あおいろ濃縮還元

虎視眈々、日々のあれこれ

スペイン旅行記⑦4日目 カタルーニャ音楽堂、ピカソ美術館

スペイン新婚旅行の記録、4日目。カタルーニャ音楽堂ピカソ美術館をめぐり、芸術にふれる日。

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(前回→スペイン旅行記⑥3日目 グエル公園、サグラダファミリア - あおいろ濃縮還元

 

 

8時半、ホテルを出る。カタルーニャ広場へは歩いて20分ほど。

 

生ハム専門店「moniberic」にて朝食。つたない英語はあまり通じなかったが、なんとか生ハムのボカディージョとコーヒーを頼む。

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3種類の価格帯のうち、中間の値段のやつ。かためのパンでおいしい!夫が頼んだもっとも高いのは、もう少し柔らかく大きいパンに挟まっていた。スペインの生ハムは肉の風味が濃くておいしい気がする。

 

 

 

10:00-10:50の50分間、カタルーニャ音楽堂の自由見学ツアーへ。

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外観の装飾からして素敵。

 

 

世界遺産に登録されているカタルーニャ音楽堂は、現役のコンサートホール。建物内を自由に見学できるチケットを買った。ガイドつきのツアーを申し込むとオルガンの生演奏を聴くこともできたはずだし、コンサートの鑑賞チケットも売っている。

 

 


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客席のうしろや天井にまでも施されたステンドグラス

 


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ペガサスまでいる。遊園地めいた装飾

 


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タイルもかわいい!

 


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思わず息をのむような装飾の数々。こんな壮大で美しいものを同じ人間が作ることができるんだな……と思うとグッとくる。

 

しかもこのとき、運良くコンサートをやっていてしばし鑑賞することができた。演奏あり、ダンスなどのパフォーマンスありの、陽気で楽しいステージだった。ラテンの血を感じる。

 

 

 

サッとショッピングもする。KIKOというイタリアのコスメブランド(日本未上陸)で、ラメたっぷりのリップグロスを買う。妹へのお土産。スペインのファストファッションブランド、MANGOでショップロゴ入りのトートバッグと、日本では選ばないようなピンクの柄シャツをゲット。海外に行ったらなるべく現地のブランドで、現地っぽい服を買って帰るのが好き。

 

エルコンテイングレスというデパート9階のフードコートでは、パエリアが有名である。好きな食べ物や飲み物をオーダーしてお盆にとり、レジで会計してもらうIKEA方式。

 

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食べてみたかったアロスネグロイカスミのパエリア)、エストレージャガリシアというビールのノンアル。夫はカレー風味のパエリアと、エストレージャガリシア1906。念願のアロスネグロは、魚介の旨みがぐっと凝縮されていておいしい。

 

 

 

 

13:00、ピカソ美術館に入場。同じくバルセロナにあるミロ美術館と提携した特別展「MILO-PICASSO」と、常設展の両方を鑑賞できるチケットを事前にネットで購入済み。

 

このとき結構疲れがきていて、キャプション(Googleレンズで翻訳して読んだ)も頭に入ってこずに惰性で観ていたのだけど、ミロがピカソに熱烈に憧れていたんだろうなということはわかった。ピカソに影響を受けたのか、ミロの作風はどんどん奇抜に抽象的になり、何を描いているのかもよくわからない記号的な絵画になっていく。

 

でも私は、わかるものだけが良いとは思わないし、美術館で絵画を鑑賞する醍醐味は、わからないなりに「多分これは女性を描こうとしたんじゃないかなあ」と想像を働かせられるところだと思う。前にミロ展を観たときも、同じようなことを考えていた。

(→わかんない、をスパイスに - あおいろ濃縮還元

 

 

ピカソの絵というと、鼻や目があちこち変なところにある福笑いのような絵を思い浮かべるだろう。子どもの落書きにも見えるあれは、単なる適当な落書きではなく「キュビスム」という革新的な技法である。顔を正面から描いただけでは顔の側面も後頭部も描けていないから顔全体を描いたことにはならない→正面・横・後ろの要素を盛り込むことで "すべて" を描くという技法。

(こっちで書いた説明をそのまま引用したけれど、素人説明なので間違ってたらごめん→スペイン旅行記⑤2日目 ダリ美術館 - あおいろ濃縮還元

 

私はピカソのファンというわけではないが、彼の生み出したキュビスムに興味がある。よくわからないからこそ、実物を見てわかりたい。ダリに対してもそう思っていたのだけど、興味があったキュビスムシュルレアリスムは、図らずもピカソやダリといったスペインの画家が発祥なんだ……ということに気付いてハッとした。知らず知らずのうちに、スペインに惹かれていたのだろうか。

 

 

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ピカソは鳩がたいそう好きだったよう。たしかにスペインには鳩が多い。日本のスズメやカラスみたいな感じで、テラス席の食べ終わった食器をつついたり、ゴミ箱に群がったりしていてけっこう図々しい印象。

 

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リアルタッチの鳩。デフォルメした絵がうまい人って、実は基礎的な技術がめちゃめちゃ身についてる本当に絵がうまい人だと思う。

 

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キュビスム的な絵。色合いや図形の組み合わせ方がものすごくオシャレ。

 


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ベランダに群がる鳩


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ややデフォルメされてきた鳩

 

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この雪見だいふくのようなデフォルメ鳩のかわいさよ

 

 

 

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ショップも充実していた。ピカソのポストカードとブックマーク。


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鳩の複製画もゲット!

