あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

一心同体

シングル発売まで取っておこうと思っていた『心』のMVを、ちらりと見てしまった。いろんな想いが溢れて止まらなくなって、何度も再生ボタンを押した。

 

 

NAOTOさんやチームラボと近々何か大きなことをやるのではないか、というのは薄々察していた。予想していたのに、いい意味で大きく裏切られた。

 

予想をはるかに上回るのがコブクロの得意技なら、それを全力で受け止めるのがコブファミの返し技だ。というわけで、長ったらしい感想書きます。

 

かっこいいとか、すごいなんて言葉で納めたくない。だから忘れないうちに、私なりの解釈を書きたい。

 

あくまでも私個人の見解であることをご了承ください。

 

 

 

 

 

 

 

『心』は、映画『ちょっと今から仕事やめてくる』の主題歌である。

激務に追われ疲れ果てた主人公が、電車のホームに落ちかけるところから物語は展開していく。

 

小渕さんのサラリーマン経験を生かして書き下ろされたこの歌に、黒田さんが考案したというMVは、そりゃもうとてつもない奥行きを与えている。

 

 

コブクロ『心』MV
コブクロ 心 - YouTube

 

 

波打つ壁に囲まれ、ひとり孤独に舞うNAOTOさん。「君は僕の心」 と歌うサビに差しかかると、スポットライトが当てられ、白い服をまとった姿がくっきり浮かび上がる。社会という険しい荒波に揉まれる 「心」 を表しているのだろうか。

 

 

ところでこの曲では、自分の 「心」 のことを 「君」 と呼んでいる。体と心は文字通り一心同体で、どちらかがはぐれてしまってもいけない。

 

君を守れるのは 僕しかいないのに

そこから動けない君を置いて 僕はドアを閉めた

 

いわゆるブラック会社に使い捨てられようとしている映画の主人公と、歌詞がリンクする。このままでは壊れてしまうと気づいているのに、心をそっと奥底に閉じこめて見ないふりをする。そんな光景が浮かぶ。

 

 

 

1番が終わり、2番になると、全身黒で身を包んだ小渕さんが登場する。サビでは、これまたオールブラックで固めた黒田さんが現れる。

 

……個人的には、小渕さんに革ジャン、黒田さんにロングコートを着せてくれたスタイリスト大村鉄也氏にノーベル賞を贈りたい。

 

40歳を迎えたのになぜか若々しくなっている小渕さんと、逆に色気ダダ漏れの黒田さんも見所のひとつだと思います。

 

 

2度目の 「君は僕の心」 で、再度映し出されるNAOTOさん。黒ずくめで向かい合うコブクロのふたり。その合間を埋めるように踊る白色。光と闇、体と心のコントラストが、際立つ。

 

偽らない君をずっと この胸に抱きしめていたい」 と、淀みなく前方を指さす黒田さん。位置的には小渕さんをまっすぐ指さしているように見えるけど、私は 「心」 = NAOTOさんを指さしたのではないかとも思った。

 

離ればなれになっていた体と心がひとつになる。心にひそむ弱さと向き合ってはじめて、自分を認めることができる。

 

コブクロ、NAOTO、チームラボという大型コラボが生み出したこのMVは、そうしたことを伝えてくれた気がする。

 

仲間とコラボをする、というのは、仲間内でのノリに留まって自己満足で終わることも多い。でもコブクロは、コラボやタイアップで誰かと合わさったときにこそ、何倍にも何十倍にも力を発揮する。これがプロ同士の仕事ですね、おみそれしました。惚れ直しました。

 

 

 

 

最初に触れた通り、この映像の発案は黒田さんだという。近頃は曲以外のジャケットやアートワークや広報など、黒田さんが鮮やかなアイディアを持ちこんでくることが多い。

 

黒田さんの歌声を最大限に引き出すために、小渕さんは100点の曲を作る。その曲を120点にするために、全身全霊かけて歌う。そんな共依存の最大形態をもって、コブクロはずっと新しいものを生み出してきた。

 

互いの良さをどこまでも引き出しあえる、まさに 「一心同体」 なふたりだからこそ、たどり着けた境地。『心』は、そんな曲だと思う。

 

 

 

 

 

 

