、ようやく繋がったとき、バス地下鉄JRといった交通網が全滅していることを知った。学校バイトどころじゃなかった。家の損壊はなにもなかったが、電気は復旧する見込みもなく、水道も止まっていた。1番不安だったのはトイレだ。弟はともかく、私や妹が外で用を足すにもわけにはいくまい。水は浴槽に貯めていたとはいえこの状況が何日続くかもわからない。数日分の着替えや歯ブラシや水や生理用品をリュックに詰めて玄関に置いた。電波はあまり繋がらなかったが、リア垢で安否を知らせるツイートをした。親友から送られてきた安否確認のラインに無事だと返し、高校のグループラインに返事を送ろうとしたところで圏外になった。このとき9時。体力を温存するために昼寝することにした。

 

昼頃、私の名前を呼ぶ声で目が覚めた。声は外から聞こえた。玄関の扉を開けると、友達が息を切らして立っていた。自転車を飛ばしてきたらしかった。私のツイートで両親が留守にしていることと、電気水道が止まっていること、食糧があまりないことを知り、家で匿ってくれるという。急いで追加の荷物を詰めた。いつも付けていたアクセサリー類は外すか迷ったが、あえて付けていくことにした。もしも私が顔もわからないぐらい酷い死に方をした時、身内がアクセサリーで私だと判断できればいいと思った。津波や火災で性別すらわからなくなっても、ピアスに指輪とたくさん付けていればどれか1つは残るかもしれない。友達の家はガスと水道が通っており、十分な食事をとらせてくれたし、トイレも普通に使えた。普通のことが涙が出るほどありがたかった。ラジオも聞けた。ネットやテレビから隔絶された今、震災の状況を知れるのはありがたかった。シャワー代わりに濡れタオルで体を拭かせてくれた。明るいうちは本を読み、暗くなってからはくだらない話をして過ごした。

 

22時頃にようやくネットが繋がった。圏外になって12時間以上が経っていた。グループラインに安否確認を入れる。同級生たちの家は軒並み停電から復旧しており、電気も電波も断絶されていたのはせいぜい私の地域ぐらいだと知った。留守にしている両親、祖父母、中学や高校や大学の友達、それぞれに無事を知らせていく。友達一家のおかげで平穏に過ごせていたけれど、電波が繋がって知り合いと連絡を取れるようになって初めて不安になった。怪我も何もない今ですら世間からここまで隔絶されているというのに、もっと強い余震が起こったとき、付随して津波や火災が起こったとき、生き残れるんだろうか。自分と弟妹を守れるだろうか。ヒステリックな所のある両親や祖父母が介入したところで心労が増えるだけだ。冷静かつライフハックもある友達一家を頼るのが最善策だった。足でまといにならず友達一家に頼ること、親を安心させること、弟妹を安全に匿うこと、私にできるのはそれだ。しゃんとしよう。不安なんて微塵も見せないように。停電した町は、街灯も信号すらも消え、信じられないくらい星が綺麗に見えた。世界の終わりみたいだと思った。こんな早くに死んでたまるか。

 

 

 

日付が変わる前に眠りに落ち、9時頃にラジオから流れる『君という名の翼』で目が覚めた。不意に大好きなコブクロが聴けて泣きそうになった。温かい朝食まで振舞ってくれてまたも涙腺がゆるみかける。近隣では順次電気が復旧していたが、お世話になっていた友達宅はまだだった。家の様子を見に一時帰宅する。ガス水道電気、いずれも復旧していた。今のうちにと水を追加でタンクに汲み、スマホとバッテリーを充電し、洗濯機を回し、シャワーを浴びた。生き返った心地がした。電子レンジが使えるうちに、レトルトカレーとパックの白米を食べた。

 

支度を済ませ、無事を知らせに友達宅に戻る。まだ電気は回復していないようだった。大学から、金曜と土曜の講座は休みになるとメールが届いた。バイトも当分は無理だろう。何もなければとりあえず月曜までは休める。トランプをしながらしばし平和に過ごした。ライフラインが絶たれているという理由で匿ってもらっていたので、全て復旧したいま、家に帰ることにした。夕飯を振舞ってもらったばかりか、明日以降もご飯だけ食べに来なさいと言ってくれて、じんときて真っ直ぐ目が見られなかった。