 

 

 

美術館をあとにしたのは16時半。疲れ果てた夫が「チュロス食べたい…」と言って、BE CHOCOLATというチョコレートショップに吸い寄せられていった。

 

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チュロス&ダークチョコレート。6本のチュロスはふわっと柔らかめ。チョコの専門店なだけあって、どろりと濃厚なホットチョコが最高。チャーリーとチョコレート工場に出てくるチョコの滝ってこんな味かも。

 

 

すっかり回復して、お目当てのJon Cakeへ。チーズケーキが絶品だそうで、かなりの行列ができている。日本人も多い。

 

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おしゃれな店内

 

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メニューの載ったチラシが店内に置いてあり、読んで待つ。

 

最もスタンダードなClassicと、Cabrales DOPというブルーチーズのケーキを頼む。大きさはよくわからなかったので「One piece, please」と言ったらいい感じに切ってくれた。食べ歩き用っぽい上部の開いた箱?に入れるかどうか聞かれ(この箱を持って店の前で食べてる人も多かった)、持ち歩くからボックスがいいと言ったら蓋付きの箱にしてくれた。

 

 

 

夫のパンツをユニクロで買い足す。いつも1000円で買っているパンツがこっちだと2000円もする……としょんぼりし、なるべくスペインっぽい柄のものを選んでいて面白かった。

 

メルカドーナ(スーパー)で買い出し。ホテルで飲む用の大きなBEZOYA(軟水)、昨日飲んですっかりハマった生搾りオレンジジュース、ソーダとカヴァ(白ワイン)、スモークサーモン、便秘解消のためのヨーグルト、生でかじりたいと言って夫はトマトと青リンゴも買っていた。

 

 

夕飯は、Poll Boというホテル近くのお惣菜屋さんでテイクアウト。ショーケースを眺めておいしそうなものを適当に頼む。ウサギか何かの骨付き肉、野菜炒め、ハムとチーズのフライ。

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ソーダとカヴァで乾杯

 

日本から割り箸持ってきてよかった。テイクアウトしたりスーパーで買ったものを部屋で食べることが多くて、念のため5本持ってきた割り箸はきっかり全部使い切った。もっとあってもよかったぐらい。22時頃、寝落ち。

 

 

違和感のある指輪

違和感のある指輪を買った。目標が叶うまでミサンガみたいな感じでつけていよう、と決めて選んだピンキーリング。私の肌にはシルバーが似合うから、わざと馴染みの悪いゴールドにした。私がいかにも好きな変わったデザインのじゃなくて、どシンプルな、華奢なリング。私のことをよく知っている人が見たなら、必ず「それどうしたの?」と聞かずにいられないような。そうして尋ねられたなら、私はそのたびに夢を語る。逃げ場をなくすように。最後まで必死で走れるように。パウンドケーキに塗るブランデーみたいに、少しずつ、願いをからだに染み込ませる。そのためのお守りであり、装身具。

 

日記を毎日つけている。日記帳に今日のできごとを書きつけるとき、右手の小指に嵌めたピンキーリングが少し引っかかる。そのたびに夢が生まれた瞬間のことを思い出す。思い出せる、ありありと。この違和感にずっと慣れないでいたい。

SUVオムレツ

夕方に差し掛かった新幹線では、そこかしこでプルタブを引く音がする。小気味のよい、楽しげな音色。出張から帰るサラリーマンたちがビールをあける音。仕事というほどではないけれど、出張めいた旅を終えた私は、晴れやかな気持ちでミニッツメイドのオレンジジュースを飲む。きゅっと心地いい酸味。26歳、最近ビールよりオレンジジュースがうまい。

 

初めて行った福岡、出張めいたその旅の途中で、新しい夢ができた。イヤホンから流れてくるMYSTERY JOUNEY、「窮屈な未来じゃ心揺れないの」という大好きなワンフレーズが胸を貫いて離れない。窓の外を眺めながら、痛いほどドキドキしていて、この歳になって、主婦になって家庭に落ち着いて、こんな気持ちが芽生えると思いもしてなかった。福岡の地でなにか思い出や証になるようなものがほしかったけど、見つからず好きなクロワッサンを買った。足元に置いたトートバッグからバターの香りがして、隣の人に迷惑をかけていないか定期的に気になる。

 