カップリングも楽しみ。あおでした。

 

fun time HORIDAY 6

ニゾンピロウズの対バンを観た。

愛すべきエゴイストたちによる美麗なステンドグラス。そんな夜を、観た。

 

『fun time HORIDAY 6』という、ユニゾン主催の企画。Zepp Sapporoで行われる初回公演に母と参加した。 

 

(本文はがっつりネタバレを含んでおります。MCは記憶を頼りに書いているので、言い回しや前後関係など微妙に違います。)

 

私はセトリ予想が得意なんだけど、ユニゾンのはまるで読めない。有名な曲ちょこっとやって、あとはマニアックなの多いんじゃない?と好き勝手に話す。「大さじと小さじの歌聴きたいな~」「歌わないでしょ!それよりインスタントエゴイスト歌わないかなぁ~」なんて語り散らした。

 

(ちなみにガチャではお目当てのしょくぱんくん、ふっくら仕上げ、しょくぱんちゃんをゲット。下はパスケースとラババン)

 

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トップバッターは the pillows。田淵さんが敬愛するバンド、という情報以外は一切入れずに行ったのだけど、超かっこよかった。長年ロックンロールに奉仕してきたバンド特有の風格が色濃く漂っていた。歌詞がぐっときて泣きそうになったりもした。

 

でもこのへんの記憶があんまりないのでMCだけ書く。セトリも省く。各自拾ってきてくれ。ごめんな。

 

「イェェーーーイ!!!空前絶後のォォ!!!UNISON SQUARE GARDENを愛しィ!!!なぜかユニゾン田淵に愛されたバンドォォォ!!!サンシャインピロウズ!!!!」

いきなりネタぶっこむさわおさん。しかもガチな声量。さわおさん並びにピロウズを一瞬で好きになってしまった。

 

 

「僕ら持ち時間が12、13曲くらいなんですよ。でも田淵くん、何曲リクエストしてきたと思います? 20曲ですよ!なので今日は田淵くんリクエストの曲しかやりません」

「みんな有名な曲とか予習してきたでしょ?でもそんなの1曲もやんねえからな!田淵くんが許してくれるわけないじゃん!ピロウズ愛が重すぎるんですよ、田淵くんは」

大好きなバンドと仲良くなって、自主企画に呼んだうえ全曲リクエストやらせるって、田淵さんはバンドマンの夢叶えすぎでは。

 

 

更にさわおさんの口から、「こないだ田淵くんとサシで飲んだとき、酔っ払って『僕ほんとに斎藤くんが大好きなんですよ』ってずっと言ってきて」 という衝撃発言。

斎藤くん (ユニゾンのボーカル) 好きなのは見りゃわかるけど、酔っ払って言っちゃうってことは日頃から思ってるんだろうし、にしても大先輩相手になに言ってんだよ。ほほえましすぎるわ。

 

  

ピロウズは今年で結成28年になります。ピロウズと同じように歩んでいくとすれば、ユニゾンもあと10年20年は続くはず。お前らいいな!あと10年20年は楽しく過ごせるぞ!」

 

この先数十年、ユニゾンや他バンドのライブに足を運んで歳を重ねていけるなら、そんなに幸せなことはない。ライブ通いを若気の至りじゃなく、これから先も生き甲斐にしていけたらいいなあ。

 

 

 

 

 

 

ピロウズが袖に消えると同時に、続々運ばれてくる見慣れたバンドセット。お馴染みのSEが流れはじめ、いよいよ UNISON SQUARE GARDEN がはじまる。

 

4/21 セットリスト

1. メッセンジャーフロム全世界

2. 桜のあと (all quartets lead to the?)

3. Silent Libre Mirage

4. プロトラクト・カウントダウン

5. instant EGOIST

6. 23:25

7. 光のどけき春の日に

8. デイライ協奏楽団

9. フルカラープログラム

10. 徹頭徹尾夜な夜なドライブ

11. 場違いハミングバード

12. mix juiceのいうとおり

En1. Runner's High Reprise

En2. アトラクションがはじまる (they call it "NO.6")

 

 

1曲目、「大さじと小さじの間の気持ちいいところをついていく」 と斎藤氏が歌いはじめ、息をのんだ。聴きたいけど歌わないよねって話していた『メッセンジャーフロム全世界』。セトリの予想ナナメ上突くのうますぎるんですよ、ユニゾンは。小憎い。好き。