 

これを書いている現在、食糧の蓄えに多少不安があるぐらいで、ライフラインは全く問題がない。自販機でジュースが買えた。Mステまで観られた。最大の余震が来ると言われているのは明日。1度目ですら最大震度7であったのに、これ以上の地震が来たら今度こそ命に関わる。この幸せが嵐の前の静けさであることなんてよくわかっている。衰弱しきっている肉親を頼りにすることはできない。私が精神的に支えなければならない。いざという時は私が弟妹を守らなければならない。なんで私がと思わずにいられないが、くよくよしてなんかやるか。こんな若さで死んでたまるか。今月末のフェスに行くまでは死んでたまるか。死ぬときは病室で家族に看取られながらって決めてんだから。気合いだけなら負けない。

 

いまのところ心身ともに無事です。しぶとく復活する予定なので大丈夫。あおでした。

致死量の甘さ

なんかやるせなくて普段飲まない甘ったるい缶コーヒーを買った。参っちゃうね、滅入っちゃうよな、なんて尾崎世界観あたりが言いそうな言葉が頭をめぐる。夏休みとは思えない忙殺ぶりで心身ともにやられてる。なんか疲れてる、致死量ほどの甘いものを摂取したい。このごろ思うのは、勉強するのは嫌いだけど、学ぶこと自体は大好きだということ。知識欲が満たされるとゾクゾクしちゃうな。それでも勉強するのは嫌なんだけど。ところで昨日行った美術館の特別展がすごくよかった。東海道中五十三次がぜんぶあった。歌川広重の色づかいと雨を黒い線で描くところに惚れ惚れしちゃってポストカードまで買った。葛飾北斎富嶽三十六景(左のやつ)は波じゃなくて奥にある富士山をメインに描いてるって知ってた?ここまでの荒波が立っても微動だにしない富士の強さを強調してるらしい。教授が言ってた。受け売り。

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午後もがんばります。あおでした。

 

ライジングサン2018 ④

20:00~、def garageにてパノパナことパノラマパナマタウンを観た。

 

パノラマパナマタウン

リハ1. SHINKAICHI

リハ2. マジカルケミカル

  1. 世界最後になる歌は
  2. リバティーリバティー
  3. マジカルケミカル
  4. ラプチャー
  5. ‪$UJI‬
  6. フカンショウ

 

 

自分で豪語してるだけあって、ボーカル岩渕さんはやたら男前だった。私がパノラマパナマタウンにハマったのはごく最近で、楽曲やスタンスのかっこよさはもちろん、岩渕さんのナルシスト具合にも惹かれたのだった。自分に自信のあるひと大好き。顔がかっこいいとかさらっと言えちゃうあたり最高。

 

 

ここまで見た目のことしか書いていないが、パノパナはライブがばちばちにかっこいい。なんせ彼らの掲げるテーマは 「熱狂」 である。

1曲目『世界最後になる歌は』から客席に突っ込み、「世界最後になる歌はこんなもんでは伝わらないかもしれない 世界最後になる歌はこんなもんでは伝わらない」 とシンガロングを煽る。最高のスタートダッシュ

 

 

‪「人生にこんな日があるなんて思ってもなかった。ライジングサンのステージに立てる日が来るなんて」 と笑う岩渕さん。高校生のころ、福岡からひとりでライジングを観に来て朝まで過ごしたという。かつて憧れた舞台に自分の足で立つ。そんな夜。「伝説のステージにします‬」 と岩渕さんは言った。

 

 

次いで『リバティーリバティー』。パノパナの魅力のひとつは型に嵌らないジャンルレスな音楽性だと思う。ヒップホップ調の強いこの曲、歌詞のかっこよさも相まってどんどん観客の熱を上げていく。「鳴らせ yeah 自由なビート 教科書なんていらないでしょ」。まだ2曲目とは思えない盛り上がりっぷり。

 

 

なんとリハでやった『マジカルケミカル』をもう1度。2回目なだけあって、手を挙げるタイミングがばっちり揃う気持ちよさ。真夏とはいえ、雨の降りしきる夜ともなれば外はかなり冷え込む。でもテントの中は暑かった。パノラマパナマタウンの生み出す熱狂の渦にどんどん巻きこまれていく。