自立できないことに焦っていた。同年代の友達は大企業に勤めて着々と出世したり、海外で働いたり、スキルを活かして転職したり。比べるもんじゃないってわかってるのに、夫に養われて生きている自分のことを時々ひどくちっぽけに思う。でもなんか、開き直れた。支えてくれる人たちがいるのだからめいっぱい頼って、なんとか立てればそれでいい。それに私は自分で思っているより何もできないわけじゃなかった。あちこち支えられて生きているけれど、意外となんとかできることもある。私にしかできないこともあって、それならそれを極めていくのもいいんじゃないの、と単純なことに気付けた。耳のなかでは「もう全部作っちまうさ」と大好きな歌が鳴っている。

 

 

 

女の友情はライフステージが変われば簡単に壊れる。ことが多いと思う。疎遠になる友達も実際出てきた。結婚願望が強すぎて既婚者を恨みはじめた同級生とは、お互いそっと距離を置くようになった。仕方ないけど、かなしいもんはかなしい。それでも、互いが変わっていくことを素直に喜びあえる友人たちもいて、そういう人たちとはきっとおばあちゃんになっても仲良くしているんだろう。勝手にそんなことを考えていたら「私たちライフステージが変わってもずっと仲良くできそうだよね」「誰かに子どもができても、距離置くどころかむしろ面倒見に行くもんな」という話になってうれしかった。そうなれるといいな。

 

 

映画「かもめ食堂」や、くどうれいんの「桃を煮るひと」というエッセイに影響され、料理したい気持ちがむくむくと沸いてきた。スピーディーな作業が苦手ゆえ、料理をするのも好きじゃなく、いつも億劫だと思いながら夕飯をつくっているのだけど、ここ数日は料理をするのがすこし楽しい。昼飯もいつも納豆ごはんとか冷凍グラタンとか、調理しないで済むものばかりだったのが、きょうは小松菜のオムレツなんか焼いた。それにパセリとトマトのサラダ、納豆にもねぎを刻んでのせた(いつもは面倒でそれすらしない)。なんというか、調理の面倒くささよりも、"自分のことを労わっている" といううれしさが勝る。オムレツに適当にかけたケチャップは、どう見ても「SUV」としか読めない変なのたうち回り方をしているが、これは私から私への愛。

いつくしむ日々

名もわからぬピンクの花を買った。旅先で手に入れた、真新しい花瓶に似合いそうだと思って。自分では黒や茶色のアイテムしか身につけない反動なのか、ピンクやオレンジの、明るくかわいらしい花が好き。似たような花で迷って、蕾のついた茎がぴょんと伸びたほうを選んだ。かたく閉じていた蕾は日を追うごとにひらいていき、慈しむような気持ちが同時に芽生える。花を飾るの、久しぶりかも。働いていたころは、職場近くの花屋に寄っては季節の花をいけるようにしていたけれど、主婦になってそういえばその習慣もなくなった。花を飾るとこんなあたたかい気持ちになれること、忘れていた。

 

コーヒーのハンドドリップを覚えた。自分好みの味に淹れるコツを掴んだ、気がする。まぐれかも。わからないけど、空気を含んでぽこぽこと膨らむ粉の表面を眺めながら蒸らす時間が、楽しい。実家ではコーヒーを淹れて飲む習慣がなかったから、私にとってのコーヒーの香りはドアを横に引いたときの職員室の匂いで、おばあちゃんちの朝の匂い。

 

3分以内に淹れきること、と教わり、そのようにしている。じっくり時間をかけるほど苦くなる(気がする)ので、思い切って大胆に淹れる。ハンドドリップを始める前はものすごく敷居が高いように感じていたけれど、用意もそんなに大変じゃないし3分もせずにできるのだ。コーヒーを淹れるあいだ、なんだか、心がゆったり凪ぐ感覚がある。焚き火を見つめたり、お香を焚くときと同じ、じんわりとした癒しがある。

 

 

たとえば花をいけること、コーヒーを淹れること。つまり生活を大事にすること。結婚式と新婚旅行の準備を慌ただしくこなして、この1年、あまりそれができていなかった。日々に揉まれて、自分をいたわることを疎かにしていたのだなと思う。生活を愛して、素敵な大人でありたいな。

 

スペイン旅行記⑥3日目 グエル公園、サグラダファミリア

新婚旅行3日目は、グエル公園サグラダ・ファミリアへ。ガウディ建築めぐりの日。

 

(前回→スペイン旅行記⑤2日目 ダリ美術館 - あおいろ濃縮還元

 

 

8時ごろ「La Selecta de xurros - Antiga Xurreria Sagrada Família」へ。


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スペイン名物、ホットチョコレートチュロスを朝食にいただく。サクッと揚がったチュロスを、チョコプリンの如くどろっとしたホットチョコにつけて食べる。超おいしい。胃は悲鳴をあげているけれども。

 

 

 