 

 

『桜のあと』が始まったとたん加速していくモッシュ。激しいの覚悟で5列目あたりにいたけど、ライブ慣れしてなそうなご婦人がぺしゃんこにされたのを目の当たりにし、比較的安全なゾーンへ移動する。ライブは臨機応変が求められる。いくら楽しくても倒れちゃったら元も子もない。

 

 

なんと5曲目は、もっとも聴きたかった『instant EGOIST』。出だしの 「君をストップモーション」 の歌声からしてシビれるし、なにより歌詞が好き。

 

ライブを一人ひとり自由に楽しんでほしい、というのがユニゾンの基本スタンス。みんなが同じタイミングで手を振るより、思い思いにリズムに乗るほうがいいという田淵さんの想いが、この曲から伺える。

 

ほら足を鳴らしちゃって ほら指を鳴らしちゃって やり様はいくつだってあるよ

『さあ 手を叩こう』? 気持ちがどうも乗らないなら 地蔵さん、そんぐらいは、許されて?

 

みんな一斉に手を叩くより、好きなように体を動かすほうがいいし、動きたくなければ地蔵 (=ライブで棒立ちする人のこと) になってもいいという。確かにユニゾンのライブは、自由に手を振ったりステップを踏んだりする人ばかりだ。

 

ああ それでもふぞろいに出そろった 心ステンドグラスはキレイだろう?

 

みんなが好きなように音楽を楽しむ。その光景を、ふぞろいのステンドグラス、と表現するのいいなあ。ステージからは (というか田淵さんには) そんなふうに見えるのかな。

 

ニゾンのライブにて、それぞれ好きなように楽しく動く、愛すべきエゴイストたちが好きだ。塗り残しひとつない絵画もキレイだけど、色とりどりに光るステンドグラスだって美しい。ということをこの曲は言いたいんだろうと勝手に思っている。

 

『instant EGOIST』からの『23:25』という流れもなかなか小憎い。

 

MCにも触れよう。さわおさんが話していたくだりを汲んで、「お前、俺のこと好きらしいな?」 と田淵さんに不敵な笑みを向ける斎藤氏。客席から黄色い悲鳴があがる。胸に重ねた両手を上下させてドキドキジェスチャーしてみせる田淵さん。

 

シンバルを叩きはじめた貴雄さんに、「怒んなって、俺は貴雄が好きだから」 とほほえむ斎藤氏。ドォン!!とドラムを叩くたかお。強まる黄色い悲鳴。ドキドキするたぶち。……ユニゾンは不仲だって言い張ってるのどう考えても嘘。

 

 

徹頭徹尾→場違いハミングバード→ミックスジュースと盛り上がる曲が続いてゆき、本編は終わりを迎える。

 

アンコール1曲目の『Runner's High Reprise』は、「ユニゾンピロウズ好きなくせに似てる曲がひとつもない」 というさわおさんの直談判から生まれたコテコテのパクリ曲。音源化も考えているらしい。公認とはいえ著作権が心配。

 

 

ラストは 『アトラクションがはじまる (they call it "NO.6")』。タイトルの通りこの曲では 「Oh, NO.6!」 と掛け声が入る。

「fun time HORIDAY 6」 とかけて、セトリのどこかには入るだろうと思っていたけど、最後の最後にぶち込んでくるひねくれっぷりがユニゾンらしい。一筋縄じゃいかさない素敵なロックバンドだ。

 

そんなわけで、ここ札幌にて始まった fun time HORIDAY 6 は、ツアーの開幕宣言をもって終演を遂げたのだった。

 

 

 

 

スタイルは違えど、ユニゾンにはピロウズの血が脈々と流れていることを実感したライブだった。田淵さんはあまり客席を見ておらず、ときどき2階席を仰いでいた。2階席でピロウズがユニゾンのライブを観てくれていたらしい。

 

好き勝手に肩を揺らしたりジャンプしたり手を突き上げるのは、いちエゴイストとしてものすごく楽しかった。近年稀にみる楽しさでした。

またきます。あおでした。

 

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20

20歳。

 

コブクロのふたりが出会い、共に音楽を奏ではじめたのが20歳の頃。私の母は20歳のときに父と出会い、その年に籍を入れた。

 

20歳。節目の年でもあり、試練の年でもある。まだ気づいていないだけで、私はもう既に岐路に立っているのかもしれない。

 

お酒が飲めるようになり、クレジットカードを作れる年齢になった私は、これから何ができるようになる?何ができる?