 

 

熱々のフロアを程よくクールダウンさせる『ラプチャー』。ジャンルレスな歌が多いためこの曲もなんと表現すればいいかわからないけど、重たくて堅い荘厳な感じ、と私は思ってる。バラードなのかな。

 

十二大戦を見ていないので(『ラプチャー』は十二大戦というアニメの主題歌)推測だけれど、アニメの世界観に合わせた曲なのだろうかと思っている。ラプチャー、と歌うときの巻き舌具合と 「生きたまんま 死ぬんじゃねえぞ」 ってところが好き。

 

 

『フカンショウ』でふたたび沸点に達する。私が最初に彼らを知ったのがこの曲だった。「ほっといてくれ!」 「知らねえよ!」 と吼える姿にノックアウトされた。歌詞まるごと引用したいぐらい大好き。ちなみにフカンショウとは、「俯瞰」 「不感症」 「不干渉」 のトリプルミーニングである。

 

髪が長えとか服がだせえとか それが地味とか逆に派手? 知らねえよ! 塾に行けとか恋をしろとか 真面目がいいとかよく遊べ 知らねえよ!

痛快すぎる。好きすぎる。なんでもかんでもカテゴライズしたがったり、根掘り葉掘り暴きたがる現代社会。そんな窮屈さを蹴飛ばしてくれるパノラマパナマタウンに心底ついていきたいと思った。

 

誰々っぽいとか何々っぽいとか どの界隈とかノンジャンル 知らねえよ!」 何にも縛られずフリースタイルでやってきた岩渕さんが歌うからこそガツンとくる。

 

 

ところで、パノパナを初めて生で観て気づいたことがある。ギターの浪越さん、完全に私の好みどストライクだった。色白華奢で寡黙なひとがタイプの私、一目惚れ。

 

サングラスを掛けて登場した浪越さんはいつの間にかサングラスを外していて、さらにいつの間にかシャツすら脱いでおり、気づけば靴すら履いていなかった。目の前でずっと見ていたのに、目を離した一瞬の隙にまんまと半裸になっていた。脱ぐのうますぎ。

 

 

ラストは『$UJI』。なんでも数字で測っては囚われる風潮に切り込むナンバー。「測らせてたまるかい 俺たちの本領を」 と吼える。

最後、みんなでドラムの方に向き合って最後の一音を奏できるまで、そりゃもうかっこよかった。たった30分でも、伝説のステージを作り上げるには充分だった。いつか EARTH TENTで場外の客までも熱狂に巻き込む彼らを観たいと思った。深夜のRED STAR FIELDでもいいな。はーー、かっこよかった。顔じゃなくてライブがね!

 

 

パノラマパナマタウン「フカンショウ」Music Video - YouTube

パノラマパナマタウン / リバティーリバティー(MV) - YouTube

 

次回からはようやくライジング2日目に突入します。⑤はフォーリミこと04 Limited Sazabysについて。

あおでした。

 

ライジングサン2018 ③ - あおいろ濃縮還元

ライジングサン2018 ⑤ - あおいろ濃縮還元

 

夏のこと

この夏、手持ち花火を二度した。いちどめは『わたがし』、にどめは『打上花火』をBGMに流しながら。スーパーで買った徳用の花火は少し湿気ていて、百円ライターで火を灯すとばちばちと安っぽい火花を散らしてはすぐに消えた。「これってなんか『ムーンソング』の歌詞みたいだね」 とつぶやくと 「わたしもそう思ってた」 と友達が笑って、花火よりも暗がりで見たその微笑をなぜだか忘れられない。

 

こないだ分けてもらって初めて飲んだ日本酒は消毒液の味がした。もっときちんとした日本酒だったら美味しいのかもしれないけど、私はとうぶん洋酒でいいやと思った。同時に勧められた煙草は、特に惹かれない銘柄だったので断った。アメスピのメンソールだったら試してみたかもしれない。

 

海へも行った。始発の電車で待ち合わせをして、まだ仄暗い田舎街をサンダルつっかけて歩いた。早朝の海には私たちのほか誰もいなかった。波打ち際を歩いては素足をひたす。飽きると砂の上に座って、潮風にうたれながらちょっと真面目な話をした。誰もいない海では普段言えないこともなんでも話せた。海水浴客が増えはじめたころに入れ替わりで帰った。