バスでグエル公園へ向かう。前方のドアから乗り、T-Casual(地下鉄・バス10回券)のQRコードをかざす。どこまで乗っても料金は一定なので、あとで精算する必要はなく、降車ボタンを押してただ降りていくだけでよい。

 

9:30のチケットで入場。ガウディが設計したグエル公園は、なんと世界遺産。もともとはグエルという富豪に頼まれて集合住宅を作るつもりだったのが、計画が頓挫したために現在は公園として公開されている。カラフルなモザイクタイルでできたトカゲの像がシンボルではあるが、ほかにも見所はたくさんある。

 

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さっそくスペイン語の壁が立ちはだかる。標識もスペイン語でよくわからず、持っていたガイドブックと照らし合わせて進んだ。

 

 

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高架橋。ホグワーツの廊下を思い出す

 


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色合いがいちいち素敵。淡いピンクと濃い緑の組み合わせ、バルセロナでよく見かける気がする。「ガウディの家博物館」が見つけられなかったんだけど、これがそれだったらしい。

 


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ベンチに施された破砕タイル(不規則な形のタイルを並べる技法)、近くでまじまじ見ると素敵。組み合わせの妙よ。

 


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白い天井も、


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よく見ると全部タイル!この調子で集合住宅を作ろうとしたかと思うと、細かさに気が遠くなる。

 


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有名なトカゲも全面タイル

 

 

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階段や坂によるアップダウンも多く、けっこう体力削られた。水を持っていってよかった。

 

 

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この一度壊してわざわざ組み直してるタイル、変態の技……。ガウディ建築はそこまで好みのテイストではないのだけど、実際に見ると匠の技すぎて感服した。

 

 

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ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家をモチーフにした建物


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片方は守衛さんの家、もう片方はショップになっている

 

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どの方向からみても十字架になるよう設計されている二重十字架

 

 

ショップにて、タイル柄の塩胡椒入れ、トカゲのピンバッジとマグネットを買った。

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 THEおみやげ!って感じでいい

 

 

 

 

 

11:10頃にはグエル公園をあとにし、バスに乗ってサグラダ・ファミリアへ。

 

パリ発のベーカリー「BO&MIE」で腹ごなし。私はラズベリークロワッサン、カフェコンレチェ(カフェラテ)。夫は焼いた玉ねぎやマッシュルームがたっぷり入ったボカディージョバゲットのサンドイッチ)を。

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ジャムいりでおいしかった!

 

 

 

 

12:00、サグラダ・ファミリア入場。

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圧巻…………………

 

 

塔の入場時間がくるまで、教会のなかを見学する。めちゃくちゃ近代的なデザインの教会だ、と思う。ゴシックだのルネサンスだの、イタリアのコッテコテな教会を見てことのある私には特にそう思える。

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この柱、二重らせん柱という特別な構造になっているらしい


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教会には貧富問わずいろいろな人が来る。だれでも楽しめるよう「自然」をモチーフにしたそう。

 


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ステンドグラスは後世になって付けられたんだっけ。宗教画ではなく、抽象的なモチーフが用いられているところも近代的だなと思う。

 

 

 

12:45、生誕のファサード側から、エレベーターで塔の上部へのぼる。

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ガウディが生前手がけた「生誕のファサード

 

 

 

新婚旅行をスペインにしたのは、完成前のサグラダ・ファミリアを見ておきたかったから。

 

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無造作にゴミが散らばってる姿なんて、もう見ることはできないと思うから、来てよかった!


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めちゃめちゃ作業中だ……


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ほんとうに絶賛工事中でうれしい


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よき未完の姿だった。

 

 

下に降りるらせん階段がとんでもなく怖かった。片側には手すりがあるが、もう一方は少しでもよろめいたら落ちてしまいそうな渦を巻いている。高所恐怖症のひと無理だと思う。しかもこの階段の長いこと。

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両手で手すりにつかまって半べそかきながら降りた。もう無理。

 

 

 

模型やサグラダ・ファミリアの変遷がわかる展示もあったけれど、階段のショックで何も頭に入ってこなかった。夫は二重らせん柱や逆さ吊り模型に興奮していた。

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この星かわいい

 

 

ショップで気を持ち直し、お土産を買う。

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ポストカード、タイルマグネット、サグラダ・ファミリアの模型を作れるペーパークラフト

 

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二重らせん柱の花瓶!!!このかたちの塩胡椒入れなどもあった。ニッチな需要。

 

 

 

 

帰りがてら、メルカドーナというスーパーへ。日本でいうイオンのような感じで、プライベートブランドが安くて充実している。入り口に物乞いがいるので注意。

 

私がメルカドーナで夢中になった、生搾りオレンジジュースの機械。

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これは別のスーパーの写真だけど、仕組みは一緒。好きな大きさのボトルを取り、蓋を開けて機械にセットして、黒いレバーを押して好きなだけ注ぐ。蓋を閉めたらそのままカゴに入れて会計。

 

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滞在中4回のんだ。セットしてあるオレンジによって微妙に風味が変わって飽きない。