 

ぼんやり生きてもいい年齢では、なくなってしまったのかもしれない。頑張り時だぞ、おい。今のうちにできるだけライブに行って、たくさん本を読んで、いつか 「あの頃は楽しかったなあ」 って言えるようになりたい。

 

もう何か始まってるのかな。まだまだこれからなのかな。なんであれ、一瞬のチャンスも逃したくない。

 

今年はめいっぱいアンテナ張ります。あおでした。

エゴイスト上等

みんな同じではいられない。友達みんなが持っているたまごっちを買ってもらって、みんなと同じランドセルを背負って、同じ制服に袖を通して、同じ机を並べた私たちはいつか違う世界へ行く。

 

 

友達に入口まで付いてきてもらわなきゃ職員室にも入れないような、みんなと同じCampusのノートを使っていないと落ち着かないような私だけど、昔からこうと決めたらひとりでも突き進んだ。

 

中学の友達が揃って受験すると言った高校を目に留めず、知り合いのいない高校をひとりで目指したし、同級生がひとりもいない部活に迷わず入った。大学受験も似たような感じ。

 

 

 

だってこれは私だけの人生なのだ。長ーーい個人戦。トイレ一緒に行こうよ的なノリで、この先の長い人生まで一緒に歩んでくれる友達もいるまい。

 

いい意味で自分しか信用していないし、自分を裏切らないように頑張ってもいる。自己中心主義、エゴイズムを極めなきゃ、流されずに生きてくなんて無理。

 

 

 

追い越したって置き去られたって、自分の歩幅で歩きたい。他人に合わせてたまるかよ。

 

人生のゴールが山のてっぺんだとするなら、楽な下り坂を選んでのちのち苦労するようなヘマは踏まない。険しい山道だとしたって少しでも上を目指す。付いてこないなら置いてく、ひとりでも行く。そのぐらいの気持ちでいる。エゴイスト上等。

 

 

楽なことより、つらくても楽しいことしたいよな。苦労を惜しまないで、死にかけるたびに強くなるサイヤ人みたいにめらめらと生きていきたい。あおでした。

 

砕けろ

夢と呼べるほど綺麗なものじゃない、「執着」 としか呼べないような目標みたいなものを昔から持っていて。大人になっていくうちに忘れられるものだと思っていた。でも忘れたくないと思っていた。だから、大人に足を踏み入れかけている今になってもやっぱり忘れられなかったりする。本気で成し遂げるスタミナも覚悟もないんだけど、だからってぼんやりフェードアウトしていくのも寂しい話だ。どうしても叶えたい夢、なんてものじゃない。昔から握り続けてきたからじっとり執着しているだけの、このまま手放すのが惜しいだけの、そんなものだ。とっくに必要はないのに、愛着が湧いて捨てられないぬいぐるみのような。でも猛烈に悔しいと思った。泣きたくなるくらい嫉妬心が芽生えて、自分のなかにまだこんなものが残っていたことに戸惑った。どうしたらいいんだろうね。一つしかない答えをずっと見ないふりしてきた。忙しいことを盾にした。忙しくしていれば忘れられると思っていた。でも、寝る暇がないほど忙しくても、生きているのがやっとな時だって、忘れられなかった。ご立派な言い訳を振りかざして逃げようとする自分が嫌いだと思った。余計に悔しかった。忘れたり逃げきれるもんじゃないと思った。ねえ、全力でぶつかってみたらさ、全力で弾け飛んでくれるかな。こんなに頑張っても駄目なら仕方ないねって、真正面から諦められるのかな。諦めるために頑張ることが私には出来るのかな。なにかを賭けてまで手に入れる度胸は私にはない。どんとぶつかって、きっぱり諦めて、あの頃はなんか苦しかったけど楽しかったなあっていつか笑えるような大人になりたいと思ってるんだよ、ちゃんと。区切りっていうかけじめっていうか、そろそろ付けないと、みんなとっくに捨ててるお子ちゃまみたいな理想を持ったまま大人にはなりたくないんだよ。わざわざエイプリルフールなんて半端な日にこんなお経みたいな、おどろおどろしいブログを書かないとやってられないような、このままじゃ駄目なんですよ。執着なんて苦しいだけのこと本当はしたくないんですよ。こんな読み切れもしないような葛藤を持ち続けるのはもうやめて楽になりたいんですよ。だからさ、当たって砕ける覚悟を決めろよいい加減。