 

ばかげたサングラスとお揃いのサコッシュでフェスに行った。こういうアホみたいなことは学生のうちに済ませておくべきだと思って。そもそも曇天だったのでサングラスは全然使わなかった。安いペラペラのサコッシュは意外と使い勝手がよくて、今はバイトに行く際の通勤鞄として重宝している。

 

この夏は、大好きな人たちと大好きなことだけをしようと決めていた。来年は遊ぶ余裕ないし、再来年は地元を離れている可能性が高い。生き急いでると言われてもいい、だって実際生き急いでいる。常に全力で突っ走っているから長生きできなさそうだと思っている。みんなが平成最後だからとせっせと思い出作りをしているように、私は昔から、これが人生最後になるかもしれないといつも心に留めて生きている。

 

こんなときに浮かんでくる言葉にできない気持ちを、「エモいね」 と笑ってごまかすことしか出来ないのは歯がゆい。日常と非日常の狭間で揺れるかけがえのないワンシーンを、そのときに沸き起こる感動を、この儚い瞬間を失いたくない、と思う気持ちをなんと表せばいいんだろう。わからない。

 

わからないから、ここに残しておきたいと思う。百円ライター、腕時計のかたちに残った日焼けのあと、ポカリスエット、空調の効いた図書館、サングラス、夜中コンビニに買いに行ったスイカバー、帰り道に聴くindigo la End、ぬるい風、空き瓶に生けたドライフラワー、おぼろ月、甘ったるい缶チューハイ、数回しか出番のなかった扇風機、サンダルを履くために塗った赤いペディキュア。そういったことを。陳腐でばかばかしくて大切だった21の夏のこと。

 

いかがお過ごし

北海道の夏は短いというけれど想像以上だった。どこかの地域では8月にして初雪が降ったらしい。秋服なんてまだ用意していないから、タートルネックに春物のアウターを羽織って出掛けた。帰り道、バスを降りた瞬間ひんやりと吹いた風はもう秋のそれで、生ぬるい夏の夜が好きな私はちょっと切なくなった。こんなに寒くなるならもっとスイカバー食べたのにな。

 

「量産型」を叩いてる人をよく見るけれど、量産型自体は別にいいと思う。流行りモノってやっぱかっこいいし。ただ、流行りの服を 「好きだから着る」 のか 「みんなが着てるから着る」 のか、それだけが問題なんじゃない?頭ごなしに叩くのは違くない?と思ってモヤモヤするけど声高に言う度胸もないからここで供養いたします。

 

何も言われないのをいいことに、くすんだピンクのネイルを塗ったままバイトに行っている。いつか注意されるまではやめないつもり。たぶんネイル禁止じゃないから何も言われないだろうけど。いかにもな可愛らしいピンクは嫌いだけど、くすんだのと濃いピンクは好き。爪がピンクだと、ちゃんと女子してる気がする。ネイルは、骨ばった男みたいな自分の手を少しだけ好きになれる魔法。男ウケも女ウケもどうでもいい。全部自分のためにやってんだ。

 

今さらクリープハイプsumikaを聴きはじめた。ライジングサンで初めて観てからというもの、ステージングが頭から離れない。でも自分で言うのもアレだけど、何かを好きになるのに早いも遅いもないと思う。本格的にクリープハイプが気になり出したのは 「苦渋100%」 や『栞』をリリースしてからだし、sumikaがものすごく気になりはじめたのも『ペルソナ・プロムナード』がドンピシャに好きだったから。出会うべきタイミングというものがあって、たまたまそれがライジングサンで噛み合っただけ。

 

夏にしたいことたくさんあったのに、なんだかもう秋みたいで拍子抜けする。海とフェスと素敵な喫茶店には行けたので、あとは、そうだな。科学館ではしゃぎたい。アップルパイを生地からつくりたい。ドライフラワーもつくりたい。模様替えしたい。顔よりでかいナンを食べたい。エンタメとしてじゃなく、教養としての読書をしたい。ポップコーンをつくって1日中映画を観たい。勉強もしなくちゃ。

 