 

フィデウア(パスタのパエリア)、生ハム、パンコントマテスナック、アンチョビいりオリーブ缶、オリーブのボディクリームを買ってみる。

 

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部屋で食べたフィデウア。めっちゃうまい。ガーリックマヨネーズもうまい。スーパーのお惣菜のレベルじゃない。毎日ごはんこれでいい。

 

 

 

一日中歩きまわって疲れ果て、18時に仮眠のつもりで眠った。1時間寝たらZARAを覗きがてら、夕飯は米のパエリアを食べにでもいこう。そう思っていたのに、目覚めたのは夜中の2時。……2時?????8時間寝たことも、貴重な夕飯をスキップしたこともショックだ。


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メルカドーナで買った生ハムと、日本から持ってきたブタメンを食べてまた眠った。

 

4日目はカタルーニャ音楽堂ピカソ美術館へ。

(→スペイン旅行記⑦4日目 カタルーニャ音楽堂、ピカソ美術館 - あおいろ濃縮還元

 

スペイン旅行記⑤2日目 ダリ美術館

新婚旅行でスペインに行った記録、2日目。観光をしたのはこの日から。

(前回→スペイン旅行記④1日目 成田ーパリーバルセロナ - あおいろ濃縮還元

 

お目当ては「ダリ劇場美術館」。高速列車に1時間乗って、ダリの故郷、フィゲラスへ。

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サルバドール・ダリは、でろんと溶けたような時計の絵で有名な画家。シュルレアリスムの代表的な人物。ダリのことがめっちゃ好き!ってわけでもないけど、「シュール」を愛する人間として、シュルレアリスムについて知っておきたいな、ということで行くのを決めた。

 

 

7:30頃にホテルを出ると、まだほのかに薄暗い。暗いのに、空はもうしっかりと青い。これがスペインという国……。

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Verdaguer駅から地下鉄に乗る。乗り物の経路はGoogleマップで検索できるので便利。地下鉄・バスに安く乗れる「T-Casual」という10回券を買った。有効期限1年、他人との使い回しはNG。駅の券売機は英語を選択できた。

 

7:46、Beilen方面に乗車。駅のベンチに青いラムネのような、明らかにいけない薬が落ちていて気を引き締める。地下鉄はスリが多いという。ボディバッグを開けられないよう、カラビナでチャックをつないで封じておく。貴重品は服の下のウエストポーチに移し済み。(ホテルの荷物も盗まれる危険性があるため、お金とチケット類はセーフティボックスに、その他の荷物はすべてスーツケースにしまってダイヤル式のロックをかけてきた)

 

7:52、Sants Estacioで降車。地下道を3分ほど歩くと、そのまま目当てのBarcelona-Sants駅に着いた。まずは朝ごはんを食べることに。

 

「Mercat de l'Estació」という駅構内のカフェに入ってみる。パンと飲み物のセットの写真がでかでかと掲げられており、これをくださいと夫が注文する。スペイン語でなにか返ってきて、ふたりして「???」という顔をすると、英語も混ぜてくれた。やさしい……。

 

飲み物の種類を聞いていそうだと当たりをつけて「スーモ(ジュース)」と言ってみた。「アンド、カフェ(コーヒー)?」と返ってくる。パン1つにつき飲み物が2つついてくるらしく、覚えたての「Si(はい)」を使う。「アメリカーノ、オア、ウィズ ミルク?」ブラックコーヒーかカフェラテか。アメリカーノを選ぶと、パンを焼くかどうか、付け合わせはジャムかトマト(トマト!?)のどっちがいいかも聞かれる。英語とジェスチャーでなんとか意思疎通した。

 

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パンにトマト、オリーブオイル、塩を塗って食べる「パンコントマテ」はカタルーニャ地方の定番。バレンシアが近いからなのか、オレンジジュースがめちゃくちゃ美味しい。空腹と苦労もあいまって、深く身に染みる朝食だった。

 

 

 

 

 

フィゲラスへは、AVEという高速列車に乗って1時間弱。ちなみにBarcelona-Sants駅からAVEに乗るとFigueres Vilafant駅へ、2時間かかるMDという列車だとFigueres駅へ着く。前者のほうが美術館にちょっと近い。

 

まず係員にチケットを見せ、そのまま荷物検査(飛行機の保安検査と同じ感じ。ただしもっとゆるい)を受ける。電光掲示板でターミナルを確認し、待機列に並ぶ。乗車できる準備が整うと、係員にチケットのQRコードを読み込んでもらって、いざAVEに乗り込む。

 

9:10、列車が走り出す。二等車は2列シート×2の配置で、座席には新幹線についているようなテーブル、フットレストやゴミ箱まである。トイレもある。食堂車は日曜だからか閉まっていた。

 

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メニューはこんな感じ。コーラ3.30ユーロ(このとき1ユーロ160円)。

 

 