清水依与吏を褒めたたえる回

「back number 大好き~💞 わたしも彼氏にこんなふうに想われたい💞」 なんて言葉も聞き飽きたあなたへ。

 

今回は 「セフレ曲書かせたら最強」 「依与吏さん作詞うますぎ」 というマニアックなテーマ2本立てでお送りします。

 

 

 

back number にはなぜか、セフレの心情を歌った曲が多い。『助演女優症』『助演女優症2』は確実にそうで、『アーバンライフ』も怪しい。

 

アーバンライフ』は男性目線で書かれたこんな曲。

 

  触れたいだけ 深い意味はない

  お互い何を望む訳じゃない

 

  名前を持たない関係に君はいない

  僕もいないんだ

 

 

次は、女性目線で描かれる『助演女優症』。

 

  都合が良くって頭の悪い女を演じてあげる

 

  私の望んだものはもう全部

  あなたの心以外 今ここにあるから

 

 

今や 「back number まじ泣ける胸キュン~😭💗」 と中高生に言わしめているback number ですが、胸キュンする曲よりもこういう切ない歌詞のほうが得意。

 

満たされているのに空しい『アーバンライフ』。都合の良い女を演じる『助演女優症』。聴いたあとしばらく気分が落ち込んでしまう、妙にリアルな独特の空気感。

 

色に例えるなら白でも黒でもない。雨雲のような、どんよりした不穏なグレー。この色は依与吏さんにしか出せない。

 

セフレ題材の歌を3曲も作るアーティスト、そうそういない。セフレいたことある人か、よっぽどの想像力がある人にしか、こんなん書けないよなあ。依与吏さんがどっちかはわからないけど相当度胸あるなあ。

 

 

ここからは完全に私の憶測ですが。

もし『アーバンライフ』の主人公の相手が『助演女優症』の女性だったら、救いようがなさすぎる。

 

お互いこの薄暗い関係を了承していると思いこんでいる男性。恋心を隠して都合のいい女に徹する女性。あくまで想像だけど、もしそういう狙いがあるとしたら背筋が凍ります。

 

その場合『助演女優症』の女性は、"都合がよくて頭の悪い女" を見事に演じきってる名女優ってことにもなりますね。皮肉にも。

 

 

 

 

 

 

依与吏さんは作詞がめちゃくちゃうまい。誰にでもわかる簡単な言葉を使う、というのが実はいちばん難しい。シンプルな言葉で深みを持たせる技に関しては、一級品だと思う。

 

『幸せ』という、タイトルに反してアンハッピーな曲。主人公がひそかに好意を寄せている男友達には、好きな女の子がいます。主人公は自分の気持ちを隠して男友達の恋を応援するが、心の底では…。という感じ。あらすじだけで既に切ない。

 

切なすぎる歌詞の素晴らしさについては語るまでもないので、今回は 「歌詞の組み立て方めっちゃすごい」 という点に着目します。

 

でも私があなたを好きなくらい あなたも想っているなら 私じゃやっぱりダメだね」 という1節。

 

歌詞の組み立てがそこまで上手くないアーティストなら 「私があなたを好きなくらい あなたもあの子が好きなら」 としがちだと思う。音数は一緒だし、パッと見違和感もない。

 

でもこれだと 「あの子が」の部分は省略できるし、「好き」 ってワードが重複しちゃうんですよね。だから「想う」 というワードに差し替えてる。

 

無意識か意識したのかはわからないけど、実は陳腐な言い回しを避けてるあたり、依与吏さん作詞うまいな~たまらんな~と思う。瞬時にいらない言葉を削り、表現を差し替えて、「あなたも想っているなら」 ってすんなり織り交ぜてくるのはすごい。

 

あなたも (あの子を) 想っているなら」、というふうに、依与吏さんは省略すべき箇所をスパッと省略する技に長けている。

 

ちなみにベストオブ省略は、『西藤公園』の 「私は冬が好き 僕は君が」 だと思う。僕は君が好き、とは曲中で言わない美しさ。余白の美学。

 