他人の、めちゃくちゃ取り留めのないツイートやブログを読むのがすごく好きなので(それこそ 「苦渋100%」 のような)そのようなブログになりました。取り留めがなくて生活感があって平坦だけどきちんと色のある文章が好き。なれてるかな。

 

あおでした。

 

ライジングサン2018 ③

18:00~ RED STAR FIELD にてアジカンを観た。

 

ASIAN KUNG-FU GENERATION

  1. センスレス
  2. ブルートレイン
  3. サイレン
  4. 無限グライダー
  5. ノーネーム
  6. マーチングバンド
  7. Re: Re:
  8. リライト
  9. 今を生きて
  10. banging the drum (bloodthirsty butchersカバー)

 

サウシーが演っていた def garage からここ RED STAR FIELD までは、歩いて30分弱かかる。雨脚が強まっていたのでレインコートをまとい、会場に到着したころには2曲目に差し掛かっていた。

 

屋根のある EARTH TENT や def garage と違い、この雨だと屋外ステージを避ける人も多いのではないか。なんて思ってたのに、あまりの人の多さに言葉を失った。近くで見られないどころか、正面に回り込むことすら困難なほどの人だかり。なんとかすり抜け、遥か遠くに建さんの姿が見えるところまで来た。

 

大好きな建さんの表情もギタープレイも見えず、黒っぽい服を着ていることしかわからなかったけど、レインコートと帽子で武装しても顔や手はびしょびしょに濡れたけど、ステージはとにかく最高だった。フェスとは思えないセットリスト。2番目に好きな『無限グライダー』が聴けてぶっ倒れるかと思った。(ちなみに1番好きなのはリライト)

 

骨芋ツアーのダイジェスト版みたいな贅沢すぎるラインナップに、イントロが鳴るたび心躍る。『ノーネーム』あたり、フェスどころかワンマンでもそんなにやらないのでは……?「消えない愛を頂戴」 ってフレーズ好き。

 

怒涛の初見殺しセトリで畳み掛けたあとの『Re: Re:』で一気にボルテージが上がる。さらにトドメの『リライト』。

芽生えてた感情切って泣いて」 の部分でコールアンドレスポンスを促される。「芽生えてた感情 切って~泣いて……」 と回を重ねるごとに声を小さくしていくゴッチ。真似る観客。最終的に 「メバエテタカンジョウキッテナイテェ…」 って囁き声で言い出したのにも、お客さんも完璧に囁き声で返したのにも笑った。「最高」 とこれまた囁き声で言う。

 

『今を生きて』をフェスで聴けるとも思ってなかった。「駆け出そう世界へ Say yeah!!!」 という箇所で、シモリョーの合図に合わせて手を突き上げる。楽しい。

夢のようなこの日々よ 消えるまで」 「永遠を このフィーリングをずっと忘れないでいよう」。夢みたいなこの時間がずっと続くように、ずっと覚えていようと思った。

 

冷たい雨に混じって、頬をあたたかい雫が伝う。前髪に溜まっていた雨粒が滴ったのだろうか。それとも知らぬ間に泣いていたのだろうか。わからなかった。どっちでもよかった。

 

ラストは、bloodthirsty butchers の『banging the drum』をカバー。タイムテーブルの関係か、カバーには興味がないのか、客足がどんどん遠のいていく。エンドロールの途中で帰っていく映画館の客を見ているような気持ちになる。原曲は全然知らなかったし、どんな感じだったかあんまり覚えていないけど、しっかり自分たちのものにしていてかっこよかった。

 

演奏が終わると、メンバーの4人とキーボードのシモリョーがステージの前方に出てきて、隣同士で繋いだ手を掲げた。ライブの最後によく見るやつ。

攻めたセットリストといい、最後にきちんと挨拶するところといい、アジカンはこの50分を単なるフェスのいちステージとしてではなく、ライブというひとつの作品として捉えているのだと思った。どっしりとベテランの風格を漂わせながらも、決して手を抜かず丁寧にやりきる。だからこそ、何度観てもアジカンのライブはかっこいい。

 

 

次回 ④は 私のなかで人気急上昇中の若手バンド、パノラマパナマタウンについて。

あおでした。

 

ライジングサン2018 ② - あおいろ濃縮還元

ライジングサン2018 ④ - あおいろ濃縮還元