列車は全く揺れず、乗り物酔い常習犯の私でも酔わなかった。スマホの電波はほぼつながらず(帰りはつながった)WiFiも無いようだった。ガイドブックを読んで過ごす。

 

10時頃到着。駅にはダリの写真が。寝顔がキュート。

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Figueres Vilafant駅からダリ劇場美術館(Dali Theatre-Museum Figueres)までは徒歩20分。駅前からバスも出ているけれど、街の様子を味わいたくて歩いていく。

 

フィゲラスは、本当にのどかな田舎町だった。散歩している犬が多く、道のいたるところにフンが落ちまくっている。日差しがあたたかく気持ちいい。2月前半のこの日、ジャンパースカートと薄手のシャツのみでちょうどいい陽気であった。

 

 

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空、青~~~!!!


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牛たち

 

 

 


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田舎には異質な、ひときわ奇抜な建物。屋根には卵、壁にはパンのオブジェ。ダリ劇場美術館である。

 

10:45のチケットで入場。立体の展示品をみてまず思ったのは、ダリって悪趣味というか、冒涜的というか、全体的にシニカルだな……ということ。これがシュルレアリスムというものか、と言葉が分からなくても伝わる。

 

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「雨降りタクシー」という作品だそう。キャデラックの中には腐ったマネキン、ボンネットに女性像、頭上にあるのは船だろうか。

 


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中庭から見える巨大な絵

 


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リンカーンのモザイク画かと思いきや、よく見ると描いてあるのはダリの妻・ガラ。ダリのトレードマークであるぴんと立った髭は、彼女によるプロデュースだったらしい。ダリはガラのことが大好きだったようで、美しい女性の絵があると思ったら大体ガラがモデルだった。

 


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床にある四角いスペース。なんとこの地下にダリのお墓がある(別部屋に墓石の展示もある)。



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日本趣味な作品もいくつかあった

 


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キュビスムだ!ピカソの絵でよくみられる手法で、顔を正面から描いただけでは顔の側面も後頭部も描けていないから顔全体を描いたことにはならない→正面・横・後ろの要素を盛り込むことで "すべて" を描く、という表現技法。ダリはそれを平面の絵でなく立体像でやってる、というわけ。おもしろ。

 


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一見ただのソファや絵だが、階段をのぼって設置されたスコープ越しに見ると女優メイ・ウエストの顔が浮かび上がる「メイ・ウエストの部屋」。

 


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悪趣味なスケッチもたくさん。ダリって家族や妻や故郷の絵はすごく温かく美しいタッチで描くけど、皮肉っぽい絵は気持ち悪いタッチなの、わざとやってんのかな……

 


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階段の色合いすてき

 


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石の重なりで人間の姿を描いているのが左の絵で、それを本物の石で再現しているのが右。


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すご……

 


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天井画。イタリアのことおちょくってるのか?と思ったけど、天国/システィーナ礼拝堂へのぼっていくダリとガラを描いたらしい。

 


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「記憶の固執」!かの有名なでろんとした時計。

 


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「パンの籠」。


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ハリウッドのスタントマンをモデルにして描いた「十字架の聖ヨハネのキリスト」。十字架にかけられたキリストの絵は手足が釘で打たれた姿で描かれることが多いものの、あえてその描写はない。


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ダリ本人による展示プラン。違う部屋に飾られていたけれど、パンとキリストの絵をこうして隣に飾りたかったみたい。

 

 


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すごいボリュームで満足。明らかにピカソっぽい絵や、イタリアの彫像や天井画を揶揄するような作品が多くておちょくってんのかな?と思ったけど、キュビスムルネッサンスに興味があったらしい。好きな子のこといじめるタイプ?

 

ダリ宝飾美術館も横にあったけど、空腹の限界でスルーした。

 

 

 

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買ったおみやげ。上の細長いポストカードは、左が実際の風景、右がダリの描いたもの。左下のポストカードは「焼いたベーコンのある柔らかい自画像」。右下はヒトデを持っているおちゃめなダリ。天井画のブックマーク。


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「記憶の固執」のマグネット。ミニチュア絵画という感じでかわいい。

 

 

 

 

外は20度近く、暑いくらいの陽気。スペイン語メニューしかない地元民だらけのバルに飛び込む勇気はまだなく、ランチができる店を探してしばしうろついた。

 

ショーケースにパンの並ぶ「Obrador 58」を見つけ、指さし注文ができるかもと飛び込んでみる。「Est por favor(これください)」を駆使して、夫がピザとコーヒーを頼んでくれた。

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さすがスペイン、さりげなくのってるオリーブがうまい……

 

 

調子づいて向かいの「Cafe Paris」にも入る。このお店、超おすすめ。

 

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肉厚なオリーブが感動的においしかった!オリーブそこまで好きじゃないけど、これはいくらでも食べていたかった。アグアコンガス(炭酸水)が染み渡る。夫はサン・ミゲルというすっきりしたビールのノンアルを飲んでいた。