 

 

中高生に人気だからって敬遠しないでほしいんです。back number の歌詞はシンプルでイマドキなのに、超深みがあるし美しい。ほんとはもっともっと語りたいけど、今日はこのへんで。

 

あおでした。

 

 

鳴り止む

どんな音楽もいつか鳴り止む。

 

グッドモーニングアメリカの金廣さんが、ポリープ手術に伴い、3ヶ月間ライブ活動を休止するという。

 

ヒヤッとした。ポリープ自体も心配ではあるけれど、筋金入りのコブクロファンである私は 「活動休止」 という言葉に過剰反応してしまう。それはおいおい話すとして、グドモのブログを読んだとき、無理してでもライブ行っておけばよかったなあと心から思った。マイヘアのときも同じことを思った。

 

バイトと金欠が重なり、今回の全国ツアーは断念したのだけど、頑張れば休みはもらえたしお金もなんとかなった。「また今度でいいや」 と見送ったライブが、もしかしたらラストライブになるかもしれないのだ。

 

 

 

信じていた音楽が二度と鳴らなくなることなんて、掃いて捨てるほど、ある。

 

あまり聴いたことはなかったけど、Galileo Galilei や WHITE ASH が解散したときも、BOOM BOOM SATELLITES の川島さんが亡くなったときも、それなりにショックだった。SMAPに関してもまだ受け止めきれていない。

 

カラスは真っ白、というバンドの解散ライブに先日行った。近頃聴いていなかったのにも関わらず、解散はショックだった。インストアライブにもフリーライブにも行ったことはあるし、"フラゲ日にタワレコにCDを買いに行く" なんてことをしたのはカラスは真っ白が最初だった。

 

解散ライブツアーの千秋楽は、湿っぽい感じもなく、トリプルアンコールまできっちりやって終わった。MCでは腹の底から笑えたし、骨の髄まであたたまるようなアツいライブだったのに、明るい幕引きだったのに、どうしようもなく寂しかった。

 

千秋楽が行われた 札幌 Sound Lab mole というライブハウスには、フリーライブで来たことがある。「次はここにワンマンを見に来よう」 と思っていたその 「次」 が、解散ライブになってしまうなんて。

 

行こうと思えば機会はいくらでもあった。なんで行かなかったんだろう? ものすごく後悔した。終わりに立ち会えたことは幸せだけど、終わってしまうまで、どうして追い続けなかったんだろう?

 

 

 

 

「活動休止」「解散」 をこんなに怖いと思う原因は、私の愛してやまないコブクロにある。

 

コブクロは 『蕾』『流星』のヒットから一転、2011年に活動休止をする。小渕さんが喉の病気にかかったためだった。翌年には復帰を果たしているものの、最近になってようやくふたりは "充電期間" の心境を明かしている。

 

コブクロは、活動休止を発表した札幌でのライブを最後に、やめる覚悟でいたという。4年越しに知った事実に尋常じゃなく鳥肌が立った。休止どころか、コブクロそのものをやめるつもりでいたという。実際、やめようとさえ言えば簡単に終わる状況だったらしい。最終的には復帰に至るわけなのだけど。

 

大好きなアーティストが急に活動休止をして、復帰するどころかそのまま音楽自体をやめてしまったら?

 

 

休止中の心境を知って以来、そんなことを考えてしまう。

 

「また次でいいや」 と見送ったその 「次」 が、もう二度と来ないかもしれない。どんな形であれ、私の好きな音楽は、いつか鳴り止む。

 

鳴り止んでしまうその時に、後悔しないように。だからなるべく行けるライブには足を運びたい。歓声を、拍手を送りたい。一瞬一瞬を焼きつけておきたい。そう思う。

 

 

 

だからね、友人たちに言いたいのは、バカみたいにチケット代に貢ぐ私の悪癖を許してくれよということ。「行きすぎじゃない?また来るんでしょ?」 と言われたって、そんなのわかんねえんだよ誰にも!

 

いまブログに書いたみたいな理由を語り散らしたらドン引かれると思って、「え~でもさ~ライブは私のライフワークだし~」 とヘラヘラ笑うことしかできない私を許してくれよ。ブログ見てないだろうけど。読まれてたらめちゃくちゃ嫌だけど。

 

あおでした。