 

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タコのガリシア風、めっっっっちゃうまくて泣きそう

 

店員さんに言われた「Todo bien?」が「トレビアン?」にしか聞こえず困惑したけど、頼んだもの全部来てる?とかおいしい?って意味だろうなと思って「おいしいよ!オッケー!」的な返しをしたら奇跡的に合っていた。 

 

17時の列車まで、近くの公園を散歩したり、のんびりとフィゲラスを散策した。観光初日から色々と見て回るのではなく、ゆったりしたスケジュールにしてよかった。スペイン、すごく好きかもしれない。店員さんたちは、スペイン語が通じないとわかっても突き放すでもなく、簡単な英語でわかるまで話してくれる。外国においてそれがどんなに珍しく、有り難いことか。他の国では「は?何言ってるかわからん」と露骨に嫌な顔をされることが普通だったので……

 

 

 

ホテルへの帰り際、日曜でも開いていた「Condis Express」というスーパーに寄る。お酒安すぎてビビった。1ユーロもしなかった気がする。持ち歩き用の水と、部屋飲み用の生ハムも購入。
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夕飯はホテル近くの「Restaurante La Particcela」へ。食べ物メニューは写真つきで、指さし注文ができる。

 

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現地のビールが飲みたくて頼んだエストレージャガリシア、コクがあってうまい

 

サラダとラザニア、食べてみたかった生ハムのクロケッタとパドロンも頼む。クロケッタとはスペイン風コロッケで、小ぶりの生ハム入りクリームコロッケという感じ。胃もたれしなくていい。パドロンししとうにそっくりな青唐辛子で、これの素揚げがスペインのバルにはよくあるらしい。おいしかった。

 

 


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部屋に帰り、生ハムとともにノンアルのレモンビールを。確かすっきり甘くておいしかったと思う。セルベッサ=ビールなのも覚えた。

 

 

3日目はグエル公園サグラダ・ファミリアへ。

(次回→スペイン旅行記⑥3日目 グエル公園、サグラダファミリア - あおいろ濃縮還元

 

スペイン旅行記④1日目 成田ーパリーバルセロナ

新婚旅行、スペイン8泊10日の記録。1日目は完全に移動日である。

(前回→スペイン旅行記・持ち物&服装編 - あおいろ濃縮還元

 

出発の前日、夫が残業から帰ってきたのが22時。そこから夕飯を食べて風呂に入り、1~2時間ほど仮眠して、家を出たのは1時40分。

 

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この時点で旅のワクワクよりも、体力大丈夫か……?という不安がアラサーふたりに重くのしかかっている


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キレートレモンで疲労感を軽減していく


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成田空港まで車で6時間。ペーパードライバーの私はナビをしたり、眠そうな夫にリポD男梅グミを与えたり、平成ヒットソングDJをしたりと、助手席のプロに務める。


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なんだこの手

 

 

7:30、成田空港に到着。はやくも足が痛い。助手席に座っていただけのくせに。第5駐車場に車を停め、第1ターミナルまでは歩いて6分ほど。とにかく大量の野菜が食べたくて、朝ごはんはサブウェイに決めた。アボカドベジーのみずみずしさが身に染みる。

 

インストール済みのeSIMをここでアクティベートしておく。スペインだけでなくトランジット先のフランス・オランダでも使えるよう、Nomadのヨーロッパ5GBプラン(30日14ドル)を選んだ。手続きが面倒でやや手間取る。やり方調べておけばよかったね。

 

AnkerのEufy Smart Track Linkというスマートタグもここで開けた。ところが、4個セットのうち2個が電池切れのようで、アラーム音が鳴らない。まあ各スーツケースに1つずつつけられればいいか……となったところで更に、Bluetoothが通じる範囲内じゃないと使えないことに気付いた。ロストバゲージ対策のつもりで買ったのに。アホすぎる。

 

空港内のみずほ銀行にて日本円をユーロに替える。市場やバルで現金しか使えない場合や、クレジットカードを止められたり盗まれたりして使えなくなる場合を想定し、念には念をいれて10万円分を両替した(実際は半分も使わなかった)

 

無印良品に寄り、私は折りたたみスリッパ、夫はネックピローを買う。空港にある無印良品ユニクロって、後光が差すほどありがたく見える。痒いところにどこにでも手が届く存在。マイオアシス。

 

10:05が荷物を預けるリミットで、確か9時~9時半くらいには荷物を預けて保安検査も済ませていた気がする。自販機で水を買うか迷い、日本茶が恋しくなるかもしれないと思い直してお茶を買った(現に夫は、機上で伊右衛門にめちゃくちゃ感謝していた)。

 

10:20、搭乗開始。混雑しており、搭乗締切時刻を過ぎたくらいでようやく乗れた。

 

11:05に成田空港を出発。パリまで14時間のフライトで、なんと合計1時間半しか眠れなかった。変に仮眠をとったりしたから、自律神経がいきなり大バグリしたのかもしれない。夫も似たようなもので、出発時から積み重ねてきた疲労がいっそう濃くなっていく。30分おきに「ああ…あと○時間もある……」と死んだ目で呟くアラサー夫婦。新婚旅行とは思えぬ苦行。眠くなるタイプの酔い止め飲めばよかった。

 

機内食はチキンかフィッシュを選べた。どうやらチキンが洋食、フィッシュが和食のよう。夫の選んだ和食も悪くなかったけれど、やはり海外の航空会社だけあって洋食がピカイチにうまい。ソースのかかったチキンと、付け合わせのじゃがいもがすごく美味しかった。


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右上の、ドーナツ型のシュー生地にナッツ入りカスタードが挟まったお菓子がものすごく美味しかったんだけど、これなに??お初にお目にかかった

 

足の痛みと戦いながらエッセイを読んだり、スペイン語のおさらいをしたり。とりあえずジュースはスーモ、カフェオレはカフェコンレチェ、バゲットのサンドイッチをボカディージョというのは覚えた。夫は大好きな「リメンバー・ミー」をまず英語で、そのあとスペイン語で計2回見ていた。

 

エールフランスの機内では、最後尾のトイレの前あたりに飲み物ワゴンとコップが置いてあって、自由に飲んでもいいようになっていた。スプライトとトマトジュースをありがたくいただく。


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軽食。カツサンドのさらに上位互換のような、なんかとんでもなくうまいカツサンド。十勝ヨーグルトもありがたい

 

 

パリで約 3時間のトランジット。ターミナル間の移動方法や乗り継ぎ時におこなう手続きなど、空港内での流れをあまり調べておらず、ふたりして慌てて検索した。eSIMをヨーロッパプランにしておいてよかったと思う。

 

わずかに残った時間の中で、急いでラデュレのマカロン、PAULのパンを買う。深夜に到着するバルセロナで食料調達できるとは思えないため、これはお土産ではなく今夜の小腹を満たす要員である。

 

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クロワッサンふつうだった 夫が買った洋梨のタルトみたいなやつは激ウマ タルトおすすめ

 

 

搭乗待機中、疲労のピークにあった私たちは、号泣するほどの大喧嘩をした。成田離婚という言葉がどどん!と頭をよぎる。なにかネガティブな状況に置かれたときの性格の相性、知ってたけどめっっちゃ悪い。先が思いやられるが、どうにかこうにか話し合いをして、飛行機に乗ったときには和解した。もうこれ以上喧嘩しないように、お互い本気で眠る。

 

バルセロナに到着し、預けていたスーツケースをピックアップし終えたのが23:22。今夜飲む水がほしかったが、空港の自販機はものすごく高く、ホテル近くの24時間スーパーに賭けることにした。

 

こんな遅い時間でも、空港からカタルーニャ広場までの連絡バスはまだ運行している。本当にありがたい。券売機で片道(One way)のチケットを2枚買う。券売機の言語は英語を選択できたが、クレジットカードを決済する機械はスペイン語だった。いきなり全然わからなくて大困惑。なんとなくで乗り切った。

 

※クレジット決済の機械に「JPY(日本円)」か「EUR(ユーロ)」の選択肢があったら、迷わずユーロを選ぶこと。日本円にすると、好きなだけ手数料を上乗せして請求される可能性があるため。

 

バスは5分~10分間隔ですぐに来る。23:48、アエロバス乗車。スーツケースを置けるスペースもあって助かる。終点・カタルーニャ広場までの所要時間は35分となっていたけれど、夜間で車通りが少なかったからか、やや早く着いた気がする。

 

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建物きれ~!!!外国に来たのだという実感が湧いてきた(いま?)

 

ホテルまでは15~20分ほど歩く。深夜だし治安が悪かったらタクシーを呼ぼうと話していたが、私たちの歩いた道はわりかし良治安だった。

 

24時間スーパー(こじんまりしていて、スーパーというより価格帯的にも日本のコンビニという感じ)に入る。だいたいの商品に値札がついておらず、なんか怪しい。まあ、空港の自販機よりはマシかも……と水を買ったら、案の定ぼったくり価格だった。値札がついていない店で買い物はするのはやめよう、と早々に教訓を得る。

 

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こちら噂のぼったくり水

 

1時頃ホテルに到着。英語が通じるホテルはまず挨拶して「Can I Check in?」と言えばオッケー。先にオンラインチェックイン済みだったので、住所を書いたりすることもなく、パスポートで本人確認をしてカードキーをもらうのみ。4泊お世話になるユーロパークは真新しくて綺麗だった。珍しいことにバスタブもついている。

 

シャワーを浴び、リュックの中で潰れていたラズベリーカロンを食べ、限界までむくんだ足に休足時間を貼りつけて就寝。

 

 

翌日はダリ美術館へ。

(次回→スペイン旅行記⑤2日目 ダリ美術館 - あおいろ濃縮還元